買換え特例は非課税?2027年期限と将来の税
2026年10月24日|カテゴリ:売却・買換えと税

この記事の要点
Q. 家を買い換えれば、売った利益の税金はなくなりますか?
特定の居住用財産の買換えの特例は、要件を満たす譲渡益への課税を将来に繰り延べる制度です。非課税になる制度ではありません。国税庁の現行案内では売却期限は2027年12月31日です。当面の手残りと、買換え先を将来売る際の計算を税理士に確認します。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。自宅を売って、管理しやすい家へ住み替える。その相談で「特例が使える」と聞くと、税金が消えるように感じるかもしれません。私は、今回の資金繰りと、次の家を売るときの計算を別々に説明したいと考えます。国税庁の本文を2026年10月24日に確認しました。
買換え特例は、非課税ではなく課税の繰延べ
特定の居住用財産の買換えの特例は、一定の要件のもとで譲渡益への課税を将来へ繰り延べる制度です。国税庁No.3355は、非課税となるわけではないと明記しています。譲渡益とは、売却代金そのものではなく、取得費や譲渡費用などを差し引いて求める利益です。
国税庁の案内は2026年4月1日現在の法令等を基準とし、売却期限を2027年12月31日としています。これは現行案内の期限です。ページの公表日や、延長が決まった日を示しているわけではありません。本記事では、いつ何年間延長されたかという経緯は扱いません。
意外なのは、次の家を売るときに、前の家の利益が計算へ関わることです。売却が終わったから前の契約書は不要、と考えると資料が切れてしまいます。私は、今回の申告が終わった後も、取得と売却の資料を次の家の資料につなげて保管する方がよいと考えます。
二つの時点で、家族のお金を分けて考える
買換え特例を使った場合の資金整理は、今回の売却・購入と、買換え先の将来の売却という二つの時点で行います。今回の売却で課税が繰り延べられても、将来の計算から利益が消えるという意味ではありません。税額の確認は税理士に任せ、家族側では資料をつなぐ準備をします。
私が商売の段取りとして気にするのは、住み替えの際に実際に使えるお金です。売却額の全額を次の購入へ回せるとは限りません。ローンの返済、売却費用、引越しなど、支払う時期が別々にあります。税の繰延べの話だけで予算を決めず、売却額と手残りの分け方も一緒に確認します。
数字の翻訳として、家族用の表を二つに分ける方法を提案します。今の表には確定した代金や見積りを入れ、将来の表には保管すべき資料と未確定の項目を入れます。将来の税額を現在の税率だけで決め打ちする必要はありません。未計算の欄をゼロ円と書かないことが肝心です。
| 今回の売却・購入 | 買換え先を将来売るとき |
|---|---|
| 契約額と支払日を確認 | その時点の売却条件を確認 |
| 特例の適用と申告を相談 | 繰り延べた利益の扱いも相談 |
| 前の家と次の家の資料を保管 | 以前の申告資料も税理士へ提示 |
国税庁の説明例では、1,000万円で取得した家を5,000万円で売り、7,000万円の家へ買い換えます。差額4,000万円の利益への課税が繰り延べられます。その次の家を8,000万円で売ると、今回の差額1,000万円だけでなく、繰延べ分4,000万円も加えた5,000万円が譲渡益になる説明です。
この例は説明を簡単にするため減価償却などを考慮していません。家族の実際の税額を計算した例ではなく、国税庁の制度説明です。私なら「次の家で増えた1,000万円だけの話ではない」と言い換えます。以前の家の取得資料も残す理由が、金額で見えるからです。
2027年の期限だけでは、適用を判断できない
国税庁が示す買換え特例の条件には、居住期間10年以上、売った年の1月1日時点で家屋と敷地の所有期間が共に10年を超えることなどがあります。「10年間持っていた」と「10年間住んでいた」は別の条件です。売却代金は1億円以下という要件もあります。
同じ10年という言葉でも、資料では居住期間が「以上」、所有期間が「超」となっています。私は家族の記憶だけで丸めず、取得時期と住んだ時期を分けて確認するよう案内します。以前に住んでいた家や取り壊した敷地にも条件があるため、家の使い方が変わった日も書き出します。
買換え先を取得する期間は、売った年の前年から翌年までの3年間です。入居期限は取得時期によって異なります。新しい家の床面積や土地面積、建物の条件、他の特例との関係も確認が必要です。ここに挙げた年数と金額だけを満たせば使える、と判断しないでください。
売却の期限と、購入・入居の日程を別の欄にして税理士へ見せます。先に売るか先に買うかの資金面は、住み替えの売り先行・買い先行の記事に整理しています。契約の順序を決める相談と、税の要件を確認する相談を行き来させる必要があります。
小さな家へ移る場合は、購入額も照合する
売却代金より安い家へ買い換える場合は、全額が同じように繰り延べられるとは限りません。国税庁No.3355は、売却額より少ない金額で買い換える場合をNo.3358へ分けて案内しています。基本的な制度説明を、そのまま各家庭の計算式にしないでください。
私なら、小さな住まいに移りたい家族には、家の広さだけでなく購入額を確かめます。暮らしを小さくすることと、税の対象になる金額を小さくできることは同じではありません。売却額、買換え先の購入額、諸費用をそろえ、今回どの部分に課税が生じるかを確認します。
売却で利益が出る場合と、損失が出る場合も制度が違います。名前に「買換え」が入るからといって一緒には扱えません。損失が見込まれるご家族は、マイホーム売却損の特例を入口に、今回の利益の繰延べとは別の相談として整理してください。
繰延べの良い点と、私が迷うところ
買換え特例の良い点は、要件を満たす場合、譲渡益への課税を将来へ送れることです。私は、住み替え時点の資金を考えるうえで検討する価値がある仕組みだと評価します。ただし、適用できる場合に限る話であり、誰にでも有利だという評価ではありません。
そのうえで注文したいのは、説明の終点です。「今年の納税がなくなる」で止まると、家族は将来の計算を忘れやすくなります。今年払わない税と、払わなくてよい税を、私は同じ手残りとして説明しません。特例を使った経緯と資料の場所まで、次の担当者が分かるようにしておきたいと考えます。
私は、当面のお金を残す方がよいか、別の特例を選ぶ方がよいかで迷う場面があると考えます。家族の資金需要も、次に売る時期も同じではないからです。その迷いを「お得」という一言で消さず、税理士による比較の結果と家族の暮らしの予定を並べて判断したいと思います。
磐田・袋井で、まず四つの日付を並べる
磐田市・袋井市の自宅を買い換えるご家族は、取得した日、住み始めた日、住まなくなった日、売却予定の日を整理してください。地元の相場がどう動くかを予想するより、手元の契約書と生活の記録をそろえる方が、この制度の相談には直接役立ちます。
まだ住んでいる場合は、退去予定を確定日と混同しないように書きます。買換え先が未定なら購入額も未定で構いません。今日売ると決める必要はありません。私は、日付と金額が分かる資料を持ち、契約前に税理士へ適用条件と選択肢を確認するよう案内します。
磐田市・袋井市では、介護施設の運営から不動産事業を始めた富士ヶ丘サービスのような地域密着の会社に相談するという選択肢があります。
よくある質問
個別の契約や相続関係がある場合は、資料をそろえて確認します。
- 買い換えるだけで、特例を自動的に使えますか?
- 買換えをしただけでは適用は決まりません。国税庁は居住期間、所有期間、売却代金、取得・入居時期などの要件を定め、確定申告の手続も案内しています。売った家と買う家の資料をそろえて確認してください。特例を使えることと、その家族に有利な選択であることも別なので、税理士と比較して決めます。
- 売却額より安い家へ住み替える場合も、全額繰延べですか?
- 安い家へ買い換える場合は、売却額以上で買い換える場合と計算が異なります。国税庁No.3355はこの場合をNo.3358へ分けて案内しています。本記事の図や基本説明を、そのまま全額繰延べの計算として使わないでください。売却額と購入額を並べ、どの部分に当年の課税が生じるかを税理士へ確認します。
- 2027年末までに新居へ入居しなければいけませんか?
- 2027年12月31日は、国税庁の現行案内にある売却の期限です。買換え先の取得期間や入居期限とは区別します。取得期間は原則として売却年の前年から翌年までで、入居期限は取得した時期によって異なります。契約日だけで満たしたと考えず、取得と実際の入居予定を含む日程表を税理士に確認してください。
売ると決める前の資料整理から
実家カルテで名義・道路・境界を整理し、実家じまい相談室で次の段取りを確認できます。相続の資料は相続はじめ相談室もご利用ください。
富士ヶ丘サービス株式会社|0538-31-3308
参考にした公式情報
出典の本文を2026年10月24日に確認しました(2026年10月確認)。
本記事は2026年10月24日に確認した公式資料を基にした一般的な説明です。制度・数値・手続は変わる場合があります。重要事項・税務・登記・相続・契約の個別判断は、税理士・司法書士・弁護士・宅地建物取引士など各分野の専門家に確認を。
