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遺言書がない実家を相続したら|遺産分割協議の前に不動産を調べる順番

遺言書が見つからない実家は、相続が始まった瞬間から相続人全員のものになります。共有という状態のまま、相続放棄も申告も登記の義務も期限を数えはじめる一方で、売る・貸す・壊すという判断だけは全員がそろわないと動きません。磐田市や袋井市では、母屋の敷地のほかに畑が二筆、私道の持分、父の名義のままの離れが後から出てくることが珍しくなく、人の気持ちがまとまったあとで物件が増え、協議をやり直す家族を毎年見ます。このページでは、遺言がない場合の原則を押さえたうえで、話し合いに入る前に不動産の何をどこまで調べるのか、現物・代償・換価という分け方がそれぞれどこで詰まるのか、そして協議書に土地建物をどう書けば相続登記まで通るのかを順番に並べます。決めるのは家族ですが、決めるための材料は事実の側にあります。

遺言書がない実家を相続したら|不動産情報を揃えてから話す順番について家族が資料を確認し、次の順番を話し合う写真風イメージ

まず結論

遺言がなければ実家は自動的に誰かのものにはならず、原則として相続人全員の共有から始まります。動かせるのは全員一致の協議だけなので、話し合いの前に「誰が相続人か」と「何を分けるのか」を事実で固めます。課税明細に載らない私道や未登記の離れ、他市町の土地を先に洗い出しておくと、協議のやり直しが起きません。分け方は現物・代償・換価・共有の四つですが、それぞれ資金、境界、売却期間という別の壁があります。最後に協議書へ書く不動産は、住居表示ではなく登記簿の表記をそのまま写します。

遺言書がない実家を相続したら|不動産情報を揃えてから話す順番で期限を示すピクトグラム
期限遺言書がない実家を相続したらで最初に見る「期限」
遺言書がない実家を相続したら|不動産情報を揃えてから話す順番で相続人を示すピクトグラム
相続人関係者を推測で確定しない
遺言書がない実家を相続したら|不動産情報を揃えてから話す順番で名義を示すピクトグラム
名義土地建物の登記名義を確認
遺言書がない実家を相続したら|不動産情報を揃えてから話す順番で資料一覧を示すピクトグラム
資料一覧通知書・遺言・請求書を分けて保管

遺言がない実家は、相続人全員の共有から始まる

遺言がなければ、実家が自動的に同居していた子のものになることはありません。原則として相続人全員が法定相続分の割合で共有する状態から始まり、そこを動かせるのは全員一致の遺産分割協議だけです。

共有の割合は、誰が親と住んでいたか、誰が固定資産税を立て替えてきたか、誰が介護をしたかでは変わりません。長年その家を守ってきた事実は寄与分や特別受益として協議の材料にはなりますが、何も決めていない段階の持分そのものを動かす力はありません。ここを取り違えたまま話し始めると、「自分の家なのになぜ兄弟の判子がいるのか」という感情の対立に入り込み、事実の確認が止まります。まず「今は全員の共有」という出発点を家族で言葉にしてから、分け方の議論へ進んでください。

遺産分割協議は多数決ではありません。相続人が四人いて三人が賛成していても、残る一人が署名押印しなければ成立せず、その状態で作った書面は登記にも金融機関の手続きにも使えません。だからこそ、話し合いを始める前に相続人の顔ぶれを確定させる必要があります。前妻との間の子、認知した子、亡くなった兄弟の子による代襲相続人は、家族の記憶からは抜け落ちやすい立場です。出生から死亡までの戸籍をつないで確かめ、推測で人数を数えないでください。

相続人の中に判断が難しい人や連絡が取れない人がいる場合、協議の前に別の手続きが必要になります。未成年の相続人と親権者がともに相続人であれば、原則として家庭裁判所へ特別代理人の選任を申し立てます。認知症などで判断能力が十分でない人には成年後見人等、長く行方が分からない人には不在者財産管理人という枠組みがあります。いずれも申立てから選任まで数か月かかることがあるため、気づいた時点で家庭裁判所の手続案内を見るか、弁護士・司法書士へ相談を回します。

協議がまとまらなくても、期限は待ってくれません。相続放棄や限定承認は自己のために相続の開始があったことを知った時から三か月以内、被相続人の所得の準確定申告は四か月以内、相続税の申告と納付は十か月以内が原則です。さらに二〇二四年四月から相続登記が義務化され、不動産を取得したことを知った日から三年以内という期限が加わりました。それぞれ起算点が違うので、死亡日から一律に数えないでください。適用や例外の最終確認は、法務省と国税庁の案内、または司法書士・税理士へ渡します。

話し合いが長引きそうなときの逃げ道が、相続人申告登記です。誰がどれだけ取得するかが決まっていなくても、自分が相続人であることを登記官へ申し出れば、その相続人については登記の申請義務を履行したものとして扱われる取扱いが設けられています。申し出た人の分だけが記録されるため、兄弟それぞれが行う必要があります。ただしこれは所有権の移転登記ではなく、この状態のまま売却や担保設定ができるわけではありません。協議を先送りするための制度ではなく、期限に追われて不本意な合意をしないための時間稼ぎだと考えてください。

もう一つ、長期化に効く区切りがあります。二〇二三年の民法改正で、相続開始から十年を過ぎると、原則として特別受益や寄与分を主張して法定相続分と異なる割合を求めることができなくなる取扱いになりました。生前に住宅資金を援助された兄弟がいる、あるいは十数年にわたって親の家を管理してきたという事情を分割へ反映させたいなら、十年という区切りを意識して動く必要があります。経過措置や例外があるため、自分の家族に当てはまるかは弁護士へ確認してください。

どうしても合意できない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停へ進みます。申立先は原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所か、相続人全員が合意して定めた家庭裁判所です。調停は月に一度程度の期日を重ねる進み方が一般的で、成立まで一年を超えることもあります。調停でも決まらなければ審判へ移り、裁判所が分け方を決めます。ここまで来ると建物の劣化と管理費用が積み上がるため、調停を最後の手段として置きつつ、その前に事実の整理で解ける対立がないかを先に潰しておく価値があります。

協議が終わるまでの間も、家は遠州の風と雨にさらされ続けます。共有物の保存にあたる行為、たとえば雨漏りの応急処置や草刈り、火災保険の継続は、原則として共有者の一人でも行えます。一方で、家財を売り払う、解体を発注するといった行為は財産の処分とみなされる余地があり、相続放棄を検討している人がいる局面では特に慎重さが要ります。動かした物、払った費用、その日付と支払者を台帳に残しておけば、後の精算の話し合いでも根拠になります。

  • 戸籍で相続人の人数を確定したか、それとも家族の記憶で数えているか
  • 三か月・四か月・十か月・三年の起算点を、それぞれ別に書き出したか
  • 特別代理人や後見人の選任が要る人が混じっていないか
  • 協議前に支出した管理費用を、日付と支払者付きで記録しているか

図1遺言がない場合に、協議が成立するまでの六つの関門

遺言がない場合に、協議が成立するまでの六つの関門この順番は入れ替えが利きません。相続人が確定しないうちに分け方を話しても、後から一人増えれば最初からやり直しになります。前の段が固まってから次へ進むと、同じ会話を二度しなくて済みます。捜索遺言が本当にないかを確かめる公証役場の遺言検索システムで公正証書遺言の有無を照会し、法務局の自筆証書遺言書保管制度についても遺言書保管事実証明書を請求する。仏壇や金庫から封のある書面が出たら開けずに家庭裁判所の検認へ回す。戸籍相続人を戸籍でつなぐ被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍を集め、相続人全員の現在戸籍をそろえる。法定相続情報一覧図にしておくと、以後の窓口で束を出し直さずに済む。範囲分ける対象の輪郭を出す課税明細と名寄帳、登記事項証明書、公図で土地の筆数と建物の棟数を確定する。預貯金・保険・借入も同じ一覧に並べ、不動産だけを切り離して考えない。評価いくらの家として話すかを決める固定資産税評価額、相続税路線価、実際に売れる価格は別物。どの数字を協議の土台にするかを先に全員で合意しておかないと、代償金の額で必ず揉める。選択現物・代償・換価・共有を選ぶ誰かが住み続けるのか、金銭で清算するのか、売って分けるのか。組み合わせても構わないが、実行に必要な資金と期間を各案に書き添えて比べる。書面協議書を作り、登記へ渡す登記簿の表記どおりに不動産を特定し、相続人全員が署名と実印で押印する。印鑑証明書を添えて司法書士へ渡し、相続登記と金融機関の手続きを進める。六段のうち、家族だけで完結するのは「選択」だけ。前後の四段は資料と専門家の領域として切り分けたほうが早い。
この順番は入れ替えが利きません。相続人が確定しないうちに分け方を話しても、後から一人増えれば最初からやり直しになります。前の段が固まってから次へ進むと、同じ会話を二度しなくて済みます。

協議の前に、分ける対象の輪郭を確定させる

何を分けるのかが決まっていない状態では、誰が何を取るかは決められません。実家は「一つの家」ではなく、複数の土地と建物の集合であることがほとんどです。

出発点は固定資産税の納税通知書に付いてくる課税明細書ですが、これだけでは所有不動産の全部は分かりません。公衆用道路として非課税になっている私道、課税標準額が免税点に満たない小さな土地、共有名義になっている山林や墓地周辺の土地は、載らないか、載っても目立たない形になります。納税通知書を見て「うちは宅地一筆と家一軒」と決め、その前提で協議書を作ったあとに畑が二筆出てきて、印鑑をもらい直すことになった家族が実際にあります。

確実な近道は、市町の資産税担当で名寄帳の写しを請求することです。名寄帳はその市町の中で同じ人に課税されている土地と家屋を一覧にしたもので、手数料は一通あたり数百円程度です。注意したいのは、名寄帳が市町ごとにしか出ないという点です。磐田市に住んでいた親が袋井市の農地や森町の山林を持っていれば、それぞれの市町で別に請求しなければ姿が見えません。転居の履歴をたどり、心当たりのある市町を先に書き出してから窓口へ行ってください。

課税の側から輪郭が見えたら、登記の側で裏を取ります。法務局で請求できるのは登記事項証明書、公図、地積測量図、建物図面です。請求には住居表示ではなく地番と家屋番号が必要で、郵便の宛先に使っている表記のままでは特定できないことがあります。地番は課税明細と名寄帳に載っているほか、法務局の窓口にあるブルーマップで住居表示から引ける場合があります。証明書は一通数百円で、オンライン請求の区分によって手数料が変わります。

登記事項証明書で必ず見るのは、所有者の欄と、権利の欄に残っている抵当権です。住宅ローンを完済していても抹消登記をしていなければ登記簿には残り続け、売却の場面で書類の再取得から始めることになります。金融機関の合併や統合で名称が変わっている場合、抹消に必要な書類の取り寄せに時間がかかることもあります。また、祖父の名義のまま二代分の相続が飛んでいる土地が見つかることもあり、その場合は相続人の数が一気に増えるため、協議の設計そのものが変わります。

登記に載らない建物もあります。増築した離れ、後から建てた車庫や物置、農作業用の小屋は未登記のまま課税だけされていることが多く、家屋補充課税台帳に記載されています。未登記だからといって価値がないわけではなく、解体費用も売買の対象範囲も変わります。逆に、すでに取り壊した建物の登記が残ったままで課税が続いていた例もあります。現地で建っている棟数と、課税の棟数、登記の棟数が三つとも一致するかを突き合わせてください。

土地の性質も、分け方を左右する事実です。登記地目が田や畑であれば、耕作をやめていても農地としての手続きが必要になり得ますし、匂坂のように農振農用地区域に入っていれば転用の道はさらに限られます。市街化調整区域の土地は建て替えの可否が別の判断になります。接道の状況も同じで、掛塚の細街路沿いでは間口が狭く、建築時に後退が求められる場合があります。これらは価格ではなく前提条件なので、査定より先に確かめるほうが順序として自然です。

境界が確定しているかどうかも早めに見ます。地積測量図が備え付けられているか、境界標が現地にあるか、隣地との立会いをした記録が残っているか。確定測量が必要になれば、隣地所有者や道路管理者との立会いを経るため、費用は一般に数十万円規模、期間は数か月に及ぶことがあります。売って分けると決めた場合、この期間が売却スケジュール全体を後ろへずらします。境界の状況は、分け方の選択そのものに効いてくる情報です。

最後に、価格の物差しを整理します。固定資産税評価額、相続税の路線価による評価、不動産会社の査定額は、それぞれ目的の違う数字で、同じ土地でも金額が揃いません。協議の場で兄が路線価、妹が査定額を口にしていれば、話が噛み合わないのは当然です。どの数字を土台にするか、代償金の計算にはどれを使うかを先に決め、その根拠となる資料を全員が同じ形で持ってから金額の議論に入ってください。

ここまでの調べものは、家族の誰かが一日で終えられる量ではありません。市町の窓口、法務局、金融機関へ分散するので、誰がどこを担当し、いつまでに何を持ち帰るかを割り振ります。取得した資料は物件ごとに番号を振り、確認した日付と入手先を添えて一つの場所に集めます。後から相続人が増えても、同じ資料へ戻れる状態にしておくことが、協議のやり直しを防ぐ一番の備えになります。

  • 現地に建っている棟数と、課税の棟数、登記の棟数が一致しているか
  • 親が住んだことのある市町すべてで名寄帳を請求したか
  • 抵当権の抹消漏れや、二代前の名義が残っていないか
  • 協議で使う価格の物差しを、全員で一つに決めたか
実家の輪郭を確かめるときの、窓口と取れるもの
窓口取れる資料分かることつまずきやすい点
市町の資産税担当名寄帳の写し・課税明細書その市町で課税されている土地と家屋の一覧他市町の物件は出ない。非課税の私道は表示が薄い
法務局登記事項証明書・公図・地積測量図・建物図面所有者と持分、抵当権や差押え、土地の形状請求には地番と家屋番号が必要。住居表示では引けない
市町の建築・都市計画担当都市計画図・道路の種別市街化調整区域か、接道はどの種類の道路か口頭の回答だけで判断せず、資料名と担当を控える
農業委員会農地台帳の記載登記地目が農地か、農用地区域に入っているか耕作をやめていても農地として扱われる場合がある
金融機関残高証明書・借入残高証明書預貯金と借入の額、抵当権の背景相続発生を伝えると口座が凍結される。事前に支払いを確認

法定相続分どおりに分ける難しさと、共有のまま残す危うさ

割合は数字で書けますが、家は数字どおりに割れません。土地は分筆できても建物は割れず、共有のまま登記すると次の相続で持ち主が増えます。

法定相続分は、原則として配偶者と子がいれば配偶者が二分の一、子が残りを頭数で分けます。子がなく直系尊属がいれば配偶者が三分の二、兄弟姉妹であれば配偶者が四分の三という組み合わせもあり、代襲相続が絡めば枝分かれします。この割合はあくまで協議がまとまらない場合の基準であって、全員が合意すれば違う分け方にできます。逆に言えば、「法律で決まっているから」という言い方は、合意を作るための説得材料としてはあまり強くありません。

そのまま物を分ける現物分割は、預貯金と不動産が両方あって金額の釣り合いが取れるときに最も素直です。長男が実家の土地建物、次男が預貯金と株式、というかたちです。ただし、実家の評価額が遺産全体の大半を占める家庭では釣り合いが取れず、この方法だけでは終わりません。地方の実家では、建物の評価がほとんど残っていないのに土地の評価が高い、という配分になりやすく、預貯金では埋まらない差が出ます。

土地そのものを分筆して分ける道もありますが、実務の負担は小さくありません。分筆には土地家屋調査士による測量と、隣地所有者および道路管理者との境界立会いが要ります。費用は一般に数十万円規模、官民の境界確定が入れば期間は数か月に伸びます。加えて、分筆の仕方によっては道路に接しない部分が生まれ、その土地では建て替えができなくなることがあります。面積で二等分しても、価値は二等分になりません。

建物は分筆できません。母屋を兄弟で物理的に割ることはできないので、建物については誰か一人が取得するか、共有にするか、取り壊すかのいずれかになります。二世帯住宅として使えるかたちであっても、登記上は一棟であれば一つの物件です。ここで「上の階は自分、下は弟」といった口約束を残すと、後の売却や賃貸の場面で、書面のない取り決めが対立の火種になります。使い方の取り決めは、持分の取り決めとは別に書面へ残してください。

共有のまま登記して先送りする選択は、一見すると公平で角が立ちません。しかし共有は時間とともに重くなります。共有者の一人が亡くなれば、その持分はさらにその子へ分かれ、十年後には従兄弟同士で連絡先も分からないまま七人の共有になっている、といった事態が起きます。売却も建て替えも共有者全員の同意が要るため、人数が増えるほど動かせなくなります。今の三人で決められることを、将来の七人に押し付けない判断が要ります。

共有物の扱いは、行為の性質で必要な同意の範囲が変わるのが原則です。雨漏りの補修や草刈りのような保存にあたる行為は共有者の一人でもでき、賃貸や短期の利用に関する管理の行為は持分の価格の過半数で決められる取扱いがあります。一方、売却や取り壊し、抵当権の設定といった処分にあたる行為は全員の同意が必要です。目の前の判断がどれに当たるかは事案により、微妙な線引きは弁護士・司法書士へ確認してください。

共有のまま置くなら、費用の負担を先に決めておく必要があります。固定資産税は共有者が連帯して納める扱いになり、市町からの納税通知書は代表者一人へ届きます。実際には代表者が全額を払い、他の共有者から回収できないまま年数が過ぎる例が非常に多いです。火災保険料、草刈り、浄化槽の保守、遠州の空っ風で飛んだ屋根の補修まで含めて、年間いくらかかるのかを共有者全員が同じ数字で見ていないと、払っている人だけが不満を溜めます。

配偶者が残っている場合には、選択肢がもう一つ増えます。配偶者居住権は、配偶者が建物に住み続ける権利だけを取得し、建物の所有権は子が取得するという分け方で、遺言がなくても遺産分割協議の中で設定できる取扱いがあります。住む権利と所有権を切り分けるぶん、配偶者が受け取る評価額が抑えられ、預貯金を多く残せる場合があります。ただし設定には登記が必要で、いったん設定すると建物の売却が難しくなる面もあります。母が住み続け、いずれ売るという想定があるなら、設定の前に司法書士と税理士の両方へ相談してください。

空き家のまま置くことには、税の面でも見落としがちな変化があります。管理が行き届かず特定空家等や管理不全空家等として市町から勧告を受けた場合、住宅用地の課税標準の特例の対象から外れる取扱いがあり、翌年度以降の固定資産税の負担が変わり得ます。該当するかどうかは市町の判断ですし、税額の計算は税理士や市町の資産税担当の領域です。ここでは「置いておけば費用が変わらない」という前提が成り立たない場合がある、という一点だけ押さえてください。

  • 実家の評価が遺産全体に占める割合を、金額で出したか
  • 分筆案について、分けたあとの各区画が道路に接するかを確認したか
  • 共有にする場合、十年後の共有者が何人になり得るかを数えたか
  • 年間の維持費用を、共有者全員が同じ数字で見ているか

図2共有になった実家は、誰の同意でどこまで動くか

共有になった実家は、誰の同意でどこまで動くか中心にあるのは、まだ誰のものとも決まっていない土地と建物です。同じ「実家のこと」でも、行為の重さによって必要な同意の範囲が変わります。今からしようとしていることがどの輪に属するかを見てから、誰に連絡するかを決めてください。遺産分割前の実家相続人全員が法定相続分で共有している状態保存にあたる行為雨漏りの応急処置、割れた窓の閉塞、草刈り、火災保険の継続。放置すれば価値が下がる状態を止める行為は、原則として共有者が単独でできる。かかった費用は日付と支払者を残す。管理にあたる行為短期の賃貸、駐車場としての一時利用、管理会社への委託。持分の価格の過半数で決められる取扱いがある。頭数の過半数ではない点に注意する。処分にあたる行為売却、取り壊し、抵当権の設定、長期の賃貸借。一人でも反対または連絡不能なら進まない。ここが遺産分割協議を急ぐ実質的な理由になる。弁護士・司法書士どの行為に当たるかの線引き、相続人に判断が難しい人がいる場合の手続き、調停への移行。事実の整理までが家族の仕事で、評価と手続きはここへ預ける。一人で可過半数全員一致判断を渡す共有者が亡くなるたびに輪の外側の人数が増える。動かせるうちに決めることが、次の世代への一番の引き継ぎになる。
中心にあるのは、まだ誰のものとも決まっていない土地と建物です。同じ「実家のこと」でも、行為の重さによって必要な同意の範囲が変わります。今からしようとしていることがどの輪に属するかを見てから、誰に連絡するかを決めてください。

代償分割と換価分割は、お金の出どころと売れなかった場合を先に決める

実家を一人が取って他へ金銭を渡すのが代償分割、売って現金を分けるのが換価分割です。どちらも合意より先に、資金と期間の見通しで詰まります。

代償分割は、実家に住み続けたい人や、農機具や仏壇を含めて家をまとめて引き継ぎたい人がいる場合に選ばれます。取得する一人が不動産を受け取り、他の相続人へ代償金を支払います。ここで最初に確かめるのは、その代償金を本当に用意できるのかという一点です。手元の預貯金で足りなければ、金融機関からの借入、被相続人の生命保険金、あるいは取得した土地の一部を後日売って充てるという段取りになりますが、いずれも実行の可否を先に確認しないと、合意だけが宙に浮きます。

代償金の額は、不動産の評価をいくらとみるかで決まります。前章で触れたとおり、固定資産税評価額、相続税評価額、市場での査定額は同じ土地でも数字が離れます。取得する側は低い数字を、受け取る側は高い数字を持ち出しがちなので、たとえば複数社の査定の中央値を使う、相続税評価額に一定の調整を加えるなど、算定の方法そのものを先に合意しておくと話が進みます。決めた方法と根拠資料は協議書に触れておくと、後の蒸し返しを防げます。

税の扱いにも注意が要ります。代償金は、遺産分割の一環として支払われる限り、原則として贈与ではなく相続の枠内で扱われます。ただし協議書の書きぶりによっては、単なる相続人間の贈与と見られる余地が出ます。相続税の申告が必要な家庭では、代償金を支払った人と受け取った人の課税価格の計算にも影響します。書き方と税額の判断は税理士の領域なので、協議書の案文を作った段階で一度見てもらうのが安全です。

支払いの条件も書面に落とします。金額だけでなく、支払期日、一括か分割か、振込先、遅れた場合の扱いまで決めておきます。実家を取得した人が住宅ローンを組んで代償金に充てる場合、融資の実行日が支払期日になるため、審査の結果が出るまで日付を確定できません。そのときは「融資実行日から何日以内」といった条件付きの書き方にするのか、それとも融資の内定を待って協議書を作るのかを、司法書士と相談して決めてください。

換価分割は、誰も住まない実家を売って現金を分ける方法です。現金は一円単位で割れるため公平にしやすく、共有の先送りも起きません。ただし売却には期間がかかります。境界の確定が必要であれば数か月、買主が住宅ローンを使えば契約から決済までさらに一、二か月です。掛塚のように道路が狭い区域や、池田の堤防近くのように立地の条件が価格に効く区域では、買主の層が限られて期間が読みにくくなります。売れるまで現金は生まれない、という当たり前の順序を全員で確認しておいてください。

換価分割で最も多い失敗は、下限価格を決めずに走り出すことです。売り出してみて反応が薄く、値下げを提案するたびに全員の同意を取り直すことになり、判断が一年止まる例があります。協議の段階で「いくらまでなら下げてよいか」「いつまでに売れなければ方針を見直すか」を決め、書面に残しておくと、価格の変更が交渉ではなく手続きになります。逆に、この二つが決まらないまま媒介契約を結ぶと、売り出しそのものが家族の対立の場になります。

換価分割では登記の順序も設計が要ります。相続人全員の共有名義に相続登記してから売る方法と、代表者一人の名義にして売り、代金を分ける方法があります。後者は手続きが軽くなる一方で、換価して分けることを目的として代表者名義にしたのだという趣旨を協議書に明記しておかないと、代表者への贈与と見られる余地が生まれます。どちらの方法を取るかは、相続人の人数、遠方在住者の有無、決済の場に全員が集まれるかで変わるので、司法書士と一緒に決めます。

売却が絡む場合、税の特例の期限が動きます。相続した居住用家屋等を売ったときの特例は、原則として相続の開始があった日から三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの譲渡が対象で、建築時期、区分所有建物でないこと、被相続人が一人で居住していたこと、耐震基準への適合または家屋の除却など、複数の要件が重なります。相続人が三人以上の場合は控除額の上限が下がる取扱いもあります。要件は細かく改正も入るため、国税庁の案内を確認したうえで、適用の可否は必ず税理士へ確かめてください。

四つ目の選択肢として、使用の実態に合わせて共有割合を調整する共有分割も残ります。母屋は同居していた子、農地は耕作を続ける子、というように物件ごとに取得者を変える組み合わせです。悪くない案ですが、それぞれの物件で境界や接道の条件が違うため、前章の調べものが終わっていないと机上の案で終わります。どの方法を選ぶにせよ、実行できるかどうかを決めるのは、資金と期間という二つの現実です。

  • 代償金の資金の出どころを、金額と時期まで確認したか
  • 評価の算定方法を、金額より先に合意したか
  • 換価する場合の下限価格と見直しの期限を決めたか
  • 税の特例について、要件と期限を税理士に確認する予定を入れたか
四つの分け方を、実行の条件で並べる
分け方向いている状況実行に必要なもの詰まりやすい点
現物分割預貯金など不動産以外の財産が十分にある遺産全体の評価と、釣り合いの取れた組み合わせ実家の評価が遺産の大半を占めると成立しない
代償分割住み続けたい人や引き継ぎたい人がいる代償金の資金と、評価方法についての合意融資の可否と支払期日が確定しないまま合意が先行する
換価分割誰も住まず、現金で公平に分けたい売却の期間と、下限価格や期限の取り決め値下げのたびに全員合意が要り、判断が止まる
共有分割物件ごとに使う人が分かれている各物件の境界・接道・地目の確定調べものが未了だと机上の案で終わる

協議書の不動産は、登記簿の表記そのままで特定する

話がまとまっても、書面の特定が甘ければ相続登記は通りません。協議書の不動産の表示は、住居表示ではなく登記事項証明書の記載を写します。

土地は、所在、地番、地目、地積を登記事項証明書のとおりに書きます。建物は、所在、家屋番号、種類、構造、床面積です。普段の郵便に使っている「〇〇町一丁目二番三号」という住居表示で書いた協議書は、どの土地を指すのかが登記の側から特定できず、法務局から補正を求められます。地番と住居表示は別の体系なので、似た数字が並んでいても写し間違えないでください。数字を一桁写し違えただけでも、印鑑をもらい直すことになります。

面積は、登記されている地積をそのまま書きます。実測した面積が登記と違っていても、協議書には登記の数字を使い、実測値を使う必要があるなら別途その旨を書き分けます。古い分筆を経た土地や、山林、農地では、登記地積と現況が大きく食い違うことが珍しくありません。この食い違い自体は協議書を無効にするものではありませんが、代償金の計算に面積を使っているなら、どちらの数字で計算したのかを明記しておく必要があります。

未登記建物は、登記事項証明書がないので別の書き方をします。固定資産課税台帳や家屋補充課税台帳の記載を使い、所在、種類、構造、床面積を写したうえで、未登記である旨を添えます。増築部分が登記に反映されていない場合も同じ考え方です。未登記建物をどう扱うかは、そのまま引き継ぐのか、表題登記をしてから移すのか、解体するのかで手順が変わるため、司法書士または土地家屋調査士へ現況を伝えて判断を仰いでください。

私道の持分は最も漏れやすい項目です。前面道路が私道で、その一部を複数の家で持ち合っている区域では、宅地とは別の地番の土地に持分が付いています。非課税で課税明細に目立たないため、宅地と建物だけを書いた協議書を作り、売却の直前に私道が誰のものでもない状態のまま残っていると分かる、という流れが典型的な失敗です。公図で前面道路の地番を確認し、その土地の登記事項証明書まで取ってください。

取りこぼしへの備えとして、後から判明した財産の帰属を定める条項を入れておきます。「本協議書に記載のない財産が判明したときは、〇〇が取得する」あるいは「別途協議する」といった書き方です。前者にしておくと、小さな土地が一筆出てきたときに全員を集め直さずに済みます。ただし後から高額な財産が出た場合の不公平を懸念する家族もいるので、金額の目安で書き分けるのか、一律に一人へ寄せるのかは、事前に話しておいたほうが穏当です。

署名と押印の実務も押さえておきます。相続人全員が署名し、実印で押印し、印鑑登録証明書を添付するのが通例です。全員が一堂に会せない場合、同じ内容の書面を一人ずつ回して署名押印していく持ち回りの方式や、相続人ごとに同一内容の証明書を作る方式が使われます。遠方の相続人がいるなら、送付の順番と返送の期限を決め、追跡できる方法で郵送してください。印鑑証明書の発行時期は提出先によって求められる条件が違うので、事前に確認してから取得します。

添付書類は早めに集め始めます。被相続人の出生から死亡までの戸籍一式、相続人全員の現在戸籍と住民票、被相続人の住民票の除票または戸籍の附票、不動産を取得する人の住民票、固定資産評価証明書が基本の組み合わせです。二〇二四年三月から戸籍の広域交付が始まり、本籍地以外の市区町村の窓口でもまとめて請求できるようになりましたが、請求できる人の範囲は本人と配偶者、直系の親族に限られ、兄弟姉妹の戸籍は対象外です。手数料は戸籍全部事項証明書が一通四百五十円、除籍と改製原戸籍の謄本が七百五十円が目安です。

戸籍の束が厚くなるなら、法務局で法定相続情報一覧図の保管と交付の申出をしておくと後が楽になります。交付された一覧図の写しは手数料がかからず、必要な枚数を受け取れます。登記のほか、金融機関の解約や証券の名義変更でも戸籍一式の代わりに使えることが多く、窓口ごとに束を出し直す手間が消えます。相続人が多い家庭、金融機関の口座が複数ある家庭ほど効果が大きいので、最初の段階で作っておくことをすすめます。

協議書が整ったら、相続登記の申請へ渡します。登録免許税は原則として不動産の価額の千分の四で、価額は固定資産税評価額をもとに計算します。司法書士へ依頼する場合の報酬は、物件数や相続人の人数、遺産分割協議書の作成を含むかで変わるため、見積もりの段階で作業範囲を明示してもらってください。登記が終わったら、権利の内容が協議書のとおりになっているかを登記事項証明書で確認し、協議書の原本と一緒に保管します。ここまで揃って、はじめて次の判断へ進める状態になります。

  • 協議書の不動産の表示を、登記事項証明書と一字ずつ突き合わせたか
  • 私道の持分と未登記建物を書き漏らしていないか
  • 後から判明した財産の扱いを定める条項を入れたか
  • 法定相続情報一覧図を作り、必要枚数を受け取ったか

図3協議書に不動産をどう書くかは、二つの条件で決まる

協議書に不動産をどう書くかは、二つの条件で決まる書き方は一通りではありません。登記されているかどうかと、その物件を誰かが取得するのか売って分けるのかで、必要な記載が変わります。自分たちの実家のどの物件がどのマスに入るかを、物件ごとに仕分けてから案文へ進んでください。横軸=登記の有無 / 縦軸=その物件を取得するのか、売って分けるのか登記されている土地・建物未登記の建物・登記に載らない扱い特定の相続人が取得する登記事項証明書の表記を写す所在、地番、地目、地積、家屋番号、種類、構造、床面積をそのまま記載する。代償金があれば額と支払期日、支払方法を同じ条項に添える。課税台帳の記載+未登記の明示所在、種類、構造、床面積を課税台帳から写し、未登記である旨を書く。表題登記をしてから移すのか現状のまま引き継ぐのかを、司法書士へ確認してから案文を固める。売って代金を分ける換価が目的である旨を明記する誰の名義で登記して売るのか、代金から何を差し引くのか、分配の割合を書く。代表者名義にする場合は換価目的であることを条項に残す。解体か引き継ぎかを先に決める未登記のまま売買の対象にできるか、解体して土地として売るかで手順が変わる。解体費用を誰が負担し、代金から差し引くのかまで書いておく。私道の持分は左上のマスに入るのに最も忘れられやすい。公図で前面道路の地番を確認してから仕分けを始める。
書き方は一通りではありません。登記されているかどうかと、その物件を誰かが取得するのか売って分けるのかで、必要な記載が変わります。自分たちの実家のどの物件がどのマスに入るかを、物件ごとに仕分けてから案文へ進んでください。

このページ固有の確認メモ

ここからは「遺言書がない実家を相続したら|遺産分割協議の前に不動産を調べる順番」で特に確認したい内容を、事実、避けたい判断、手元資料に分けて示します。すべてを一度に終える必要はありません。確認できた項目には日付と根拠を添え、分からない項目には担当者と再確認日を付けてください。家族が別々の時間に作業しても、同じ一覧へ戻れる状態を目指します。

確認しておく事実

この欄は、方針を決める前に共有したい事実です。家族の記憶だけで確定せず、通知書、契約書、公式ページ、撮影日が分かる写真など、確認に使った根拠を隣へ書きます。該当しない項目も削除せず「該当なし」とした理由を残すと、後から同じ調査を繰り返さずに済みます。

  • 遺言がなければ実家は原則として相続人全員の共有から始まり、同居や介護の事実だけでは持分は動かない
  • 協議は多数決ではなく全員一致。相続人の顔ぶれは戸籍でつないで確定させる
  • 課税明細だけでは所有不動産の全部は分からない。名寄帳は市町ごとに請求する
  • 現物・代償・換価・共有のどれを選ぶかは、資金と期間という実行条件で絞られる
  • 換価分割は下限価格と見直し期限を先に決めておかないと、値下げのたびに判断が止まる
  • 協議書の不動産は住居表示ではなく登記事項証明書の表記を写す
  • 私道の持分と未登記建物は書き漏らしが最も多い項目

避けたい判断

この欄に当てはまる可能性があるときは、契約や処分をいったん止めます。一般例を対象の家へ当てはめたのか、資料で確かめたのかを区別し、不足情報を質問へ直してください。法務、税務、測量、建物、行政など別分野の判断が必要なら、回答できる相談先へ切り分けます。

  • 納税通知書に載る宅地だけを前提に協議書を作り、後から農地や私道が出て印鑑を取り直す
  • 評価の物差しを揃えないまま金額の話に入り、路線価と査定額で議論が噛み合わなくなる
  • 代償金の資金の裏付けを確認しないまま合意し、支払期日を決められない
  • 角が立たないという理由で共有のまま登記し、次の相続で共有者が増えて動かせなくなる
  • 相続放棄を検討している人がいる段階で、家財の処分や解体の発注を進めてしまう

手元で探すもの

見つけた資料には名称、発行年、原本の保管者を記します。古い資料も経緯を知る手掛かりになるため、最新版と違うだけで捨てないでください。見つからない場合は空欄にせず、再取得できるか、誰に所在を尋ねるか、いつ再確認するかを決めると次の相談準備になります。

  • 遺言の有無を公証役場と法務局で照会したか
  • 出生から死亡までの戸籍で相続人を確定したか
  • 親が住んだ市町すべてで名寄帳を請求したか
  • 登記事項証明書で抵当権と過去の名義を確認したか
  • 現地の棟数・課税の棟数・登記の棟数が一致するか
  • 私道の持分と未登記建物を洗い出したか
  • 境界標と地積測量図の有無を確認したか
  • 協議で使う評価の物差しを一つに決めたか
  • 四つの分け方を資金と期間で比べたか
  • 特別代理人や後見人が必要な相続人がいないか
  • 協議前の管理費用を日付と支払者付きで記録したか
  • 法定相続情報一覧図を作ったか

よくある質問

遺言が見つからないのですが、本当にないと言い切ってよいですか

自宅を探しただけでは確認になりません。公正証書遺言は公証役場の遺言検索システムで全国の作成の有無を照会でき、法務局で保管されている自筆証書遺言は遺言書保管事実証明書で確認できます。封のある書面が出てきた場合は開けずに家庭裁判所の検認手続へ回してください。手順の詳細は公証役場と法務局の案内で確認します。

同居していた自分が実家をもらうのが当然だと思っていますが、違いますか

同居や介護の事実は、寄与分として協議の中で考慮を求める材料にはなりますが、遺言がない以上、それだけで所有権が移ることはありません。原則として相続人全員の共有から始まり、全員一致の協議で初めて取得者が決まります。寄与分の評価は争いになりやすいため、主張したい事情がある場合は弁護士へ相談してください。

協議がまとまらないまま三年が過ぎると、どうなりますか

相続登記の申請義務との関係が問題になります。協議が成立していなくても、相続人申告登記の申出をすれば、その相続人については義務を履行したものとして扱われる取扱いがあります。ただし所有権の移転登記ではないため、その状態で売却や担保設定はできません。義務の内容と経過措置は法務省の案内で確認し、手続きは司法書士へ相談してください。

実家を売って分けたいのですが、査定は協議の前と後のどちらで取りますか

境界、接道、地目、私道の持分を確認したあとに取ると、条件付きでない数字が出ます。前提が抜けたまま取った査定額は、後で条件が判明するたびに動くため、協議の土台には向きません。ただし大まかな水準を早く知りたい場合もあるので、その場合は「前提を確認する前の概算」だと全員に伝えたうえで扱ってください。

遠方に住む相続人がいて、全員が集まれません

同じ内容の協議書を一人ずつ回して署名押印していく持ち回りの方式や、相続人ごとに同一内容の書面を作る方式が使えます。送付の順番と返送の期限を決め、追跡できる郵送方法を使ってください。印鑑登録証明書は各自の市区町村で取得してもらう必要があるため、依頼のタイミングも合わせて伝えておくと止まりません。

ふじがおか実家カルテでは、どこまで見てもらえますか

カルテが担うのは、住所から分かる公開情報と手元資料を突き合わせ、確認済みの事実と未確認の項目を一枚に並べるところまでです。相続人の確定、分割方法の法的な判断、税額の計算は行いません。協議の前に家族が同じ資料を見られる状態を作り、司法書士や税理士へ渡す質問を切り出すための道具として使ってください。

公式出典・確認先

制度や受付条件は変わることがあります。最終判断の前に、リンク先の最新情報と担当窓口を確認してください。

  1. ふじがおか実家カルテ|住所で分かること(fudosan.atawi.link)カルテで整理する範囲と、現地・専門家確認が必要な範囲を確認確認日:2026-08-27
  2. 法務省|相続登記の申請義務化について(www.moj.go.jp)相続登記の基本的義務、遺産分割成立後の追加的義務、経過措置を確認確認日:2026-08-27
  3. 法務省|相続人申告登記について(www.moj.go.jp)遺産分割がまとまらない場合の申告登記と必要書類を確認確認日:2026-08-27
  4. 国税庁|被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(www.nta.go.jp)適用期間、対象家屋、相続人数による控除限度額等を確認確認日:2026-08-27
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大石 浩之

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士(静岡県知事 第027186号)。静岡県磐田市見付を拠点に、磐田市・袋井市・森町・掛川市・菊川市・御前崎市・湖西市・浜松市で、相続不動産・空き家・実家じまいの相談に対応。家族が次に確認する事項を、判断を急がず、地域の実務と公的情報を分けながら整理しています。