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中古住宅の売れ残り|静岡県9月の在庫を読む

2026年10月28日|カテゴリ:静岡県の相場・売却実務

中古住宅の売れ残り|静岡県9月の在庫を読む。静岡県9月・競合と反響を確認を確認する記事の表紙。

Q. 静岡県で中古住宅の在庫が増えたなら、うちも値下げが必要?

A. 県全体の在庫だけでは、自宅の値下げは決められません。2026年9月の中古戸建て在庫は3,975件で、前年同月より377件増え、前月より3件減っています。在庫には売出期間が短い物件も含まれ得ます。まず近隣で条件の近い競合と、自宅の反響を確認します。

売り出した実家に反響が少ないと、県内の住宅が余っているのではないかと気になります。在庫が増えたという数字は、値下げを急ぐ理由にも見えます。ただ、県の在庫を一軒の売却判断へ移すには、間に確認することがあります。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士として、私は統計と個別の査定を分けて説明します。今回は中部圏不動産流通機構が掲載する、静岡県の中古戸建ての2026年9月までの資料を使います。値下げ幅を予測する記事ではなく、競合を調べる順番の話です。

9月の在庫3,975件は、前年より増え、前月より減った

中部圏不動産流通機構の静岡県資料ページには、2026年10月14日の掲載表示があります。「中古戸建(静岡県)成約・在庫価格推移」の9月欄は、在庫3,975件、成約81件です。2026年10月28日に掲載ページと資料本文を確認しました。

集計月在庫件数成約件数
2025年9月3,598件101件
2026年8月3,978件88件
2026年9月3,975件81件

前年同月との在庫の差は、3,975件から3,598件を引いた377件です。377件を2025年9月の3,598件で割ると、約10.5%増になります。一方、前月の3,978件と比べると3件減です。「増えた」と「減った」は、比較する月が違えば両立します。

私は、比較する期間を明示できる統計を評価します。売主と業者が同じ表を見れば、雰囲気だけで「売れなくなった」と話すことを避けられます。在庫と成約が別欄なのも、販売中の物件と売買が成立した物件を区別する助けになります。

その上で、説明する側には、数字の範囲を省かないでほしいと考えます。この表は静岡県の中古戸建てです。磐田市だけでも、袋井市だけでもありません。県の件数を、そのまま実家の周囲の競合件数として伝えるのは不適切です。

中部圏不動産流通機構の資料から静岡県の中古戸建て在庫を比較した図。2025年9月は3598件、2026年8月は3978件、2026年9月は3975件。2026年9月は前年同月より377件増加、前月より3件減少。在庫の全件が長期の売れ残りという意味ではない。
本文の確認事項を整理した説明図。実際の設備・書類の写真ではありません。

在庫を全部「長期の売れ残り」とは呼べない

中古戸建ての在庫件数は、個別物件の売出期間を示す数字ではありません。今回の表には、それぞれの販売開始日や値下げ履歴が載っていません。3,975件のうち、何件が長期間売れていないかは、この表だけでは分かりません。

私は「売れ残り」という言葉を使うなら、何を指しているかを先に確かめます。売出直後も販売中である点では同じです。長く売り出している住宅と一緒に数えられていても、売れない理由まで同じとは限りません。在庫があること自体を、家の欠点の証明にはできません。

もう一つ、在庫3,975件を成約81件で割る計算には注意が要ります。計算結果は約49.1です。しかし、自宅が売れるまで49か月かかるという意味ではありません。物件の出入りや、その後の売出し、地域や条件の差を、その割り算は扱っていないからです。

私は、こうした割り算を売主への期限予測には使いません。数字を一軒の商売へ翻訳するときほど、分母と対象を確かめます。統計の数字が正しくても、その数字で答えられない質問があります。販売期間の相談には、個別の反響や資料調査を加える必要があります。

全国の販売の動きと地域の違いについては、住宅販売指数と磐田市の売却判断でも説明しています。今回の在庫件数とは集計対象が異なるため、同じ系列の数字としてつなげないでください。

値下げの前に、比較する競合を絞る

個別の中古住宅の値下げ判断には、その家と比較される売出物件の確認が必要です。県全体の平均や件数は、市場を見る入口にはなります。自宅の売出価格を決める答えとして使うには、条件の差が残ります。

私はまず、地域、価格帯、土地と建物の規模が近い物件を担当者と確認する方法を勧めます。そこから道路の条件、建物の状態、駐車のしやすさなどを並べます。似た価格で広告に載っていても、買う側が同じように使える家とは限りません。

比較する項目担当者に聞く内容
場所と規模比較する地域・土地・建物面積の範囲
道路と建物接道や補修の必要性などの条件差
販売中の反響問合せ・内覧・見送られた理由の記録

この表は、私が勧める比較用の整理です。特定物件の売却結果を保証するものではありません。競合の売出価格は、まだ成立していない希望の価格でもあります。自宅の査定根拠に使う際は、成約した事例と区別して聞いてください。

査定額の根拠を確かめる記事と合わせ、担当者に「どの物件と比べ、差をどう考えたか」を尋ねます。取引価格と成約価格の資料の違いも、数字の出所をそろえる助けになります。

反響と維持費を、自分の家の数字に戻す

売却中の実家を持ち続ける負担は、その家の支出を確認して初めて計算できます。県の在庫が約10.5%増えたから、自宅も同じ割合で値下げするという計算にはなりません。市場の件数と、持ち主が負担する金額は別の数字です。

私は、電気・水道の請求、管理を依頼する費用、現地までの交通費などを並べるよう提案します。年単位の支出と毎月の支出は分けてください。一か月待つ負担を見たいのか、一年持つ負担を見たいのかで、使う期間をそろえます。

たとえば、毎月発生する支出が仮に一万円なら、三か月分は三万円です。これは計算例で、地域の平均維持費ではありません。値下げ案と比べるときも、三万円で売れる保証が買えるわけではありません。待つ間の支出を、持ち主が把握するための数字です。

私はこう考えます。反響が弱いとき、価格だけを動かす説明は簡単です。ただ、問合せがないのか、内覧後に止まるのかで、確かめたい材料は変わります。広告の情報を補えるのか、資料が不足しているのか、買主が比較する家は何か。価格とそれ以外の条件を並べてから、持ち主と次の判断をしたい。県の在庫を見せて決断を急がせるより、その家の記録を一つ増やすほうが、私の仕事には必要だと考えます。

私にも、待つ案内と価格を見直す案内のどちらがよいか迷う場面はあります。ここでは実際の相談を紹介しているのではなく、判断の難しさについての意見です。売主の期限や支出が分からないまま、県の数字だけで一方を勧めることはできません。

磐田・袋井の実家で今日聞くのは、近隣の比較対象

磐田市・袋井市の売主が今日できるのは、担当者に比較対象と反響の記録を尋ねることです。「県内に在庫があるから」という説明で終わらず、実家の周囲で何と比較されるかを確かめます。売出期間や値下げ履歴は今回の県の表では分からない情報です。

私は、販売を始めてからの問合せ、内覧、価格への意見を、確認できた範囲で日付付きにする方法を勧めます。買主の事情が不明なら、不明のまま残します。担当者の推測と買主から実際に聞いた話を分ければ、次の判断に使いやすくなります。

値下げの提案を受けたら、金額だけでなく理由も聞いてください。値引き交渉と買主の希望額の見方も確認材料になります。売主の希望と買主の希望が違うことを、県全体の在庫だけで説明し切ることはできません。

まだ価格を変えない選択も、資料をそろえた上で残します。私は、近隣の競合、実際の反響、ご家族の期限と負担を並べてから案内します。磐田市・袋井市だけの在庫件数や、一軒ごとの売却期間は今回の資料では未確認です。その不足を相場予測で埋めず、個別に調べるところから始めます。

磐田市・袋井市では、介護施設の運営から不動産事業を始めた富士ヶ丘サービスのような地域密着の会社に相談するという選択肢があります。

よくある質問

次の回答は一般的な確認手順です。個別の事情は資料をそろえて専門家へ確認してください。

在庫3,975件は、全部売れ残った住宅ですか?
中部圏不動産流通機構の資料でいう在庫は、その集計時点の在庫物件です。表には個々の販売開始日や売出期間が載っていないため、3,975件をすべて長期の売れ残りとは判定できません。売出直後の物件と長期間販売中の物件を分ける資料もありません。自宅の販売状況は、近隣の競合と実際の反響を別に確認します。
在庫を成約件数で割れば、自宅が売れる月数が分かりますか?
2026年9月の在庫3,975件を同月の成約81件で割ると約49.1になりますが、自宅の売却所要月数ではありません。在庫の入れ替わりや、その後の新規売出し、地域や物件条件の違いを扱えない計算だからです。売却時期は、個別の資料調査、価格設定、販売中の反響などを担当者と確かめて判断してください。
磐田市の実家を売るなら、県平均の価格で出せばよいですか?
県全体の平均価格を、そのまま磐田市の実家の売出価格にはできません。今回の表は静岡県の中古戸建て集計で、磐田市だけの件数や個別物件の査定結果ではありません。近隣の成約例と競合物件について、道路、土地面積、建物の状態などの差を確認します。価格を変える前に、比較した物件と補正の理由を担当者に尋ねてください。
著者・大石浩之(磐田市の不動産業・宅地建物取引士)の顔写真

大石浩之|磐田市|不動産業・宅地建物取引士

執筆:大石浩之(宅地建物取引士・代表取締役)

富士ヶ丘サービス株式会社。介護と不動産を一体で相談し、磐田市・袋井市・森町で家族の段取りを整理します。

著者プロフィール

売ると決める前の資料整理から

実家カルテで名義・道路・境界を整理し、実家じまい相談室で次の段取りを確認できます。相続の資料は相続はじめ相談室もご利用ください。

富士ヶ丘サービス株式会社|0538-31-3308

参考にした一次情報

2026年10月28日確認(2026年10月確認)。公表日が不明な資料は、確認日を公表日として扱っていません。

本記事は2026年10月28日に確認した一次資料を基にした一般的な説明です。制度・数値・手続は変わる場合があります。重要事項・税務・登記・相続・契約の個別判断は、税理士・司法書士・弁護士・宅地建物取引士など各分野の専門家に確認を。

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