不動産会社への初回相談で持って行くもの・聞かれること
不動産会社への初回相談は、契約を決める場ではなく、判断材料を集める場です。それでも、何を聞かれるのか、何を持って行けば話が早いのかが分からないまま行くと、その場の勢いで契約してしまったり、逆に何も決められないまま帰ってきてしまったりします。このページは、初回相談の流れを実演に近い形で並べたものです。担当者が最初に確認する項目、持参すると話が早い資料、分からない項目をそのまま伝える意味、契約前に聞いておく質問、相談後に受け取る資料までを、磐田市・袋井市・森町で実際にある相談の場面に沿って整理します。

まず結論
初回相談では、目的と決める人を最初に共有し、分からない項目は「分かりません」で止めてよいと知っておくことが最初の準備です。登記事項証明書や納税通知書があると話は早く進みますが、なくても始められます。契約前には媒介契約の種類・期間・査定の根拠を聞き、今日決めなくてよいかを確認してから、資料を持ち帰って家族と話し合う時間を取ってください。
初回相談で、担当者が最初に確認する項目
この章では、初回相談で必ず聞かれる質問の順番と、それぞれの狙いを整理します。聞かれる項目の全体像を先に知っておくだけで、答えに詰まる場面はかなり減ります。
相談の入口は「今日は何をしにいらしたか」という質問から始まります。実家じまいの相談は、売りたい、貸したい、まだ決めていない、家族の意見がバラバラ、のどれから来ても構いません。担当者が最初に確認したいのは結論ではなく、相談の目的と、決める人が誰かです。名義人本人が来ているのか、相続人の代表として来ているのか、まだ名義変更前で複数の相続人がいるのかによって、その先に進められる話の範囲が変わります。
次に聞かれるのは物件の基本情報です。住所、土地の面積、建物の築年数、構造、部屋数程度が分かれば会話は進みます。正確な面積や築年数が分からなくても、おおよそでかまいません。担当者は名寄帳や登記事項証明書など公的な資料で後から確認できるためです。むしろ、分からない部分をその場で無理に決めつけて答えると、後で訂正が必要になり、査定のやり直しにつながることがあります。
権利関係の確認も早い段階で入ります。名義は誰か、共有名義になっていないか、住宅ローンが残っていないか、抵当権の登記が残ったままになっていないか。相続が発生している場合は、相続人が何人いるか、遺産分割協議が済んでいるかどうかも聞かれます。ここは事実を並べるだけで足り、結論や合意ができている必要はありません。「まだ決まっていません」という答えは、それ自体が有効な情報です。
現在の使用状況も欠かせない項目です。誰も住んでいない空き家なのか、親が入院や施設入居で一時的に不在なのか、賃貸に出しているのか。空き家であれば、最後に人が住んでいたのはいつか、庭木や雨戸の管理を誰が行っているかも話題になります。使用状況は建物の傷み方や、売却までに必要な準備の量に直結するため、担当者は具体的な生活の様子を聞きたがります。
売りたい理由と急ぎ具合も確認されます。固定資産税や管理の負担が重い、遠方で通えない、相続税の申告期限が近い、特に急いでいないが将来のために話を聞いておきたい。理由によって提案する進め方が変わるため、遠慮せずに話してかまいません。急いでいないという答えも、担当者にとっては重要な情報です。
価格の希望についても聞かれますが、この段階で具体的な金額を答えられなくても問題ありません。いくらで売れるか知りたくて来た、という相談がほとんどだからです。逆に、周辺の売り出し事例をすでに調べている場合は、その情報を共有すると、査定の話がかみ合いやすくなります。ここでも分からないことは分からないと言えば足ります。
家族の中での共有状況も確認されます。今日の相談内容を、他の相続人や家族にどう伝えるか、伝える予定があるかどうかです。一人だけで来て決められる話と、持ち帰って家族と相談してから決める話は、進め方が変わります。担当者が「今日は聞くだけで大丈夫です」と言えるのは、この確認があるからです。
最後に、これまでの経緯が確認されます。ほかの不動産会社にすでに相談したか、査定を取ったことがあるか、その内容にどう感じたか。既に動いている情報があれば、重複を避けて話を進められます。ここまでの一連の質問は、担当者が結論を急ぐためではなく、次に何を提案すべきかを絞り込むために行われます。
相談の所要時間は、初回で一時間から一時間半程度が目安です。担当者は相談記録シートのような書式に沿って質問を進めることが多く、雑談のように感じても、実際には決まった項目を一通り確認しています。時間内にすべての項目を聞き終えられなくても、残りは次回に回されるだけなので、焦って先回りして答える必要はありません。
実際にあった行き違いの例として、面積を記憶だけで「だいたい六十坪くらい」と答えたところ、その数字が査定の前提条件に反映され、後日登記事項証明書を取り寄せると実際の面積が違っていた、という場合があります。差が大きいと査定の前提が変わり、資料の作り直しが必要になります。数字に自信がないときは、「概数ですが」と一言添えるだけで、担当者側の扱いが変わります。
相談には、必ずしも一人で行く必要はありません。名義人と相続人の代表が一緒に来ることもあり、その場合は担当者が全員に同じ説明を一度で行えるという利点があります。予定が合わないときは、後日資料を共有する前提で、まず動ける人だけで先に相談を始めても構いません。誰か一人が窓口役になると決めておくだけでも、その後のやり取りが分かりやすくなります。
- 名義人本人か、相続人の代表かを最初に伝える
- 正確でなくてよいので、住所・面積・築年数のおおよそを話せるようにしておく
- ローンや抵当権の状況について「分からない」も含めて答えを用意する
- 相談内容を家族にどう共有するかを、聞かれたときに答えられるようにしておく
図1初回相談で、質問が向かう順番
持って行くと初回相談がその場で進む資料
この章では、持参の優先度と入手先を整理します。全部そろっていなくても相談は始められます。
初回相談に完璧な資料一式は必要ありません。ただし、いくつかの資料があると、その場で話が具体的に進みます。優先度が一番高いのは、建物や土地を特定できる資料です。登記事項証明書や、権利証・登記識別情報通知があれば、地番や家屋番号がその場で分かり、担当者が公的な情報を調べる手間が減ります。手元になければ、住所だけでも構いません。
次に役立つのが固定資産税に関する資料です。毎年春に届く納税通知書、または市役所の資産税を扱う窓口で取得できる名寄帳です。名寄帳には所有するすべての土地・建物の一覧と評価額が載っており、飛び地や共有名義の持分がある場合の把握にも使えます。通知書が見当たらない場合は、市役所の窓口で再発行や写しの取得方法を確認できます。
建物の図面があれば、間取りや増改築の履歴を話すときに役立ちます。新築時の設計図書一式でなくても、間取り図や確認済証があれば十分です。増築した部分が登記されていない、いわゆる未登記の増築がある場合は、その旨を伝えてください。査定や後の手続きに影響する可能性があるため、早い段階で共有しておくほうが後々の手戻りが少なくなります。
住宅ローンが残っている場合は、残高が分かる書類があると話が早く進みます。金融機関から定期的に届く返済予定表や、残高証明書です。正確な残高がその場で分からなくても、おおよその借入時期と当初の借入額が分かれば、担当者は大まかな残債の見当をつけられます。ローンが完済済みなのに抵当権の登記が残っている場合もあるため、完済の時期も伝えておくと確認がスムーズです。
境界に関する資料があれば持参します。過去に土地家屋調査士が作成した境界確認書や、隣地との境界立会いの記録です。掛塚のように細い道が入り組む区域や、農地に隣接する土地では、境界の認識が図面と実際で食い違っていることがあります。資料が見当たらない場合でも問題はなく、後の調査で確認する項目として扱われるので、無理に探し回る必要はありません。
家族間の話し合いの状況をメモにしておくと、口頭での説明よりも正確に伝わります。相続人が何人いるか、誰がどの程度賛成しているか、まだ話していない人がいるかを箇条書きにするだけで十分です。担当者はこのメモをもとに、今すぐ進められる話と、家族の合意を待ってから進める話を分けて提案できます。
本人確認書類は、その場で契約を結ぶ予定がなくても持参して構いません。運転免許証やマイナンバーカードなどです。ただし初回相談の段階で提示を求められることは多くなく、任意です。逆に、契約や重要な書類のやり取りに進む段階になれば必ず必要になるため、早めに所在を確認しておくと後の手続きが滞りません。
資料がまったくそろわない状態で相談に行っても構いません。担当者は住所と大まかな状況だけでも相談を受け付け、その場で公的な資料の取得方法を案内できます。むしろ、資料をそろえようとして相談自体を先延ばしにするほうが、状況を悪化させます。まずは今ある情報だけで一度相談し、そこで足りない資料を教えてもらう進め方も実用的です。
遠方に住んでいて現地に来られない相続人が資料を集める場合は、郵送やオンラインでの請求を先に調べておきます。登記事項証明書は法務局のオンライン請求や郵送請求に対応しており、返信用封筒を同封しておけば、数日から一週間程度で手元に届くことが一般的です。名寄帳や納税通知書の写しについても、市役所の窓口に郵送での交付が可能かどうかを電話で確認してから請求すると、往復の手間が省けます。
名寄帳を取り寄せると、名義が祖父母の代のままになっていることが分かる場合があります。この場合は相続登記が数次にわたって未了になっている可能性があり、通常の相談よりも早い段階で司法書士へつなぐ必要が出てきます。担当者に状況を伝えれば、その場で次の相談先を案内してもらえるため、名義の古さに気づいた時点で正直に共有しておくと、後の手続きがスムーズになります。
建物の現状を撮った写真があれば、図面だけでは伝わらない傷み具合を共有できます。屋根や外壁、庭木の様子をスマートフォンで数枚撮っておくだけで十分です。特別な機材や専門知識は要らず、相談の前日に思い立ってからでも間に合います。
- 登記事項証明書か権利証、どちらか一方だけでも探しておく
- 納税通知書が見当たらない場合は市役所で名寄帳の取得方法を確認する
- 未登記の増改築があれば、その旨を最初に伝える
- 資料がそろわなくても、住所だけを持って相談してよいと知っておく
| 資料 | 優先度 | 入手先の目安 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書・権利証 | 高い | 法務局(窓口・オンライン請求) |
| 納税通知書または名寄帳 | 高い | 市役所の資産税を担当する窓口 |
| 建物の図面・確認済証 | 中 | 自宅保管。なければ建築時の施工会社に確認 |
| ローンの返済予定表・残高証明 | 中 | 借入先の金融機関 |
| 境界確認書 | 低い | 自宅保管。なければ相談時に伝える |
「分からない」をそのまま伝えると相談が進む理由
この章では、分からない項目を無理に埋めずに伝える意味と、誰に確認すれば分かるかを整理します。
初回相談でよく起きるのが、分からないことをその場で「たぶんこうだったと思う」と答えてしまう場面です。悪気はなくても、この答えは後の作業を増やします。担当者はその場の言葉をもとに次の提案を組み立てるため、後から事実と違うと分かると、査定や資料の作り直しが必要になります。分からない項目は「分かりません」「確認します」とだけ答えれば十分です。
分からないままでよい項目には、いくつかの種類があります。ひとつは、確認すれば誰でも分かる事実です。地番、面積、名義人、固定資産税評価額といった項目は、法務局や市役所で確認できます。これらは相談の場でその場で答える必要がなく、担当者が公的な資料から調べられる範囲です。無理に記憶で答えるより、確認先に任せたほうが正確です。
もうひとつは、家族の中でまだ答えが出ていない項目です。誰が相続するか、いくらで売れたら納得できるか、いつまでに決めたいか。これらは、担当者に聞かれても、その場の一存で答える必要はありません。「家族で話し合ってから返事をします」という答えも、立派な回答のひとつです。担当者が本当に困るのは、答えがないことではなく、答えがないまま話を進めてしまうことです。
相続人の人数や範囲が分からない場合は、戸籍をたどって確認する作業が必要になります。この作業は不動産会社では行えず、司法書士に依頼する範囲です。相談の場では「相続人が何人いるか、まだ確定していません」と伝えれば十分で、その場で人数を数え上げようとする必要はありません。確定を急ぐより、確定させる担当者につなげてもらうほうが早く進みます。
境界の位置が分からない場合も同様です。図面と現況が食い違っていることに気づいても、その場で正確な位置を答えることはできません。境界の確定には、土地家屋調査士による測量や、隣地の所有者との立会いが必要になる場合があります。相談の場では「境界がはっきりしないところがある」と伝えるだけで、必要な手続きの見当を担当者がつけられます。
住宅ローンの残高や抵当権の扱いが分からない場合は、借入先の金融機関に確認する必要があります。完済しているはずなのに書類が見当たらないという相談も珍しくありません。この場合も「完済したと思うが書類がない」と正直に伝えれば、登記事項証明書で抵当権の登記が残っているかどうかを確認する、という次の一手が見えてきます。
空き家になった時期や、最後に誰が住んでいたかが曖昧な場合もあります。記憶を頼りに無理に日付を決める必要はなく、数年前だったと思う程度で構いません。時期のおおよそが分かれば、建物の傷み具合を推測する材料として十分に使えます。正確な日付よりも、生活が止まってからどのくらい経つかという感覚のほうが、実務では役に立ちます。
分からないことを分からないと言えるかどうかは、相談を受ける側の姿勢にも左右されます。質問にすぐ答えないと相談が進まないと感じさせる担当者もいれば、分からない項目を整理して次の確認先を示す担当者もいます。後者の対応をしてくれるかどうかは、初回相談で会社を見極める材料のひとつになります。
分からないまま話を進めてしまった例として、境界について「大体このあたりまで」と口頭で伝えた内容がそのまま資料に反映され、後日隣地の所有者との認識の違いが表面化したという場合があります。境界は思い込みで確定できる項目ではないため、少しでも自信がない場合は、必ず未確定として扱ってもらうよう伝えてください。
分からない項目が複数重なる場合は、確認する順番にも優先度があります。優先して確認すべきは、名義や相続人の範囲といった権利に関わる項目です。ここが曖昧なままでは、査定はできても契約には進めません。逆に、価格の希望や家族の意向は、契約の直前まで固まっていなくても、相談を進めるうえで支障にはなりません。
分からないと答えた項目は、担当者がその場でメモに残し、次回までの宿題として扱われるのが通常です。口頭で流されたと感じたときは、自分でも同じ内容を手元に控えておくと、次回の相談で食い違いが起きるのを防げます。宿題が誰の担当かまで確認しておくと、次回までに何を用意すればよいかが明確になります。
- 分からない項目は「分かりません」「確認します」で答えを止めてよい
- 相続人の人数や境界は、記憶ではなく専門家に確認する範囲だと知っておく
- 家族の意向がまだ決まっていない場合は、その旨をそのまま伝える
- 分からない項目を整理して次の確認先を示してくれるかを、相談相手を見極める材料にする
図2分からないままでよい項目と、確認できる相手
その場で決めないために、相談の最後に聞くこと
この章では、契約や次のステップを勧められたときに、署名の前に必ず確認しておきたい質問を整理します。
初回相談の最後になると、話の流れで契約や次のステップを勧められることがあります。ここで大切なのは、即決するかどうかではなく、決める前に確認すべき点を聞き切ることです。契約書に署名するかどうかは、資料を持ち帰り、家族と相談してから決めても遅くありません。良心的な会社であれば、持ち帰って検討することを止めません。
最初に聞いておきたいのは、媒介契約の種類です。専属専任媒介、専任媒介、一般媒介という三つの型があり、他の会社に重ねて依頼できるかどうか、会社からの報告義務の頻度、自分で買い手を見つけた場合の扱いが異なります。それぞれの違いと、この会社がどの型を勧めるのか、その理由を聞いておくと、後で知らなかったという状況を避けられます。
契約期間についても確認します。媒介契約には期間があり、期間中に思うように話が進まなかった場合、途中で解約できるのか、更新はどう扱われるのかを聞いておきます。期間や更新の条件は会社によって説明の仕方が異なるため、その場で口頭だけで済ませず、書面でどう記載されるかを確認してください。
査定額の根拠も聞くべき項目です。近隣の類似した物件がいくらで売り出され、いくらで成約したか、根拠になった事例の数と時期を尋ねます。根拠を示さずに高い査定額だけを提示する会社もあるため、数字そのものよりも、その数字がどこから来たのかを聞く姿勢が役に立ちます。複数の会社に同じ質問をすれば、説明の丁寧さの違いも見えてきます。
建物の状態を専門家に見てもらう、既存住宅状況調査(インスペクション)についても聞いておきたい項目です。媒介契約を結ぶ際には、この調査を実施する業者をあっせんできるかどうかの説明を受ける仕組みがあり、調査を行った場合はその結果の概要が後の取引の説明に反映される取り扱いになっています。詳しい制度の内容は国土交通省の案内で確認できます。実施するかどうかは任意ですが、選択肢として知っておくと判断の幅が広がります。
手数料の考え方についても、その場で確認します。仲介手数料には法律で定められた考え方がありますが、具体的な金額の計算は物件の条件によって変わるため、この記事では断定しません。金額そのものよりも、いつ、どのタイミングで発生するのか、契約が成立しなかった場合にも費用が発生するのかを聞いておくと、後の資金計画で困りません。
広告の範囲についても質問できます。どの媒体に、いつから掲載するのか、近隣に知られたくない事情がある場合に配慮できる範囲はどこまでか。実家じまいの相談では、近所に知られる前に進めたいという希望を持つ家族も少なくありません。配慮してもらえる範囲を先に聞いておけば、後から思っていたのと違うという食い違いを避けられます。
最後に、今日決めなくてよいことを確認します。今日中に返事をいただく必要はありますかと一言尋ねるだけで、多くの場合は持ち帰って検討してよいという答えが返ってきます。逆に、急かす姿勢が強い場合は、それ自体が会社を選ぶ判断材料になります。資料を受け取り、分からなかった点をメモに残して、家族と共有してから次の相談に進んでください。
実際にあった例として、内容をよく確認しないまま専属専任媒介契約に署名し、その後に知人から買いたいという話が来たものの、自分で買主を見つけた場合の扱いを確認していなかったため、断りを入れることになったという場合があります。契約の型によって、自分で見つけた相手と直接取引できるかどうかの扱いが異なるため、この点は署名前に必ず確認してください。
手数料の支払いのタイミングについても、契約成立時と引き渡し時に分けて求められることがあるため、総額だけでなく、いつ、どれだけ支払うのかを確認しておくと、資金の準備がしやすくなります。分割の仕方は会社によって説明が異なるため、口頭で聞いた内容を、契約書のどの条項に書かれているかと合わせて確認しておくと、後の行き違いを防げます。
契約を途中で解約する場合に、それまでにかかった広告費などの実費を請求されることがあるかどうかも、確認しておきたい項目です。会社によって扱いが異なるため、口頭の説明だけでなく、契約書の該当する条項でどう書かれているかを見比べてください。書かれていない場合は、その場で質問して答えを書き加えてもらいます。
- 媒介契約の種類ごとの違いと、勧められる理由を聞く
- 契約期間と、途中解約・更新の扱いを書面で確認する
- 査定額の根拠になった事例の数と時期を尋ねる
- 「今日中に返事が必要か」を一言確認し、持ち帰って検討する余地を残す
相談を終えた後、何を受け取り、何を確認するか
この章では、相談後に受け取る資料の種類と、契約する場合・しない場合とで変わる扱いを整理します。
相談が終わると、いくつかの資料を受け取ります。代表的なのは査定書です。価格の一点だけでなく、近隣の類似事例、価格帯の幅、査定の前提条件が書かれているかを確認してください。幅のない一点の数字だけが書かれている査定書は、根拠を口頭で補ってもらう必要があります。持ち帰ったら、家族に見せる前に、自分自身が根拠の部分を読めているかを確かめておくと、説明がしやすくなります。
媒介契約を結ぶ場合は、媒介契約書が交付されます。契約の種類、期間、報告義務の頻度、途中解約の扱いが書かれています。この場でのやり取りだけでなく、書面に書かれている内容が最終的な取り決めになるため、口頭で聞いた説明と書面の記載が一致しているかを見比べてください。分からない条項があれば、署名する前に質問してよいことは、不動産の相談全般に共通する原則です。
媒介契約を結ばない場合でも、その日に受け取った査定書や資料はそのまま持ち帰れます。契約しないと資料を返さなければならないという決まりはありません。他の会社に相談する予定がある場合は、比較のためにそのまま保管しておくと、条件の違いを見比べる材料になります。
既存住宅状況調査(インスペクション)をあっせんできる会社であれば、調査業者の連絡先や調査の内容についての資料をもらえることがあります。調査を受けるかどうかは任意で、費用も発生します。その場で申し込む必要はなく、他の資料と合わせて持ち帰り、必要性を検討してから返事をしても遅くありません。
相談の中で分からないと答えた項目については、次に誰が何を確認するのかを、その場でメモにしてもらうと後が楽になります。担当者が調べる項目、自分たちが役所や金融機関に確認する項目、家族で話し合う項目を分けて書いてもらえば、次回の相談までにやることがはっきりします。口頭だけで終わらせると、次回までに内容を忘れてしまうことが少なくありません。
次回の相談日を決めるかどうかも、この場で確認できます。決めなくても構いませんが、決めないまま解散すると、連絡のタイミングを互いに待つ形になり、話が止まりやすくなります。二週間後にもう一度、資料がそろったら連絡します、のように、次の一歩をどちらが担うかだけでも共有しておくと、相談が一回きりで終わりにくくなります。
受け取った資料は、家族と共有できる形にしておきます。写真に撮って家族のグループに送る、コピーを取って郵送する、次に集まる機会に持参する。どの方法でもかまいませんが、相談に行った本人の記憶だけに頼ると、内容が正確に伝わりません。査定書や説明の資料は、口頭で伝えるよりも、実物を見てもらうほうが誤解が少なくなります。
初回相談は、契約を決める場ではなく、判断材料を集める場です。受け取った資料をもとに、家族で話し合い、必要であれば別の会社にも同じ質問をして比較する。その過程を経てから契約するかどうかを決めても、通常は遅すぎるということはありません。焦って決めるよりも、資料を持ち帰って検討する時間を取るほうが、後の後悔を減らせます。
査定書に記載された価格は、その時点の周辺相場を反映したものです。半年から一年ほど経つと前提となる事例が変わるため、そのまま次の判断に使い続けるのではなく、期間が空いた場合は改めて依頼し直す意識を持っておくと、判断のずれを防げます。査定書の日付を確認する習慣をつけておくと、この見直しを忘れずに済みます。
相談後に受け取った資料を一人で抱え込み、家族に共有しないまま数か月が過ぎてしまう例も珍しくありません。資料は受け取った時点では判断材料にすぎず、共有して初めて次の話し合いに使えます。相談から一週間程度を目安に、家族へ共有する日を決めておくと、せっかく受け取った資料が眠ったままになりません。
受け取った資料には、相談した日付と担当者の名前を書き添えておくと、複数の会社に相談した後で見比べるときに迷いません。小さな手間ですが、資料が増えるほど、この一手間の効果が大きくなります。会社ごとに紙の色を変える、封筒を分けるといった簡単な工夫でも、後から探す時間を減らせます。相談が二回目、三回目と重なる家庭ほど、この整理の差が後々の比較のしやすさに表れます。
- 査定書に価格帯の幅と根拠になった事例が書かれているかを確認する
- 媒介契約書は、口頭で聞いた説明と記載内容が一致しているかを見比べる
- 契約しなくても資料は持ち帰れることを覚えておく
- 分からない項目について、次に誰が何を確認するかをその場でメモにしてもらう
図3相談後に受け取るものは、契約する・しないで変わる
このページ固有の確認メモ
ここからは「不動産会社への初回相談で持って行くもの・聞かれること」で特に確認したい内容を、事実、避けたい判断、手元資料に分けて示します。すべてを一度に終える必要はありません。確認できた項目には日付と根拠を添え、分からない項目には担当者と再確認日を付けてください。家族が別々の時間に作業しても、同じ一覧へ戻れる状態を目指します。
確認しておく事実
この欄は、方針を決める前に共有したい事実です。家族の記憶だけで確定せず、通知書、契約書、公式ページ、撮影日が分かる写真など、確認に使った根拠を隣へ書きます。該当しない項目も削除せず「該当なし」とした理由を残すと、後から同じ調査を繰り返さずに済みます。
- 初回相談では、結論ではなく目的と決める人を最初に共有する
- 分からない項目は「分かりません」「確認します」で答えを止めてよい
- 登記事項証明書・納税通知書・ローンの返済予定表があると話が早く進むが、なくても相談は始められる
- 媒介契約の種類・期間・途中解約の扱いは、署名前に書面で確認する
- 既存住宅状況調査(インスペクション)は任意で、あっせんの可否について説明を受けられる
- 相談後に受け取った資料は、契約しなくても持ち帰れる
- 今日決めなくてよいことを確認し、持ち帰って家族と話し合う時間を取る
避けたい判断
この欄に当てはまる可能性があるときは、契約や処分をいったん止めます。一般例を対象の家へ当てはめたのか、資料で確かめたのかを区別し、不足情報を質問へ直してください。法務、税務、測量、建物、行政など別分野の判断が必要なら、回答できる相談先へ切り分けます。
- 分からない項目をその場の記憶で埋めて答えてしまう
- 媒介契約の種類の違いを聞かないまま署名してしまう
- 査定額の根拠を確認せず、金額の高さだけで会社を選んでしまう
- 相談内容を家族に共有せず、一人の記憶だけで話を進めてしまう
- 今日中にと急かされて、持ち帰って検討する時間を取らずに決めてしまう
手元で探すもの
見つけた資料には名称、発行年、原本の保管者を記します。古い資料も経緯を知る手掛かりになるため、最新版と違うだけで捨てないでください。見つからない場合は空欄にせず、再取得できるか、誰に所在を尋ねるか、いつ再確認するかを決めると次の相談準備になります。
- 相談の目的と、名義人本人か相続人代表かの立場
- 登記事項証明書または権利証(なければ住所のみでも可)
- 納税通知書または名寄帳
- 建物の図面、増改築の履歴の有無
- 住宅ローンの残高が分かる書類、完済時期
- 相続人の人数と遺産分割協議の状況(未確定でも可)
- 媒介契約の種類・期間・途中解約の扱いへの質問リスト
- 査定書の根拠(類似事例・価格帯の幅)
- インスペクションのあっせんについての説明
- 次回の相談日、または次に確認する担当の割り振り
よくある質問
相談は無料ですか。何か費用がかかることはありますか
初回の相談自体に費用が発生しないのが一般的ですが、会社によって扱いが異なる場合があるため、申し込みの際に確認してください。仲介手数料が発生するのは、媒介契約を結び、実際に売買が成立した場合が基本です。詳しい金額の計算は物件によって変わるため、この記事では断定を避け、相談時に書面で確認することをおすすめします。
家族の代表として一人だけで相談に行ってもいいですか
一人で相談に行くこと自体は問題ありません。ただし、その場で契約や重要な判断をする場合は、名義人本人か、他の相続人の同意が必要になる範囲があります。相談段階では情報を持ち帰り、家族と共有してから次の判断に進む形で構いません。
複数の不動産会社に同時に相談してもいいですか
問題ありません。複数の会社に同じ質問をして、査定の根拠や担当者の説明の丁寧さを比較することは、会社を選ぶ材料になります。ただし、媒介契約を結ぶ段階になったら、契約の種類によって他社への重複依頼ができるかどうかが変わるため、契約前に確認してください。
建物の状態を専門家に調べてもらうインスペクションは、必ず受けなければいけませんか
必須ではありません。媒介契約を結ぶ際に、調査を行う業者をあっせんできるかどうかの説明を受ける仕組みがあり、実施するかどうかは売主が選べます。制度の詳しい内容は国土交通省の案内で確認できます。
相談の内容を、その場にいない家族にどう伝えればいいですか
受け取った査定書や資料を写真に撮って共有する、コピーを渡す、次に集まる機会に持参するといった方法があります。口頭の記憶だけに頼ると内容が正確に伝わらないため、実物の資料を見てもらう方法をおすすめします。
相談前に読んでおくとよい資料はありますか
全日本不動産協会が公開している売主向けの手引きなど、一般的な売却の流れを解説した資料に目を通しておくと、相談での会話がかみ合いやすくなります。地域や物件条件による違いは、実際の相談で確認してください。
公式出典・確認先
制度や受付条件は変わることがあります。最終判断の前に、リンク先の最新情報と担当窓口を確認してください。

