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私道に面する実家で持分がないとき|通行・掘削承諾の確認

実家の前の道が市道ではなく、誰かの名前で登記された私道だった。しかもその道の登記簿に、自分の家の名義は入っていない。相続の相談や売却の見積もりを取る場面で、はじめてそこに気づく方がよくいます。磐田市や袋井市には、昭和の半ばから後半にかけて数区画ずつ切り売りされた分譲地や、見付や掛塚の旧市街のように家と家のあいだを細い通路が抜けていく地区があり、道の権利関係がその時代のまま止まっていることが珍しくありません。持分がないこと自体は、それだけで家の価値を消すものではありません。実際に困るのは、水道管を入れ替えたい、建て替えたい、売りたいという場面になって、他人の土地を掘る許可が要ると分かったときです。このページでは、持分がないと具体的にどこで止まるのか、通行の権利と掘削の承諾がなぜ別物なのか、承諾書をどう取るのか、相手が多い・分からないときに何ができるのか、そして売却でどう説明するのかを、順番に整理します。ここで結論を出せない論点については、行政のどの窓口とどの職種の専門家へつなぐのかまで書き添えました。

私道に面する実家で持分がないとき|通行・掘削承諾の確認について家族が資料を確認し、次の順番を話し合う写真風イメージ

まず結論

先に値段を聞く必要はありません。まず、道になっている筆の地番を公図で読み、その地番の登記事項証明書で所有者と共有者を確かめる。次に、市の建築を担当する窓口で建築基準法上の道路にあたるかを照会する。この二つは別の話です。そのうえで、通行の根拠と掘削の承諾を書き分けます。承諾書を取るのは、相手が確定し、実家側の名義も整ってから。相手が多数だったり所在が分からなかったりする場合は、法改正で設けられた制度や、掘らずに済ませる工法という別の道もあります。売却の説明と価格の話は、いちばん最後に置いてください。

私道に面する実家で持分がないとき|通行・掘削承諾の確認で道路を示すピクトグラム
道路私道に面する実家で持分がないときで最初に見る「道路」
私道に面する実家で持分がないとき|通行・掘削承諾の確認で境界を示すピクトグラム
境界資料と現地を分けて確認
私道に面する実家で持分がないとき|通行・掘削承諾の確認で区域指定を示すピクトグラム
区域指定都市計画と災害情報を重ねる
私道に面する実家で持分がないとき|通行・掘削承諾の確認で専門確認を示すピクトグラム
専門確認行政・測量・建築へつなぐ

持分がないと、どこで止まるのか

私道に持分がないことそのものは、家の欠陥ではありません。困るのは、掘る・建てる・売るという場面で他人の土地の許可が要ると分かったときです。まず、どの場面で何が止まるのかを具体的に並べます。

はじめに、私道持分なしという言い方を登記の言葉へ置き換えます。道として使われている部分にも地番があり、そこには所有者が登記されています。その所有者の欄に実家の名義人が入っていなければ、持分なしです。何十年も車を出し入れしてきた道であっても、法務局で取れる登記事項証明書に名前が載っていなければ、その帯は他人の土地という扱いになります。まずここを、毎日通れているという生活の感覚といったん切り離してください。切り離さないまま話を進めると、後の照会でどこを聞けばよいのかが分からなくなります。

次に、家が現に建っているという事実の意味を考えます。建築確認を受けて建てられた家であれば、その前面の道が建築基準法上の道路として扱われた可能性が高いといえます。私道であっても、特定行政庁から位置の指定を受けた道路や、いわゆる二項道路として扱われている道はあります。所有権が誰にあるかという話と、建築基準法上の道路にあたるかという話は、別の層に置かれています。片方が欠けていても、もう片方が自動的に否定されるわけではありません。この二層を混ぜないことが、この記事全体の前提になります。

止まる場面のひとつめは、水道と下水の工事です。給水管が古い口径のままで引き直したい、宅内の配管を交換したい、浄化槽をやめて公共下水につなぎたい。いずれも私道を掘る作業を伴います。市の担当課へ出す申請や、指定給水装置工事事業者が着工する段階で、道の所有者が書いた掘削承諾書を求められることがあります。書面が出せなければ、工事の手前で止まります。空き家のまま置いていた実家で、いざ売る前に水回りを直そうとして初めて分かる、という順番になりがちな部分です。

ふたつめは、建て替えと解体です。工事車両の出入り、足場の設置、資材の仮置き、重機の旋回。どれも私道の上で起きます。舗装の割れや側溝のずれをめぐって後から申し入れが来ることもあり、着工前に道の所有者へ話を通しておくかどうかで、工期も気持ちの負担も変わります。掛塚や見付の旧市街のように道幅が狭く角に隅切りのない路地では、小型の重機しか入れないぶん、解体費や運搬費の見積もりそのものが動きます。見積書に「私道使用の承諾を前提とする」と書かれていないかも確認してください。

みっつめは売却です。宅地建物取引業者が買主へ行う重要事項説明では、私道に関する負担に関する事項が説明の対象に含まれています。持分の有無、通行と掘削の承諾の有無、維持管理の費用分担。これらが空欄のまま契約へ進むことはありません。売主の側で用意できていなければ調査は仲介業者が引き受けることになり、そのぶん売り出しまでの日数が延びます。急いでいるときほど、この調査待ちが効いてきます。

よっつめは日常です。通行そのものを制限される、ポールやプランターを置かれる、路面の補修費を求められる、といった場面が実際にあります。舗装のやり直しや側溝の清掃を誰が負担するのかは、道の所有者どうしの取り決めによります。持分のない立場はその取り決めの外側にいることが多く、費用の請求だけが届くのか、そもそも声がかからないのかも地区によって違います。遠州の冬は空っ風で砂と落ち葉がたまるため、掃除の当番が事実上決まっている道もあります。

逆に、持分がなくても大きくは困らない状態もあります。過去の売買のときに通行と掘削の承諾書が交わされ、承継人にも効力が及ぶ書き方になっている場合。道の所有者が市町へ移管して、いまは市道になっている場合。あるいは道を短冊状に分けて互いに持ち合う形になっていて、自分の家の前だけが自分の名義という場合。最後の形は、登記を一筆だけ見ると持分がないように見えて、実は道全体では対等な関係が組まれています。まず、自分の実家がどれにあたるのかを確かめます。

確かめる順番は決まっています。固定資産税の課税明細で実家の地番を拾い、法務局で公図を取って道になっている筆の地番を読み、その地番で登記事項証明書を請求して所有者を見る。ここまでは家族だけでもできます。そのうえで、市の建築を担当する窓口へ道路の種別を照会し、古い売買契約書や重要事項説明書の控えに承諾の記載がないかを家の中で探します。この五つを、別々の紙に分けて記録してください。ひとまとめのメモにすると、どれが確認済みでどれが推測なのかが後から分からなくなります。

空き家の期間が長いほど、状況は静かに動きます。道の所有者が亡くなって相続人へ移る、隣の家が建て替えて通路の使い方が変わる、舗装の傷みが進んで補修の話が持ち上がる。こちらが動かなくても相手側は代替わりします。持分がないと分かった時点で、いま誰が所有者なのかを一度書き留めておくだけでも、数年後の交渉の出発点が変わります。売ると決めていない段階でも、この一枚は作っておく価値があります。

  • 課税明細で実家の地番を確認し、住所と別に控える
  • 公図で道になっている筆の地番を読み取る
  • その地番の登記事項証明書で所有者と持分を確かめる
  • 市の建築窓口へ前面道路の種別を照会する
  • 過去の契約書・重要事項説明書に承諾の記載がないか探す
  • 確認済みと未確認を、同じ紙に混ぜずに分けて残す

図1持分の有無を確かめる六つの手順

持分の有無を確かめる六つの手順上から順に進めます。前の段階が終わらないまま次へ飛ぶと、誰に何を聞けばよいのかが決まらず、照会が空振りになります。1から3までは家族だけで進められ、4以降で窓口と専門家が関わります。1課税明細で地番を拾う固定資産税の納税通知書に付いている課税明細で、実家の土地の地番を確認する。普段使っている住所とは別の番号で、以降の請求はすべてこの地番で行う。2公図で道の筆を読む法務局で公図を取り、実家の筆から公道までのあいだにある細長い筆を書き出す。地番が振られていれば誰かの所有地、番号のない帯なら里道や水路の可能性がある。3道の登記事項証明書を取る拾った地番で登記事項証明書を請求し、所有者の氏名と住所、単独か共有か、共有なら持分の割合を控える。ここで実家の名義が出てこなければ持分なし。4道路の種別を照会する市の建築を担当する窓口へ、その道が建築基準法上の道路にあたるか、位置指定なのか二項道路の扱いなのかを聞く。指定図が保管されている場合は写しの取得可否も確認する。5承諾の有無を家の中で探す購入時の売買契約書、重要事項説明書、水道の工事書類。通行や掘削の承諾書が過去に交わされていれば、そこに承継の定めがあるかまで見る。6分けて記録し、渡す先を決める確認できた事実、まだ未確認の事項、家族の記憶による推測を三つに分ける。未確認には次に聞く窓口名と担当分野を添えて、相談の材料にする。この六つが終わるまで、承諾料の金額や売却価格の話は先に進めない。相手が確定していない段階の交渉は、やり直しになりやすい。
上から順に進めます。前の段階が終わらないまま次へ飛ぶと、誰に何を聞けばよいのかが決まらず、照会が空振りになります。1から3までは家族だけで進められ、4以降で窓口と専門家が関わります。

通行の権利と掘削の承諾は別物として書き分ける

通れることと、通る権利があることと、地面を掘れることは、それぞれ根拠が違います。この章では三つの層に分けて、どの資料でどこまで分かるのかを整理します。

いちばん上の層は、建築基準法上の道路にあたるかどうかです。これは公法の話で、家を建てられるかどうかに直結します。私道でも、特定行政庁が位置の指定をした道路や、建築基準法の適用時にすでに建物が立ち並んでいた幅の狭い道をみなし道路として扱う取扱いがあり、いずれも所有者が個人のままで道路として機能しています。持分がなくても、この層が満たされていれば接道の要件そのものは満たしている場合があります。判断は窓口の回答によります。

真ん中の層は、私法上の通行の根拠です。ここには複数の形があります。登記された通行地役権、当事者間の契約による通行の合意、袋地について民法が定める囲繞地通行権、そして書面のない長年の慣行。強さも及ぶ範囲も違います。囲繞地通行権は他の土地に囲まれて公道へ出られない土地のための考え方で、前面に私道がある一般的なケースにそのまま当てはまるとは限りません。自分の家がどの形なのかを、まず言葉で特定してください。

建築基準法上の道路として指定された私道については、そこを日常的に通る人の通行の利益が保護されうるという考え方が裁判の場で示されてきました。ただし、これは事案ごとの判断であり、どの道でも当然に通行が守られると読み替えることはできません。実際に妨害を受けている、あるいはその見込みがあるという段階になったら、資料をそろえて弁護士へ相談する場面です。ここで家族だけの解釈を固めてしまわないことが大切です。

いちばん下の層が、掘削の承諾です。通行は地面の表面を通り過ぎるだけですが、掘削は他人の土地の内部に穴を開け、管を埋め、その管を将来にわたって置き続ける行為です。土地の所有権が及ぶ範囲に踏み込むため、通行が認められていることと掘ってよいことは、まったく別に扱われます。給水管や下水の取付管の工事で承諾書が求められるのは、この違いが理由です。通行の承諾書だけを持って水道の申請に行き、掘削の記載がないと言われて戻ってくる、という行き違いがよく起こります。

承諾書がある場合でも、その効力の範囲を読む必要があります。誰が誰に対して、どの地番について、何を承諾したのか。一回きりの工事についてなのか、将来の再掘削や維持補修まで含むのか。そして、土地を売ったあとの新しい所有者にも効力が及ぶと書かれているか。承継についての定めがないと、買主が改めて取り直しを求められることがあります。古い書面ほど、この部分が抜けています。原本の所在と、写しをどこに保管しているかも合わせて控えてください。

私道の所有の形にも二種類あります。ひとつは道全体を関係者で共有し、それぞれが持分を持つ形。もうひとつは道を短冊状に分筆して各自が自分の前を単独で所有し、互いに通行を認め合う形です。後者は、自分の家の前の筆だけを見ると単独所有者が他人になっていることがあり、持分なしに見えます。どちらの形かで、承諾を求める相手の数も、話の進め方も変わります。公図で道の筆が一本か複数かを見れば、おおよその見当がつきます。

みなし道路として扱われている狭い道では、後退という論点が付いてきます。中心線から一定の距離まで敷地を下げたところが道路の境界として扱われ、その部分には原則として建物や塀を出せません。すでに後退済みなのか、これから下げることになるのかで、建てられる建物の大きさが変わります。後退した部分を分筆しているか、市町へ寄付しているか、私有のまま非課税の申請をしているかも、道によってばらばらです。現地でブロック塀の位置を見ただけでは判断できないため、種別の照会と一緒に聞いてください。

最後に、記録の作り方です。通行と掘削について、それぞれ根拠を四つの箱に分けて書きます。書面のある権利、書面のある承諾、口約束、そして事実上の慣行。空欄が残ってもかまいません。空欄は不利の証明ではなく、まだ調べていない印として扱ってください。この四つに分けておくと、仲介業者や司法書士へ相談したときに、話がどこから始まるのかがすぐ伝わります。

  • 道路種別の回答を、聞いた日と担当分野つきで残す
  • 通行の根拠が権利か承諾か慣行かを言葉で特定する
  • 承諾書があれば対象地番と承継の定めを読む
  • 掘削についての記載が別にあるかを確かめる
  • 私道が一筆か短冊状の複数筆かを公図で見る
通行と掘削をめぐる根拠の種類と、確かめる先
根拠の種類どこまでを支えるか確かめる資料・窓口
建築基準法上の道路の指定接道の要件と建築の可否に関わる公法上の位置づけ市の建築を担当する窓口、位置指定道路の指定図
登記された通行地役権通行できる範囲が登記に現れ、承継の場面でも読み取りやすい私道部分の登記事項証明書(乙区)
契約や承諾書による通行の合意当事者間の通行。承継の定めがなければ次の所有者に及ぶかは要確認売買契約書、重要事項説明書、承諾書の原本
囲繞地通行権公道へ出られない土地について民法が定める考え方。範囲は必要な限度現況と公図、争いがあれば弁護士
掘削の承諾管の埋設と再掘削。通行の承諾とは別に書面が要ることが多い承諾書、市の水道・下水を担当する課、指定工事店
書面のない長年の慣行事実として続いてきたが、相手の代替わりで扱いが変わりうる家族の記憶と写真。裏づけは別途必要

承諾書をどう取るか — 相手の確定、書面の中身、費用の考え方

承諾書は、相手が確定してからしか作れません。この章では、誰に頼むのかを固める手順、書面に入れておきたい項目、そして費用をめぐる現実的な構えを並べます。

最初にすべきは、頼む相手を確定させることです。私道部分の登記事項証明書を取り、所有者が単独か共有かを見ます。共有であれば共有者の全員分の氏名と住所を書き出します。登記の住所は登記された当時のもので、現在の住所と違うことがよくあります。所有者がすでに亡くなっていて、相続登記がされていない私道も少なくありません。この段階でつまずいたら、次の章の内容へ移ってください。

同時に、実家側の名義も整えます。亡くなった親の名義のままで相手に承諾を求めると、誰が求めているのかが相手から見て曖昧になり、話が止まります。相続にともなう名義の書き換えは申請が義務づけられる扱いとなり、話し合いが長引いている家のために、相続人であることをひとまず届け出ておく登記も用意されています。どちらも要件と提出書類は法務省の案内が一次情報です。実際にどの手続きを選ぶかは、戸籍をたどったうえで司法書士に決めてもらうのが確実です。名義が整っていることは、交渉の場での最低限の身分証明にあたります。

接触の仕方は、相手との距離で選びます。同じ地区に住んでいる方なら、まず対面か電話で事情を伝えるほうが早いことが多いです。遠方であれば手紙を出します。手紙には、どの地番の道について、どういう工事や売却を考えていて、何を承諾してほしいのかを一枚に収めます。長い経緯や感情は書かないほうが通ります。返事の期限を切らず、こちらの連絡先と、質問があれば聞いてほしい旨を添えるだけで十分です。

頼む内容は、一度に全部を並べないほうがよい場合と、まとめたほうがよい場合があります。当面の水道工事だけが目的なら、その工事に絞って話すほうが相手も判断しやすい。一方、売却まで見据えているなら、通行と掘削の両方を承継人にも及ぶ形で一枚にしておかないと、買主側でもう一度同じ話をすることになります。どちらを選ぶかは、実家をどうする見込みなのかによって決めてください。決めきれないなら、その旨を相手に伝えて相談するほうが誠実です。

書面に入れておきたい項目は決まっています。承諾する人と承諾を受ける人、対象となる私道の地番、承諾の内容として通行と掘削の別、埋設した管の維持や補修のための再掘削を含むか、工事後の原状回復を誰がどこまで行うか、費用の負担、そして双方の承継人にも効力が及ぶこと。作成日と署名押印。印鑑証明書を添えるかどうかは、後で使う場面によります。文案づくりは司法書士や弁護士へ依頼できます。

費用の話は、一律の基準がありません。近所づきあいの延長で無償で応じてもらえることもあれば、承諾料として金額を求められることもあります。地区の慣行、道の傷み具合、過去のいきさつで幅が出るため、この記事で相場をお示しすることはできません。金額の目安を知りたい場合は、その地区で扱いのある不動産業者や、私道の案件を扱った司法書士に、近い事例の範囲を聞くのが現実的です。支払うと決めたなら、承諾書と領収の記録を必ず一組で残してください。

断られたときは、理由を聞くところからです。舗装が傷むのが嫌だ、工事の音や時間帯が心配だ、以前に別の家との間でもめたことがある。理由が分かれば、原状回復の範囲を具体的に約束する、工事の日程を事前に知らせる、施工業者から挨拶に行くといった形で条件を組み直せます。断りの言葉をそのまま結論にせず、何が引っかかっているのかを一度書き出してみてください。時間をおいて再度お願いするという選択も残ります。

頼みに行く前に、工事の中身を具体化しておくと話が早くなります。どの管を、どの位置から、何メートル分掘るのか。工期は何日で、時間帯はいつからいつまでか。掘ったあとの舗装をどう戻すのか、掘った幅だけを直すのか、路面を面で仕上げ直すのか。施工業者に図と工程をもらっておけば、相手の心配の多くはその場で解けます。抽象的に掘らせてほしいと頼むのと、図を見せながら三日で戻しますと伝えるのとでは、返事の質が変わります。

承諾書より一段強い形として、通行地役権を設定して登記するという選択もあります。登記されていれば、道の所有者が代替わりしても関係が読み取れますし、買主側の金融機関へ示す資料にもなります。ただし相手の協力と費用が要り、承諾書一枚より手間はかかります。長く保有する予定なのか、近いうちに売るのか、共有者が何人いるのかで、そこまで踏み込む意味があるかは変わります。判断の材料として、司法書士に費用と期間の見込みを聞いてから決めてください。

話がこじれている、相手が明確に拒否している、あるいは通行そのものを妨げられているという段階になったら、専門家へ渡します。書面づくりと登記は司法書士、争いになっている場面は弁護士、道路の扱いは市の窓口、建物を建てる前提の話は建築士。ひとりに全部を尋ねないほうが、回答の精度が上がります。相談の際は、公図、私道の登記事項証明書、道路種別の回答、これまでのやり取りの日付を一組にして持っていってください。

  • 私道の登記事項証明書で共有者全員の氏名と住所を書き出す
  • 実家側の相続登記または相続人申告登記の状況を確認する
  • 頼む内容を通行だけか掘削まで含むかで決めておく
  • 承諾書に承継人への効力と再掘削の可否を入れる
  • 支払いが生じた場合は書面と記録を一組で保管する
  • やり取りの日付と回答の範囲をその都度残す

図2私道をめぐって、誰が何を答えられるのか

私道をめぐって、誰が何を答えられるのか中心にあるのは他人名義の私道です。承諾を出せるのは所有者だけで、行政の窓口は道路の種別を答えますが承諾の代わりにはなりません。誰に何を求めるのかを取り違えると、同じ質問を何度もすることになります。実家の前の私道(他人名義)通れる・掘れる・建てられるが、それぞれ別に決まる私道の所有者・共有者通行と掘削の承諾を書面で出せる唯一の立場。共有なら誰にどこまで頼むかを事前に整理する。所在が分からない人がいれば別の手順へ。実家の所有者(持分なし)求める前に自分の名義を整える。相続登記が済んでいないと、誰が頼んでいるのかが相手から見えない。市の建築を担当する窓口建築基準法上の道路にあたるか、位置指定なのか二項道路の扱いなのかを回答する。承諾の要否そのものは判断しない。水道・下水の担当課と指定工事店私道を掘る工事の申請で、所有者の掘削承諾書の添付を求められることがある。必要な様式と範囲は着工前に確認する。承諾を出す承諾を求める種別を答える書面を求める承諾を出せるのは所有者だけ。行政の回答も専門家の意見も、その承諾を代わりに作ることはできない。
中心にあるのは他人名義の私道です。承諾を出せるのは所有者だけで、行政の窓口は道路の種別を答えますが承諾の代わりにはなりません。誰に何を求めるのかを取り違えると、同じ質問を何度もすることになります。

共有者が多い・連絡が取れない・すでに亡くなっている

私道の共有者は、相続のたびに枝分かれして増えていきます。全員をたどれないときに何ができるのか、掘らずに済ませる道はあるのかを、順に並べます。

共有者が増える仕組みは単純です。昭和の分譲地で、道の部分を購入者全員の共有にしたとします。最初は数人でも、それぞれの家で相続が起きるたびに持分が分かれ、二世代を経ると十数人になることがあります。しかも相続人は同じ地区に住んでいるとは限らず、県外や海外にいる場合もあります。登記の住所は当時のままで、現在の連絡先とはつながりません。まず、この人数と分散の度合いを把握するところから始めます。

追跡の手がかりは、登記に載っている住所です。そこから住民票の除票や戸籍の附票をたどって現住所へ近づく方法がありますが、第三者が請求するには利害関係の説明が要り、取得できる範囲にも限りがあります。実務上は司法書士や弁護士へ委任して調査を進めることが多い部分です。自分で全員を追い切ろうとして数か月を使うより、初期の段階で見積もりを取って任せるほうが、結果として早いことがあります。

所有者が亡くなっている場合は、相続人の確定が先になります。戸籍をさかのぼって相続人を洗い出す作業で、これも司法書士の仕事です。相続による登記に申請の義務が定められたことで、時間の経過とともに私道の名義が現在の相続人へ更新されていく流れにはあります。ただし更新が進むまで待つという判断は現実的ではないため、いま分かる範囲で相手方の一覧を作り、どこまでたどれたかを記録してください。

所在が分からない共有者がいる場合について、近年の民法改正で、裁判所の手続きを通じてその持分を取得したり譲渡したりできる制度や、所有者が分からない土地の管理人を選任してもらう制度が設けられています。いずれも裁判所への申立てを伴い、要件も費用も事案によります。使えるかどうかの判断は弁護士や司法書士の領域ですので、こういう制度があるらしいという前提で相談に持ち込むところまでが、家族側の役割になります。

共有者の全員から承諾をもらう必要があるのかという点も、よく問題になります。共有物について、日常的な管理にあたる行為と、その形や性質を変える行為とでは、必要な同意の考え方が違うという整理があります。私道を掘って管を埋める行為がどちらにあたるかは事案によって見方が分かれるところで、家族が独自に結論を出す場面ではありません。実際の工事では、後の紛争を避けるため、可能な範囲で広く承諾を集める運用が取られることが多くなります。

承諾が集まらないときに、掘らずに済ませられないかを検討する余地もあります。既存の給水管や排水管をそのまま使える状態か、口径の変更が本当に必要か、別の面から引き込めるルートがないか。管の内側を更生する工法が使える場合もあります。これは市の水道・下水を担当する課と、指定給水装置工事事業者に現地を見てもらって判断する話です。工事の方法が変われば、そもそも承諾が要らなくなることもあります。

位置の指定を受けた私道については、勝手に廃止したり形を変えたりすることに制限がかかる仕組みがあります。道の所有者が突然そこを塞ぐことは簡単ではない、という方向の話ですが、これも道の種別と個別の事情によります。相手から通行を止めると言われた場合でも、その場で結論を受け入れず、市の窓口へ道路の扱いを確認し、そのうえで弁護士へ相談するという順番を守ってください。

時間の見積もりも先に立てておきます。共有者の調査に数週間から数か月、承諾のやり取りにさらに数か月、裁判所の手続きが入ればもっとかかります。売却の予定がある場合は、承諾を待ってから売り出すのか、状況を開示したうえで先に売り出すのかを早い段階で決めることになります。どちらを選ぶにしても、途中経過を記録しておけば、買主候補への説明資料としてそのまま使えます。

  • 共有者の一覧を作り、たどれた人と届かない人を分ける
  • 実家側の相続登記の状況を先に整える
  • 承諾を求める範囲と優先順位を決めてから接触する
  • 掘らずに済む工法があるかを担当課と工事店へ聞く
  • 調査と交渉にかかる期間を売却の予定と突き合わせる
相手方の状態と、次に取りうる一手
相手方の状態次に取りうる一手主な相談先
共有者が数人で、全員の連絡先が分かる対象地番と依頼内容を一枚にまとめ、通行と掘削を一括で相談する自分たちで着手し、書面づくりは司法書士へ
共有者が十数人に分かれている一覧を作り、優先順位を決めて順に接触する。窓口役を一人に固定する司法書士(調査と書面)、地元の不動産業者
登記の住所に届かない共有者がいる住民票の除票や戸籍の附票による追跡を委任し、たどれた範囲を記録する司法書士、弁護士
所有者がすでに亡くなっている戸籍から相続人を確定する。実家側の相続登記も並行して進める司法書士。制度の概要は法務省の案内
どうしても所在が分からない共有者がいる裁判所の手続きを使えるかを確認する。要件と費用は事案による弁護士、司法書士
承諾が集まる見込みが立たない掘らずに済む工法や別ルートの引込が可能かを現地で見てもらう市の水道・下水の担当課、指定給水装置工事事業者

売るときにどう説明し、価格にはどう出るのか

私道の持分がない実家は、売れない家ではありません。ただし、説明できる状態にしてあるかどうかで、買い手の幅も条件も変わります。最後に、売却の場面での扱いを整理します。

売買の手続きのなかで、私道は必ず表に出ます。宅地建物取引業者が買主へ行う重要事項説明では、私道に関する負担に関する事項が説明の対象とされています。持分があるのかないのか、通行と掘削の承諾があるのか、維持管理の費用をどう分担してきたのか。ここを空欄のまま契約に進むことはなく、資料が足りなければ仲介業者が調査を行います。売主が先に用意しておけば、その日数を短くできます。

買主の側で最初に効いてくるのは、住宅ローンの扱いです。金融機関によっては、私道の持分がないことや掘削の承諾書がないことを担保の評価に反映させ、融資の条件が変わる場合があります。扱いは金融機関ごとに違うため、一律にこうなるとは言えません。結果として、現金で購入する方や、条件を理解している事業者が買い手の中心になることがあります。買い手の層が狭まれば、売り出しから成約までの期間は延びやすくなります。

価格への出方は、二つに分けて考えると分かりやすくなります。ひとつは、承諾書を取れば消える減価。もうひとつは、承諾を取っても残る減価です。前者は掘削承諾の有無や書面の不備といった、手続きで埋められる部分。後者は道幅が狭くて工事車両が入らない、持分そのものを取得できる見込みがないといった、条件として動かせない部分です。売り出し前に手を打つ価値があるのは前者だけで、後者は価格や引渡し条件で調整することになります。

そのため、売り出しの前にそろえる資料の順番も決まってきます。私道部分の登記事項証明書、公図、市の建築窓口から得た道路種別の回答、過去の承諾書の原本または写し、上下水道の引込の状況が分かる資料。これらが一組になっていれば、仲介業者は説明の材料をそのまま使えますし、買主側の金融機関へ渡す資料としても機能します。査定を頼む前にここまで整えておくと、提示される条件の前提がそろいます。

隠さないことが、結果的にいちばん安全です。持分がない、承諾書が見つからない、共有者の一部と連絡が取れない。こうした事実は、伏せて売っても引渡し後に必ず表面化します。買主が水道工事に着手できないと分かった時点で、契約の内容と食い違うとして責任を問われる場面になりかねません。分からないことは分からないと書き、いま照会中であればその旨を残す。この扱いが売主自身を守ります。

買い手の候補として、隣接地の所有者を最初に思い浮かべる方は多いと思います。私道に持分を持っている隣家であれば、承諾の問題がそもそも生じないため、他の買い手より条件を出しやすい立場にあります。ただし、隣同士の売買は金額の話が近所づきあいに直結します。仲介業者を間に入れて、価格の根拠と契約の条件を書面でやり取りする形にしておくほうが、後々の関係が保てます。

更地にしてから売るという選択には、順番の注意があります。建物を壊してしまうと、再建築の可否が前面道路の扱いに全面的に左右されることになり、判断の材料が減ります。道路種別の回答と接道の状況を確かめる前に解体を決めるのは、後戻りのできない選択です。空き家の状態が悪くて急いでいる場合でも、道路まわりの確認と解体の見積もりは同時に進め、着工の判断は回答がそろってから行ってください。

販売のための図面や広告に何を載せるかも、早い段階で仲介業者と相談してください。私道の負担がある場合はその面積や持分、再建築の可否についての表示、掘削承諾の状況。ここを曖昧にしたまま反響だけを集めても、詳しい話をした時点で断られる往復が増えるだけです。最初から条件を出しておけば、問い合わせの数は減りますが、実際に検討できる相手が残ります。売り出し期間の見込みも、その前提で立て直すことになります。

売らずに当面持ち続ける、あるいは貸すという選択と比べる場面もあります。持ち続ける場合でも、給湯器の交換や水回りの更新で私道を掘る工事はいずれ出てきますし、貸すなら入居者が通行することへの了解も要ります。承諾の問題は先送りしても消えず、相手の代替わりでかえって難しくなることがあります。今すぐ売らないと決めた場合でも、共有者の一覧と道路種別の回答だけは作っておくと、次に動くときの出発点が変わります。

最後に、決める順番をもう一度置きます。相手を確定し、道路の種別を確かめ、承諾の有無を書き分け、取れるものは取り、取れないものは開示する。そのうえで、売るのか、貸すのか、当面そのままにするのかを比べる。価格の話はいちばん最後です。この順番を守るほど、家族のあいだで意見が割れる場面が減ります。判断の材料が同じ紙の上にそろっていれば、離れて暮らす兄弟姉妹とも同じ前提で話せます。

  • 私道の登記事項証明書と公図を売り出し前にそろえる
  • 道路種別の回答を書面またはメモで残す
  • 承諾書の原本の所在と承継の定めを確認する
  • 承諾で消える減価と、残る条件を分けて把握する
  • 分からない項目は伏せず、照会中として開示する
  • 解体の判断は道路まわりの回答がそろってから行う

図3承諾書の有無と、持分取得の見込みで構えを決める

承諾書の有無と、持分取得の見込みで構えを決める売り方を比べる前に、自分の実家がどのマスにいるかを決めます。マスが違えば、同じ売却でも準備にかける時間と、買い手として想定する相手が変わります。左上ほど普通の売却に近く、右下ほど条件を開示したうえでの売却になります。横軸=通行・掘削の承諾書がそろっているか / 縦軸=持分の取得や地役権の設定が見込めるか承諾書がある(承継の定めも確認済み)承諾書がない・内容を確認できない持分取得や地役権設定の見込みがある通常の売却に近い形で進める資料を一組にして査定へ。私道の負担の説明が用意できているぶん、買主側の検討が早い。急いで持分を買い足す必要は必ずしもない。先に承諾書を取ってから売り出す相手が確定していて話が通じるなら、数か月かけてでも書面を先に整えるほうが条件は動きやすい。工事の予定と合わせて依頼する。共有者が多数・不明で見込みが立たない書面の範囲を明示して売る承諾がどこまでを支えるのかを文章にして開示する。再掘削や承継の記載がない場合は、その点も伏せずに資料へ載せる。現況のまま、開示を厚くして売る調査でたどれた範囲と未確認の範囲を一覧にして渡す。買い手は事業者や隣接地の所有者が中心になりやすい。解体は判断を保留する。どのマスにいても、隠して売るという選択肢だけは取らない。引渡し後に必ず表面化する。
売り方を比べる前に、自分の実家がどのマスにいるかを決めます。マスが違えば、同じ売却でも準備にかける時間と、買い手として想定する相手が変わります。左上ほど普通の売却に近く、右下ほど条件を開示したうえでの売却になります。

このページ固有の確認メモ

ここからは「私道に面する実家で持分がないとき|通行・掘削承諾の確認」で特に確認したい内容を、事実、避けたい判断、手元資料に分けて示します。すべてを一度に終える必要はありません。確認できた項目には日付と根拠を添え、分からない項目には担当者と再確認日を付けてください。家族が別々の時間に作業しても、同じ一覧へ戻れる状態を目指します。

確認しておく事実

この欄は、方針を決める前に共有したい事実です。家族の記憶だけで確定せず、通知書、契約書、公式ページ、撮影日が分かる写真など、確認に使った根拠を隣へ書きます。該当しない項目も削除せず「該当なし」とした理由を残すと、後から同じ調査を繰り返さずに済みます。

  • 私道の所有権と、建築基準法上の道路にあたるかは別の層にある
  • 通行の承諾と掘削の承諾は別に扱われ、書面も別に要ることが多い
  • 承諾書は対象地番・再掘削の可否・承継の定めまで読む
  • 承諾を出せるのは所有者だけで、行政の回答は代わりにならない
  • 相手に頼む前に、実家側の相続登記の状況を整えておく
  • 所在の分からない共有者については裁判所の手続きを使う制度がある
  • 掘らずに済む工法が使えれば、承諾が要らなくなる場合もある
  • 解体は、道路種別の回答がそろってから判断する

避けたい判断

この欄に当てはまる可能性があるときは、契約や処分をいったん止めます。一般例を対象の家へ当てはめたのか、資料で確かめたのかを区別し、不足情報を質問へ直してください。法務、税務、測量、建物、行政など別分野の判断が必要なら、回答できる相談先へ切り分けます。

  • 毎日通れているという理由だけで、権利があると考える
  • 通行の承諾書があれば掘削もできると思い込む
  • 承諾書の承継の定めを確認しないまま売買に進む
  • 亡くなった親の名義のままで、私道の所有者へ承諾を求める
  • 共有者の一部にだけ話を通し、残りを後回しにする
  • 承諾料の金額を近隣の噂だけで決めてしまう
  • 持分がないことを伏せたまま売り出す
  • 再建築の可否を確かめる前に解体を決める

手元で探すもの

見つけた資料には名称、発行年、原本の保管者を記します。古い資料も経緯を知る手掛かりになるため、最新版と違うだけで捨てないでください。見つからない場合は空欄にせず、再取得できるか、誰に所在を尋ねるか、いつ再確認するかを決めると次の相談準備になります。

  • 実家の地番(課税明細で確認)
  • 私道部分の地番と筆の数
  • 私道の所有者と共有持分の一覧
  • 前面道路の建築基準法上の種別
  • 位置指定道路の指定図の有無
  • 通行の根拠(権利・承諾・慣行の別)
  • 掘削承諾書の有無と対象範囲
  • 承諾書の承継と再掘削の定め
  • 上下水道の引込経路と管の状態
  • 私道の維持管理と費用分担の取り決め
  • 実家の相続登記の状況
  • 共有者とのやり取りの日付と回答範囲

よくある質問

何十年も同じ私道を通っています。持分がなくても通行の権利は認められますか

長年通ってきた事実は手がかりになりますが、それだけで権利が確定するわけではありません。通行の根拠が登記された地役権なのか、書面のある承諾なのか、口約束なのか、事実上の慣行なのかを書き分けてください。建築基準法上の道路にあたる私道については通行の利益が保護されうるという考え方もありますが、事案ごとの判断になります。妨害を受けている段階であれば弁護士へ相談してください。

通行の承諾書は持っています。それで水道の工事はできますか

通行の承諾と掘削の承諾は別に扱われるのが一般的です。掘削は他人の土地に穴を開けて管を埋める行為で、所有権に及ぶ範囲が違うためです。工事の申請で求められる書面の様式と記載範囲は、市の水道・下水を担当する課と、施工する指定給水装置工事事業者へ着工前に確認してください。手持ちの書面に掘削の記載がなければ、改めて取り直すことになります。

私道の共有者の一部と連絡が取れません。売却はあきらめるしかありませんか

あきらめる話ではありません。まず、たどれた範囲と届かなかった範囲を記録して一覧にします。所在の分からない共有者について、裁判所の手続きを使える制度が近年設けられており、使えるかどうかは弁護士や司法書士が判断します。並行して、掘らずに済む工法や別ルートの引込が可能かを担当課へ確認する道もあります。現況のまま開示を厚くして売るという選択も残ります。

承諾料はいくらくらい払うものですか

一律の基準はありません。無償で応じてもらえることもあれば、金額を求められることもあり、地区の慣行や過去のいきさつで幅が出ます。この記事で相場をお示しすることはできません。近い事例の範囲を知りたい場合は、その地区で扱いのある不動産業者や、私道の案件を扱った司法書士へ尋ねてください。支払うと決めたときは、承諾書と支払いの記録を一組で保管してください。

持分がないと、実家は売れないのでしょうか

売れない家ではありません。ただし、住宅ローンの扱いが金融機関によって変わることがあり、買い手の層が狭くなる場面はあります。承諾書をそろえれば消える不利と、道幅など条件として残る不利を分けて考えてください。前者は売り出し前に手を打つ価値があります。いずれの場合も、分からない項目を伏せずに開示することが、引渡し後の紛争を避ける最短の道です。

ふじがおか実家カルテでは、どこまでやってもらえますか

住所を起点に、公開情報と手元資料を確認の順番へ整理するところまでを担います。境界の確定や測量、建築の可否の判断、登記や交渉の代理、税額の計算は行いません。私道の案件では、公図と登記から相手を特定する下ごしらえと、どの窓口や専門家へ何を聞くかの割り振りが中心になります。最終判断は該当する専門家または公式窓口へお渡しします。

公式出典・確認先

制度や受付条件は変わることがあります。最終判断の前に、リンク先の最新情報と担当窓口を確認してください。

  1. ふじがおか実家カルテ|住所で分かること(fudosan.atawi.link)カルテで整理する範囲と、現地・専門家確認が必要な範囲を確認確認日:2026-08-27
  2. 法務省|相続登記の申請義務化について(www.moj.go.jp)相続登記の基本的義務、遺産分割成立後の追加的義務、経過措置を確認確認日:2026-08-27
  3. 法務省|相続人申告登記について(www.moj.go.jp)遺産分割がまとまらない場合の申告登記と必要書類を確認確認日:2026-08-27
  4. 磐田市|大雨への備え(www.city.iwata.shizuoka.jp)磐田市ハザードマップ、洪水・冠水情報への公式入口を確認確認日:2026-08-27
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大石 浩之

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士(静岡県知事 第027186号)。静岡県磐田市見付を拠点に、磐田市・袋井市・森町・掛川市・菊川市・御前崎市・湖西市・浜松市で、相続不動産・空き家・実家じまいの相談に対応。家族が次に確認する事項を、判断を急がず、地域の実務と公的情報を分けながら整理しています。