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入院から施設入居へ。突然空いた実家で今日確認したい10項目

急な入院で実家が無人になったとき、まず必要なのは家の将来を決めることではありません。人のいない建物は、退院の見通しが立つかどうかとは関係なく、誰もいなくなった日から日数の分だけ状態が落ちていきます。磐田市・袋井市・森町の相談でも、二週間の予定だった入院が三か月に延びるあいだに、冷蔵庫の中身、封水の切れた排水口、あふれた郵便受け、膝丈を超えた庭がまとめて問題になる例が続いています。このページは、実家へ一度行ける日にどこまで終えるか、近隣と自治会へ何をどこまで伝えるか、通帳や証券をどう扱うか、そして一か月後に見直すためのメモをどう残すかを順に並べます。売るか残すかを考えるのは、この先の話です。

入院から施設入居へ。突然空いた実家で今日確認したい10項目について家族が資料を確認し、次の順番を話し合う写真風イメージ

まず結論

入院で家が無人になった日を一日だけ決め、そこから日数を数えます。最初の一往復では火とガス、水、電気、冷蔵庫、戸締まり、郵便、撮影の10項目だけを終わらせ、片付けと処分には手を付けません。近隣と自治会には相手を絞って必要な範囲だけを伝え、鍵は渡しません。通帳や証券は、同意と記録をそろえてから動かします。最後に、一か月後に状況が変わったときへ引き継げるメモを残します。この順番なら、退院しても施設へ移っても、作業のやり直しがほとんど出ません。

入院から施設入居へ。突然空いた実家で今日確認したい10項目で本人の意思を示すピクトグラム
本人の意思入院から施設入居へ。突然空いた実家で今日確認したい10項目で最初に見る「本人の意思」
入院から施設入居へ。突然空いた実家で今日確認したい10項目で鍵と管理を示すピクトグラム
鍵と管理無人になる家の担当と頻度を決める
入院から施設入居へ。突然空いた実家で今日確認したい10項目で名義と書類を示すピクトグラム
名義と書類住所・通知書・登記情報を照合
入院から施設入居へ。突然空いた実家で今日確認したい10項目で次の順番を示すピクトグラム
次の順番売却を決めず確認事項を並べる

入院が二週間を超えたあたりから、実家は日数の分だけ傷んでいく

この章では、人がいなくなった家で何が、どれくらいの日数で起きるのかを並べます。目的は、退院の見通しが立たない時期でも、家の側の時計だけは止まらずに進んでいることを家族全員で共有することです。

救急搬送や急な入院のとき、家族の頭の中は病院の予定で埋まります。検査の説明、付き添いの当番、着替えと洗面用具の差し入れ、職場への連絡。そのあいだ実家の玄関は閉じたままです。困るのは、入院の日数がしばしば予定より延びることです。急性期の病棟から回復期のリハビリ病棟へ移り、そこからまた転院や施設の申し込みが続くと、当初の「二週間ほど」が三か月になることは珍しくありません。しかも延びるときは一気にではなく、二週間ずつ後ろへずれていきます。誰も家の日数を数えていない状態が、その分だけ長くなります。

そこで最初にやることは、たった一行の記録です。最後に人が寝泊まりした日を紙に書き、そこから何日経ったかを数えられるようにしておく。入院日と一致することもあれば、直前に子の家へ泊まっていて数日ずれていることもあります。この一行があるだけで、後から保険会社に状況を説明するときも、庭の伸び方を業者へ伝えるときも、「たしか春頃から」ではなく日数で話せます。曖昧な記憶で押し通そうとして、後から食い違うほうが手間になります。

最初の数日で現れるのは、においです。冷蔵庫の生鮮品、三角コーナーの生ゴミ、炊飯器に残った米、開封済みの調味料、仏壇に供えたままの果物。夏場であれば三日で異臭になり、そこにコバエやゴキブリが寄ります。屋内に発生源があると、後で片付けに入る人の負担が跳ね上がり、畳や床材まで交換することになりかねません。逆に言えば、この段階で持ち出して処分するだけで防げる被害でもあります。

二週間から一か月あたりで出てくるのが、排水口の封水切れです。洗面台、浴室、洗濯機の排水口、二階のトイレ、あまり使っていない勝手口の流し。トラップに溜まった水が蒸発すると下水管とつながった状態になり、においと小さな虫が室内へ上がってきます。遠州の冬は乾いた風が続くため、蒸発は思ったより早く進みます。次に来られるのが一か月以上先になりそうなら、各所の排水口へコップ一杯の水を足し、市販の封水蒸発防止剤を入れておくと持ちがよくなります。

同じ時期に進むのが湿気とカビです。閉め切った家は空気が動かないので、押入れ、畳の下、北側の部屋、革のかばんや靴、布団に一斉にカビが出ます。梅雨から夏はとくに早い。全部の窓を開けたまま帰るわけにはいきませんから、雨戸を閉めた状態で窓を細く開けられる部屋を一つだけ作る、浴室と洗面の換気扇を回したままにする、除湿剤を数か所置く、といった手が現実的です。換気扇を回すなら電気の契約は残す判断になります。

外から見た印象も、同じ速度で変わります。郵便受けからはみ出したチラシ、玄関先に積まれた新聞、夜になってもまったく点かない照明、閉じたままの雨戸。この四つがそろうと、通りがかりの人にも空き家だと分かります。空き巣は在宅の有無を何日か見てから入るといわれます。加えて、庭は夏なら一か月で膝丈を超え、道路や隣地へ枝がはみ出せば苦情の対象になります。秋は落ち葉が雨樋を詰まらせ、詰まった樋から流れた水が外壁を伝って、翌年の雨漏りの入口になります。

季節の要因も無視できません。遠州は秋に台風の進路に入りやすく、物干し竿、植木鉢、トタン板、自転車、ごみバケツが飛散物になります。冬は空っ風で落ち葉と砂が一か所に吹き寄せられ、屋外の給湯器や水道管は凍結の心配が出ます。追い焚き配管に水が残ったまま氷点下になると、割れて水が噴き出したことに誰も気づかないという事態になり得ます。入院した季節によって、先に手を打つべき対象が変わるということです。

つまり、家の状態は退院の可否ではなく経過日数で決まります。「もうすぐ戻るかもしれないから」という理由で何もしないと、戻れたときに帰れない家ができあがります。逆に、戻る可能性を残したまま持ちこたえさせる手当ては、この章に出てきた範囲でほぼ足ります。次の章では、それを一日の訪問で終わる形に組み直します。

  • 最後に人が寝泊まりした日を書き出し、そこからの経過日数を数えられるようにする
  • 冷蔵庫の中身と生ゴミは、初回の訪問で必ず持ち出して処分する
  • 各所の排水口へ水を足し、封水蒸発防止剤を入れておく
  • 浴室と洗面の換気を回せるよう、電気の契約を残すかどうかを先に決める
  • 台風期は屋外の飛散物を片づけ、冬季は屋外配管の凍結対策を確認する
入院した季節によって、先に打つ手が変わる
時期遠州の実家で起きやすいこと初回の訪問で打っておく手
梅雨から夏生ゴミの腐敗と害虫、押入れと畳のカビ、庭草がひと月で膝丈を超える冷蔵庫を空にし、除湿剤を置き、草刈りの外注先を先に押さえる
夏から秋の台風期植木鉢、物干し竿、トタン、自転車が飛散物になる。雨戸の破損屋外の物を屋内か物置へ入れ、雨戸と網戸の建て付けを見ておく
落ち葉が雨樋に詰まり、あふれた水が外壁を伝う手の届く範囲の樋を掃除し、届かない箇所は業者へ依頼を検討する
空っ風による乾燥で封水の蒸発が早い。屋外配管と給湯器の凍結排水口に水を足し、給湯器の水抜きの方法を取扱説明書で確認する
通年郵便受けの滞留と夜間の無灯で、外から無人と分かる状態になる新聞と宅配を止め、郵便の回収担当を決め、玄関灯をタイマーにする

図1無人になった日から、何日目に何が起きるか

無人になった日から、何日目に何が起きるか退院の見通しではなく、経過日数で家の状態を見るための目安です。次にいつ来られるかが決まらないときは、右側の段階まで起きる前提で手を打っておくと、一か月空いても持ちこたえます。当日火の元とガスを止めるガスの元栓、給湯器、ストーブ、こたつ、電気ポット、仏壇のろうそくと線香。ここだけは同行者がいる日に一度で終わらせる。3日においの発生源が出る冷蔵庫の生鮮品、生ゴミ、炊飯器の残り、供物の果物。夏なら三日で異臭になり、虫が寄る。持ち出して処分すれば防げる。2週排水口の封水が切れはじめる洗面、浴室、洗濯機、二階のトイレ。下水のにおいと小さな虫が上がる。水を足し、封水蒸発防止剤を入れておく。1か月湿気と庭と郵便受けが目に見える押入れと畳にカビ、夏の草は膝丈、郵便受けはあふれる。外から空き家と分かる状態になり、防犯上の弱点になる。3か月近隣と行政の話になる越境した枝、飛散物、樋のあふれ。近隣からの相談や市への情報提供のきっかけになる。ここまで来ると費用が跳ね上がる。この時計は、退院できるかどうかとは無関係に進む。日付を一行決めるところから始める。
退院の見通しではなく、経過日数で家の状態を見るための目安です。次にいつ来られるかが決まらないときは、右側の段階まで起きる前提で手を打っておくと、一か月空いても持ちこたえます。

実家へ行ける一往復で終える10項目 — 火、水、電気、冷蔵庫、戸締まり、郵便

この章は、実家へ一度だけ行ける日にどこまでやるかの手順です。片付けと処分はここに入れません。目的は、次に来られるのが一か月後でも家が持ちこたえる状態にして帰ることです。

作業の順番は決まっています。火とガス、水、電気、冷蔵庫、戸締まり、郵便と宅配、撮影。この順で進めると、後の工程が前の工程をやり直させません。所要は二時間から三時間で、荷物を持ち帰る分の車の空きも要ります。できれば二人で行ってください。一人だと脚立や重い物のところで無理をしがちですし、後から「勝手に持ち出した」と言われる余地も残ります。懐中電灯、軍手、ゴミ袋、養生テープを持って行くと現地で往生しません。

最初は火とガスです。台所のガス栓を閉め、給湯器のリモコンの電源を切り、追い焚き機能を止めます。石油ストーブは灯油を抜くか、抜けないなら燃料タンクを外して屋外の物置へ。こたつと電気カーペットはコンセントごと抜きます。仏壇のろうそく、線香、電池式の灯明も見てください。プロパンの家では、ボンベを引き上げてもらうと基本料金は止まりますが、再開のときに設置と点検の費用がかかるため、退院の見通しがはっきりしないうちは残す判断も現実的です。

次が水です。次に来る日が決まっているなら、蛇口を閉めておく程度で足ります。決まっていないなら、屋内の元栓(止水栓)を閉めるほうが安全です。洗濯機の給水栓、屋外の散水栓、トイレのタンクへ行く止水栓も閉めます。冬季は給湯器と屋外配管の水抜きが要ることがあるので、機種名と取扱説明書を写真に撮り、分からなければメーカーの窓口で手順を確認してください。なお、元栓を閉めると排水口へ水を足せなくなるため、閉める前に封水の手当てを済ませる順番になります。

電気は、主幹のブレーカーは残し、要らない回路だけを落とす形が扱いやすくなります。照明を点けられること、換気扇や除湿機を回せること、後日業者が調査に入れること。この三つのために基本料金を払っておく、という考え方です。ウォシュレット、電気ポット、テレビなど待機電力の大きい機器はコンセントを抜きます。分電盤の中の配線に触れる作業は無理をせず、判断がつかない箇所は写真だけ撮って電気工事店に見てもらってください。

冷蔵庫は、中身を全部出すのが原則です。冷蔵室、野菜室、冷凍室、調味料まで。分別と収集日は地区ごとに決まっているので、行く日が収集日と合わないなら持ち帰る前提で車に空きを作ってください。中身を出したあと、電源を切るなら扉を数センチ開けて固定し、通電を続けるなら温度設定を弱にします。切ったのに扉を閉めると、内部でカビが繁殖して庫内が使い物にならなくなります。

戸締まりでは、玄関だけでなく勝手口、掃き出し窓、二階の窓、浴室の小窓、物置、門扉、シャッターまで一周します。同時に鍵の本数を数えてください。近所の方、親戚、以前の借家人、工事に入った業者に預けたままの合鍵がないかも、本人が話せるうちに聞いておきます。この段階で防犯カメラや補助錠を慌てて付ける必要はありません。まずは施錠の抜けをなくし、鍵の管理者を一人決めるところまでで十分です。

郵便と宅配は、契約先へ電話をかける仕事です。新聞、牛乳、生協の宅配、定期購入のサプリメントや水。止める先は思ったより多く、玄関前に置き配が積まれると無人であることの合図になります。郵便は、転送の届出を出すか、家族が定期的に回収するかを選びます。転送には期間の定めがあるため、開始日と満了日を記録に残してください。転送先を病院にすると本人が開封できないまま滞留するので、実務では管理を担う家族の住所を選ぶ例が多くなります。

最後に撮影です。建物を四方から一枚ずつ、屋根の見える位置、玄関、部屋ごとの全景、天井のしみ、台所と浴室、分電盤、給湯器、メーター類。撮影日がデータに残るので、後で保険の相談や見積もりを取るときに、現地へ行かずに一次的な話ができます。そして、この日は触らないものを決めておきます。仏壇と神棚、家具、衣類、写真、金庫。急いで動かすと、後で家族の間に説明のいる状況を作ってしまいます。

  • 作業は火とガス、水、電気、冷蔵庫、戸締まり、郵便、撮影の順で進める
  • できるだけ二人で行き、脚立と分電盤の作業では無理をしない
  • 冷蔵庫の中身を持ち帰る前提で、車の荷室に空きを作っておく
  • 鍵の本数と保管者を数え、預けたままの合鍵を洗い出す
  • 撮影日が残る形で、外観と各部屋と設備の写真を保存する
一往復で終える10項目と、放置したときに起きること
項目今日やること放置すると起きること
1 ガスと火の元元栓を閉め、給湯器と暖房器具の電源を切る長期不在中の漏れや、冬の凍結による設備の破損
2 水の止め方次の訪問日が未定なら屋内の元栓を閉める配管や給湯器の破損に気づかず、床下まで濡らす
3 排水口の封水水を足し、封水蒸発防止剤を入れる下水のにおいと小さな虫が室内へ上がってくる
4 電気主幹は残し、不要な回路と待機電力を落とす換気も照明も止まり、調査や工事のたびに手間が要る
5 冷蔵庫中身を全部出し、切るなら扉を開けて固定する腐敗による異臭と害虫、庫内のカビ
6 ゴミ生ゴミは持ち帰るか収集日に合わせて出す屋内に発生源が残り、後の片付け費用が跳ね上がる
7 戸締まりと鍵全開口部を一周し、鍵の本数と保管者を数える施錠漏れに気づかず、合鍵の所在も分からない
8 新聞と宅配新聞、牛乳、生協、定期購入を止める玄関前に置き配が積まれ、無人であることが外に伝わる
9 郵便転送の届出か、家族による回収の担当を決める納税通知や保険の案内が滞り、期限に気づけない
10 撮影と記録外観、各部屋、設備、メーターを撮る現地へ行き直すことになり、判断が遅れる

近隣と自治会へは、誰に何をどこまで伝えるか

この章では、無人になったことを外へ伝える範囲を決めます。伝えなさすぎても、伝えすぎても不都合が起きます。相手を絞り、内容を型にして、頼まないことも先に決めておくのが実務です。

何も言わずに家を閉めると、近所は状況を推測するしかなくなります。灯りが点かない、車が動かない、庭が伸びる。心配して市役所や駐在所へ相談が入ることもあれば、回覧板がその家で止まり、班全体の連絡が滞ることもあります。一方で、無人であることを広く伝えるのは防犯の面で得策ではありません。この二つの間を取るには、伝える相手を三か四に絞り、伝える内容を短い型にしておくのが現実的です。

伝える相手は、まず両隣と向かいです。次に自治会の組長または班長。地域によっては民生委員が高齢者の見守りを担っているので、本人がその対象になっていたなら合わせて連絡します。空き巣が心配な立地であれば、駐在所へ一言入れておく選択もあります。この範囲を超えて、集落全体へ回覧で知らせる必要はありません。

伝える内容は三つで足ります。入院のため当面留守にすること。連絡はこの番号にしてほしいこと。月に何回くらい家族が様子を見に来ること。病名、入院先の病院名、退院の見込み、資産の話は言う必要がありません。聞かれたら「まだ分かりません」で構いません。そして、鍵は渡さないでください。善意で預かってくれる方でも、何かあったときにその人が疑われる立場に置かれます。頼むなら郵便受けを見てもらう程度までで、家に入る役目を近隣に持たせない。これが後々のためになります。

自治会の実務は、地域ごとに扱いが違います。会費、回覧板の順路、ごみ集積所の当番、清掃や草刈りの出役、祭りの負担金。磐田市や袋井市の集落では、これらが組や班の単位で回っており、口頭の申し合わせで決まっていることも多くあります。留守にするあいだの休会や免除があるかどうかは、規約ではなく組長の判断で運用されている地域もあります。だからこそ、早い段階で一度相談しておくと、後から「聞いていない」という話にならずに済みます。

出役の扱いは、とくに丁寧に決めておきたい部分です。年に数回の清掃や草刈りに出られないと、地域によっては不参加分の負担金という形になります。金額の有無や仕組みは自治会ごとに違うため、一般化はできません。確かめるべきは、休会できるのか、代理を立てられるのか、負担金の扱いはどうなるのか、支払いはいつどこへ持っていくのか、という四点です。答えを聞いたら、日付と相手の名前とともにメモに残してください。

細い道が続く地区では、車の置き場が問題になります。掛塚のように古くからの街路が細い区域では、荷物の積み下ろしで数十分停めるだけでも通行の妨げになります。片付けや工事で業者を入れる日は、駐車の場所を事前に相談しておくと角が立ちません。冬の空っ風で落ち葉が隣家側へ吹き寄せられる立地や、水路や堤防に近い場所では、季節ごとに気にかけてもらう内容も変わります。地域の事情は現地の人がいちばん詳しいので、教えてもらう姿勢で聞くほうが早く済みます。

近隣とのやり取りで大事なのは、電話に出られる人を一人決めておくことです。三人の子がそれぞれ違う連絡先を伝えると、何かあったときに誰にも届きません。窓口を一人にし、その人が家族へ共有する形にします。表札は外さないでください。外すと無人の合図になり、郵便の配達にも支障が出ます。

そして、頼まないことを先に決めておきます。越境した枝の剪定、庭の草刈り、屋根に上がる作業、雨樋の掃除。これらを近隣へ頼むと、無償の負担が続き、断りにくい関係ができます。草刈りはシルバー人材センターや地域の造園業者へ有償で頼めますし、袋井市のように空家等対策の業務として見守りや管理の相談を案内している市もあります。近隣に持ってもらうのは「気づいたら教えてほしい」までで十分です。

  • 伝える相手を両隣、向かい、自治会の組長、必要なら民生委員に絞る
  • 入院で当面留守にすること、連絡先、来訪の頻度の三つだけを伝える
  • 近隣に鍵を預けず、家に入る役目を持たせない
  • 自治会費、回覧板、当番、出役の扱いを組長へ確認して日付とともに記録する
  • 草刈りや樋の掃除は近隣に頼まず、有償の外注先を確保する
相手ごとに、伝えることと頼まないこと
相手伝えること頼まないこと
両隣・向かいの家入院で当面留守にすること、家族の連絡先、来訪の目安鍵の保管、庭の手入れ、屋根や樋に関わる作業
自治会の組長・班長留守にする期間の見込みと、連絡を受ける家族の名前会費や当番の判断を口頭のまま曖昧に残すこと
民生委員(対象だった場合)本人が入院したこと、見守りが不要になる期間本人の病状や資産に関わる詳細まで共有すること
駐在所・警察無人になる期間の見込みと連絡先(心配な立地の場合)巡回の頻度や防犯の結果を約束として期待すること
新聞販売店・宅配業者配達の停止と、再開するときの連絡方法玄関前への置き配を続けてもらうこと
郵便局転送の届出、または家族が回収する方針空き家の管理そのものを担ってもらうこと

図2無人になった実家と、外の関係者

無人になった実家と、外の関係者伝える相手を絞り、それぞれに渡す情報と頼まない役目を決めておくための図です。中心の家に対して、誰が何を担うのかがずれると、後から負担や誤解が残ります。入院で無人になった実家外から見て「管理されている家」に保つ両隣と向かいの家留守の見込みと連絡先を短く伝える。気づいたら教えてほしい、までを頼む。鍵は渡さない。自治会の組長・班長会費、回覧板、ごみ当番、清掃と草刈りの出役の扱いを相談する。運用は地域ごとに違うので確認して記録する。新聞販売店・宅配・郵便局新聞と定期宅配は止め、郵便は転送か回収を選ぶ。玄関前の滞留を作らないことが防犯につながる。家族の連絡担当(一人)近隣からの連絡を受ける番号を一つに絞り、内容を家族へ共有する。複数の連絡先を配ると誰にも届かなくなる。先に伝える役を調整配達を止める窓口になる外注できる作業を近隣へ頼まない。無償の負担は長続きせず、関係のほうが先に傷む。
伝える相手を絞り、それぞれに渡す情報と頼まない役目を決めておくための図です。中心の家に対して、誰が何を担うのかがずれると、後から負担や誤解が残ります。

通帳・印鑑・保険証券は、運び出す前に同意と記録をそろえる

この章では、無人の家に残せないものの扱いを決めます。置いておく危険と、黙って持ち出す危険の両方があります。順番は、本人の同意、記録、移動です。

誰もいない家に通帳、印鑑、現金、保険証券を置いたままにするのは、防犯の面で明らかに不利です。かといって、家族の一人が黙って持ち帰ると、後で兄弟から使い込みを疑われる材料になります。相続の相談の場で今も揉め続けている家の多くは、この時期に生まれた小さな不信が出発点になっています。危険が二方向にあるので、動かすこと自体ではなく、動かし方を設計します。手順は三段階です。本人の同意を取る、置かれていた状態を記録する、そのうえで移す。

本人が話せる状態であれば、病室で本人の前に一覧を示します。何を、家のどこから、誰が、どこへ保管するのか。四つを口に出して確認し、その場でメモに書いて日付を入れます。可能であれば家族が二人以上いる場面で行ってください。本人の署名まで取れれば確実ですが、体調によっては難しいこともあります。難しい場合でも、伝えた内容と日付、同席者を記録しておけば、後から経緯を説明できます。話せる状態にないときは、兄弟へ事前に連絡し、返信の記録が残る形で了解を取ってから動くのが無難です。

記録は写真が最も早いです。引き出しや金庫を開けた状態を撮り、次に中身を並べて撮り、それから品目を書き出します。通帳は金融機関名と支店名、口座番号の末尾数字まで。印鑑は本数と、朱肉を付けた印影も残しておくと後で照合できます。保険証券は保険会社名と証券番号。現金があれば金額を数え、数えた人と立会人の名前を書きます。この一覧を、その日のうちに兄弟へ送ってください。後から送ると、内容が同じでも受け取り方が変わります。

探す場所には世代ごとの癖があります。仏壇の引き出し、箪笥の最上段、押入れの天袋、菓子の缶、鏡台の小引き出し、床の間の脇、玄関の下駄箱の上。権利証が桐の箱や風呂敷に包まれていることもあります。ただし、この段階で家じゅうの収納を開ける必要はありません。目的は権利や契約の手掛かりを確保することであって、家財の全数調査ではないからです。開けた場所と開けなかった場所を記録に残せば、次の人が続きから探せます。

確保する順番も決まっています。まず病院で当日必要になるもの。健康保険証、介護保険証、お薬手帳、身体障害者手帳があればそれ。次が生活と支払いに関わるもので、年金手帳や年金の振込通知、通帳、届出印、キャッシュカード。三番目が家に関わるもので、火災保険の証券、固定資産税の納税通知書と課税明細書、水道と電気の検針票。最後が権利に関わるもので、権利証または登記識別情報の通知、契約書のたぐいです。この順で探すと、途中で時間切れになっても困り方が小さくて済みます。

お金そのものは動かさないでください。入院費の支払いのために本人の口座から引き出す必要が出てくることはありますが、金融機関ごとに手続きの扱いが違い、本人の状態によっては窓口で確認を求められます。代理人カードや代理人届といった仕組みを用意している金融機関もありますが、本人が元気なうちに手続きしておく必要があるものが多いようです。どの方法が使えるかは、通帳を持って取引先の窓口へ相談してください。引き出した場合は、金額、日付、使い道、領収書を一つのファイルにまとめておきます。これは疑われないためではなく、後で自分が説明できるようにするためです。

保管場所は、家族の誰か一人の家に置くのが一般的です。貸金庫は安全ですが開けられる人が限られ、病院や施設の金庫は短期の預かりを前提にした運用が多く、長期の保管には向きません。原本は一か所に集め、コピーを取ってから移す。そして、コピーを取った日と、原本がどこにあるかを一覧に書き添えておきます。原本の所在が分からなくなる事故は、意外なほど起きます。

この章でよく聞く失敗を三つ挙げます。良かれと思って一人で全部持ち帰り、後で兄弟に説明を求められて関係がこじれるもの。通帳だけ持ち帰って届出印を家に残し、必要になったときにもう一度往復するもの。片付け業者に先に入ってもらい、書類の束が家財と一緒に処分されてしまうもの。三つとも、動いたこと自体ではなく、同意と記録を飛ばしたことが原因です。順番さえ守れば、動くのは早いほうが安全です。

  • 本人が話せるうちに、何をどこから誰がどこへ移すかを口頭で確認して記録する
  • 引き出しや金庫を開けた状態と、並べた中身の両方を写真に残す
  • 通帳、印鑑、証券の一覧をその日のうちに兄弟へ共有する
  • 病院で要るもの、支払いに要るもの、家に関わるもの、権利に関わるものの順で探す
  • コピーを取ってから原本を移し、原本の所在を一覧に書き添える
確保する順番と、その書類が要る場面
書類・持ち物何のために要るか扱いの注意
健康保険証・介護保険証・お薬手帳入院と受診の手続き、要介護認定の申請病院へ届ける分を最優先で確保する
年金手帳・年金の振込通知収入の把握、施設費用の見通しを立てる住所変更が必要かどうかは別途確認する
通帳・届出印・キャッシュカード入院費や光熱費の支払い、引落しの確認同じ日に確保する。片方だけ動かさない
火災保険の証券居住実態が変わったことを保険会社へ伝える証券番号が分かれば契約先へ照会できる
固定資産税の納税通知書・課税明細書所有している土地と建物の件数を把握する毎年春に届く。紛失時は市町の資産税担当へ
権利証または登記識別情報の通知将来名義を動かす場面で必要になる所在を記録するだけでよく、急いで動かさない
現金・貴金属・骨董紛失や盗難の防止数えた人と立会人の名前、金額、日付を残す

一か月後に見直すためのメモを、今日の形で残す

この章では、状況が変わったときに引き継げる記録の作り方を扱います。入院から一か月のあいだに、退院、転院、要介護認定、施設の申し込みのいずれかは動きます。そのときやり直さずに済む形で残すのが目的です。

一か月後には、いま分かっていないことのいくつかが決まっています。退院の日が出る、リハビリ病棟へ移る、要介護認定の結果が届く、施設から空きの連絡が来る。どれが起きても、家の側でやることは変わります。困るのは、そのときに「郵便は誰が取りに行っていたか」「保険会社にはもう電話したか」を思い出せない状態です。記憶に頼ると、同じ電話を二度かけ、同じ書類を二度探すことになります。メモは、未来の自分と、まだ関わっていない兄弟のために書きます。

書き方の型は四つの区分です。事実、聞いたこと、決めたこと、保留。事実は自分の目で確かめたことと、書類に書いてあることです。聞いたことは、誰から何を聞いたかを発言のまま書きます。決めたことは、家族で合意した内容と決めた日。保留は、まだ決めていないことと、いつ決めるかです。この四つを混ぜないだけで、後から読む人が「これは誰の意見なのか」を追えるようになります。とくに保留の欄を空けておくのが大切で、決めていないことを決めていない状態として置いておけます。

家の側の固定情報は、一枚にまとめます。無人になった日。鍵の本数と保管者。止めた契約と、再開に必要な手続きと日数。残した契約と、その理由。巡回の担当と頻度。撮影した写真の保存場所。近隣と自治会へ伝えた内容と日付。ここまでが埋まっていれば、家族の誰が引き継いでも初日から動けます。紙のノート一冊でも、家族で共有できる表計算でも構いません。共有できる場所に置くことのほうが、体裁より大事です。

本人の言葉は、要約せずそのまま残してください。「春には帰りたい」と「あの家は売らんでくれ」は別の発言です。前者は帰宅の希望、後者は処分への意思で、時期も背景も違います。家族が「つまり売りたくないということだ」とまとめてしまうと、後で本人の気持ちが変わったときに、変わったのかどうかも分からなくなります。日付と、誰が聞いたかを添えて、言葉のまま書き留めておく。判断能力や代理権に関わる評価は、家族で結論を出さず、必要なときに司法書士や弁護士へ相談する事項として保留の欄に置きます。

見直しのきっかけは、先に書いておくと効きます。退院の日が決まったとき。転院したとき。要介護認定の結果が届いたとき。施設の入居が決まったとき。火災保険の満期が近づいたとき。台風や地震のあと。この六つのどれかが起きたら、メモを開いて確認する。カレンダーに「一か月後に見直す」とだけ書くより、出来事に紐づけたほうが実際に開かれます。

保険会社への連絡は、一か月の節目で行うのが目安です。住宅の火災保険は人が住んでいることを前提にした契約が一般的で、長期に無人になると、建物の区分や知らせるべき事柄の扱いが変わることがあります。証券番号を用意して、入院で当面不在であること、月に何回くらい家族が来ていること、戻る見込みが現時点でどうなのかを伝え、必要な手続きを尋ねてください。適用や条件は契約ごとに違うため、このページで断定はできません。聞いた内容と回答日を記録に残しておくと、後で条件が変わったときに比較できます。

巡回の組み方は、退院の見通しと実家までの距離で変わります。車で三十分の距離に住んでいて数週間で戻りそうなら、週に一度の短い訪問で足ります。遠方で日帰りが難しく、戻る見通しも立たないなら、月に一度の訪問に外注を組み合わせる形が現実的です。草刈りはシルバー人材センターや造園業者、建物の見守りは市の空き家相談窓口で扱いを確認できます。費用は依頼先と面積で幅がありますので、二社ほど見積もりを取って比べてください。

そして、この時点で決めないことも決めておきます。売る、貸す、壊す。荷物の処分。名義の変更。これらは、退院できるのか、施設へ移るのかがはっきりしてからで間に合います。いま急いで決めると、状況が変わったときに戻せません。一か月後に手元にあってほしいのは結論ではなく、確認済みのことと未確認のことが分かれた一枚です。ふじがおか実家カルテは、その一枚を住所と手元の資料から作るための入口として使えます。価格を出す査定ではなく、確認の順番をそろえるための資料です。

  • メモを事実、聞いたこと、決めたこと、保留の四区分で書き分ける
  • 無人になった日、鍵、止めた契約、巡回の担当を一枚にまとめる
  • 本人の言葉は要約せず、日付と聞いた人を添えて残す
  • 見直しのきっかけを出来事の形で先に書いておく
  • 証券番号を用意して保険会社へ状況を伝え、回答日を記録する
一か月後に見直す引き金と、そのとき確かめること
きっかけ家の側で確かめること相談先
退院の日が決まった水道と電気を戻す手順、暖房と給湯器の再開、掃除の段取り供給会社、清掃業者
リハビリ病棟や別の病院へ移った郵便の転送先、巡回の頻度、保険会社への連絡の要否郵便局、保険会社・代理店
要介護認定の結果が届いた通知の保管。将来の税の場面で資料になり得る地域包括支援センター、税理士
施設の入居が決まった戻らない前提での費用の仕分けと、名義や決定権の確認司法書士、市町の空き家窓口
火災保険の満期が近づいた現在の居住実態に合った契約になっているか保険会社・代理店
台風や地震のあと雨戸、瓦、樋、外壁、庭木の被害と、写真での記録保険会社、工務店

図3退院の見通しと実家までの距離で、巡回の組み方を決める

退院の見通しと実家までの距離で、巡回の組み方を決める選択肢を比べる前に、いま自分がどのマスにいるかを決めます。マスが変われば、同じ作業でも自分で行くのか外注するのかが変わります。見通しが変わったら、マスを引き直してください。横軸=退院・帰宅の見通し / 縦軸=実家までの距離と行きやすさ数週間で戻れそう・まだ未確定数か月以上、または施設へ移る車で三十分以内・行きやすい週に一度の短い訪問で保つ郵便の回収、通水、換気を三十分で済ませる。契約は止めずに残し、戻ったその日から暮らせる状態を維持する。月二回にして費用を仕分ける訪問の頻度を落とし、止める契約と残す契約を決める。保険会社へ居住実態の変化を伝え、記録に残す。遠方で日帰りが難しい初回で手当てし、外注を一つ入れ封水と換気の手当てを済ませ、草刈りだけ外注する。近隣には連絡先を渡し、気づいたら教えてもらう関係にとどめる。見守りを外に出し、判断は保留す巡回と草刈りを外注し、市の空き家相談窓口で使える仕組みを確認する。売る貸す壊すは名義の確認が済むまで決めない。どのマスにいても、決定権の確認が終わるまで契約書に署名する場面は作らない。
選択肢を比べる前に、いま自分がどのマスにいるかを決めます。マスが変われば、同じ作業でも自分で行くのか外注するのかが変わります。見通しが変わったら、マスを引き直してください。

このページ固有の確認メモ

ここからは「入院から施設入居へ。突然空いた実家で今日確認したい10項目」で特に確認したい内容を、事実、避けたい判断、手元資料に分けて示します。すべてを一度に終える必要はありません。確認できた項目には日付と根拠を添え、分からない項目には担当者と再確認日を付けてください。家族が別々の時間に作業しても、同じ一覧へ戻れる状態を目指します。

確認しておく事実

この欄は、方針を決める前に共有したい事実です。家族の記憶だけで確定せず、通知書、契約書、公式ページ、撮影日が分かる写真など、確認に使った根拠を隣へ書きます。該当しない項目も削除せず「該当なし」とした理由を残すと、後から同じ調査を繰り返さずに済みます。

  • 家の状態は退院の可否ではなく、無人になった日からの経過日数で決まる
  • 初回の訪問は火とガス、水、電気、冷蔵庫、戸締まり、郵便、撮影の順で進める
  • 封水切れとカビは二週間から一か月で現れ、水を足すだけで大きく防げる
  • 近隣へ伝えるのは留守の見込みと連絡先まで。鍵は預けない
  • 自治会の会費と出役の扱いは地域ごとに違うので、早めに組長へ確認する
  • 通帳や証券は、本人の同意と写真の記録をそろえてから移す
  • 居住実態が変わったことは火災保険の契約条件に関係する場合がある
  • 売る貸す壊すは、退院か施設かがはっきりしてからで間に合う

避けたい判断

この欄に当てはまる可能性があるときは、契約や処分をいったん止めます。一般例を対象の家へ当てはめたのか、資料で確かめたのかを区別し、不足情報を質問へ直してください。法務、税務、測量、建物、行政など別分野の判断が必要なら、回答できる相談先へ切り分けます。

  • 入院が短期で終わる前提で何もせず、封水切れとカビが進んでから気づく
  • 初回の訪問で片付けを始めてしまい、証券や通知書まで一緒に処分する
  • 近隣に鍵と庭の手入れを頼み、無償の負担と断りにくい関係を作る
  • 家族の一人が同意も記録もないまま通帳と印鑑を持ち帰る
  • 無人化後も居住用の火災保険の条件がそのまま続くと思い込む
  • 連絡先を家族それぞれが別々に伝え、近隣からの連絡が誰にも届かない
  • 退院の見通しが立たないうちに、売却や解体の契約まで話を進める

手元で探すもの

見つけた資料には名称、発行年、原本の保管者を記します。古い資料も経緯を知る手掛かりになるため、最新版と違うだけで捨てないでください。見つからない場合は空欄にせず、再取得できるか、誰に所在を尋ねるか、いつ再確認するかを決めると次の相談準備になります。

  • 最後に人が寝泊まりした日と、入院した日
  • ガス、給湯器、暖房器具を止めた日と状態
  • 水の止め方と、封水の手当てをした場所
  • 電気で落とした回路と、残した理由
  • 冷蔵庫の中身の処分と、電源の扱い
  • 鍵の本数と保管者、預けたままの合鍵
  • 新聞・宅配の停止先と、郵便の転送または回収の担当
  • 近隣と自治会へ伝えた内容、相手の名前、伝えた日
  • 確保した書類の一覧と、原本の保管場所
  • 火災保険の証券番号と、保険会社へ連絡した日
  • 巡回の担当と頻度、外注した作業と費用
  • 見直しのきっかけと、そのとき確かめること

よくある質問

入院が二週間の予定です。それでも家の手当ては必要ですか

必要です。予定が延びることが多いうえに、冷蔵庫の生鮮品や生ゴミは数日で問題になります。火とガスを止め、冷蔵庫を空にし、戸締まりを一周し、新聞と宅配を止める。ここまでは二週間の予定でも損になりません。延びたときの被害だけが確実に減ります。

水道の元栓は閉めたほうがよいですか

次に来られる日が決まっているなら蛇口を閉めておく程度で足ります。決まっていないなら屋内の元栓を閉めるほうが安全です。ただし閉めると排水口へ水を足せなくなるため、封水の手当てを先に済ませてください。冬季は給湯器や屋外配管の水抜きが要る機種もあるので、取扱説明書かメーカーの窓口で手順を確認してください。

近所の方に鍵を預けておくのは駄目ですか

おすすめしません。善意で預かってくださる方でも、家の中で何かがなくなったときにその方が疑われる立場になります。頼むのは郵便受けの様子を気にかけてもらう程度までにし、家に入る役目は家族が持ってください。

通帳や印鑑を家に置いておくのが不安です。持ち帰ってよいですか

置いたままにするのも不安がありますので、順番を守れば持ち出して構いません。本人が話せるうちに何をどこから誰がどこへ移すかを確認し、置かれていた状態と中身を写真に撮り、品目の一覧をその日のうちに兄弟へ共有してください。同意と記録を飛ばした持ち出しが、後の不信につながります。

火災保険はいつ連絡すればよいですか

入院から一か月ほどの節目が目安です。住宅向けの火災保険は人が住んでいる状態を想定した契約が多く、無人の期間が延びると建物の区分や知らせるべき事柄の扱いが変わることがあります。証券番号を用意し、当面不在であること、家族が来る頻度、戻る見込みを伝えて必要な手続きを尋ねてください。条件は契約ごとに異なるため、最終的な確認は契約先へお願いします。

自治会の会費や草刈りの当番はどうなりますか

扱いは自治会ごとに違い、規約ではなく運用で決まっている地域もあります。休会できるのか、代理を立てられるのか、不参加分の負担金があるのか、支払いはいつどこへ持っていくのか。この四点を組長や班長へ確認し、聞いた日付と相手の名前を記録に残してください。

公式出典・確認先

制度や受付条件は変わることがあります。最終判断の前に、リンク先の最新情報と担当窓口を確認してください。

  1. ふじがおか実家カルテ|住所で分かること(fudosan.atawi.link)カルテで整理する範囲と、現地・専門家確認が必要な範囲を確認確認日:2026-08-27
  2. 法務省|相続登記の申請義務化について(www.moj.go.jp)相続登記の基本的義務、遺産分割成立後の追加的義務、経過措置を確認確認日:2026-08-27
  3. 法務省|相続人申告登記について(www.moj.go.jp)遺産分割がまとまらない場合の申告登記と必要書類を確認確認日:2026-08-27
  4. 国税庁|被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(www.nta.go.jp)適用期間、対象家屋、相続人数による控除限度額等を確認確認日:2026-08-27
  5. 磐田市|大雨への備え(www.city.iwata.shizuoka.jp)磐田市ハザードマップ、洪水・冠水情報への公式入口を確認確認日:2026-08-27
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大石 浩之

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士(静岡県知事 第027186号)。静岡県磐田市見付を拠点に、磐田市・袋井市・森町・掛川市・菊川市・御前崎市・湖西市・浜松市で、相続不動産・空き家・実家じまいの相談に対応。家族が次に確認する事項を、判断を急がず、地域の実務と公的情報を分けながら整理しています。