媒介契約の調査あっせん欄、2024年改正
2026年10月30日|カテゴリ:媒介・建物調査

Q. 媒介契約書の建物状況調査のあっせんが「無」でも、調査はできる?
「無」は、契約書上の調査を行う者の紹介についての記載です。調査そのものができないという意味ではありません。国土交通省の標準媒介契約約款は、2024年4月から「あっせん無」の理由欄を設けています。理由と調査の範囲、費用を確認し、依頼するかは別に判断します。
家を売るために不動産会社と結ぶ媒介契約書には、見慣れない欄があります。「建物状況調査を実施する者のあっせんの有無」です。初めて見ると、調査の申込みまで同時に決める必要があるように感じるかもしれません。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士として、私は「紹介するか」と「調査を頼むか」を分けて考えるよう案内します。書面の一文字を見て結論を急ぐより、誰が何を行い、何が分かるのかを先に確かめます。
あっせん欄は、調査する人を紹介するかを書く欄
建物状況調査の「あっせん」は、調査を実施する人や事業者を紹介することです。調査自体は、建物の状態を一定の範囲で調べる作業を指します。紹介の欄と調査の契約書は役割が異なります。
国土交通省の既存住宅流通についての案内によると、標準媒介契約約款は2024年4月1日から改正されました。建物状況調査を実施する者のあっせんを「無」とする場合、理由を記載する欄が設けられています。同じ改正で、調査には限界があり、瑕疵の有無を判定するものではないことなども明記されました。2026年10月30日に国土交通省の案内を確認しています。
| 書面で確かめる項目 | 読み取ること |
|---|---|
| あっせんの有無 | 不動産会社が調査する人を紹介するか |
| 無の場合の理由 | 紹介しない理由がどう記載されているか |
| 調査を頼むか | 別に範囲、費用、日程を確認して決める |
標準媒介契約約款は、国土交通省が示す標準的な契約のひな形です。実際に交わす契約書の書式や記載を確認し、分からない箇所は担当者に説明を求めます。欄の表現だけを見て、実際にどんな紹介を受けられるかまでは分かりません。
私は、理由を書く欄があることを良い点だと考えます。「無」とだけ書かれた書面より、紹介しない背景を尋ねる入口になるからです。持ち主が調査の存在を知り、依頼するか検討するきっかけにもなります。
その上で、理由欄が埋まっていれば説明が終わり、とは考えません。私は、売主が書面を持ち帰って意味を確認できるよう、紹介の有無と、その後に選べる行動を言葉で説明してほしいと思います。記載が短く分かりにくければ、補足を求めて構いません。
あっせん「無」と調査「不要」は同じではない
あっせんが「無」であっても、紹介しないという記載と、調査が不要という結論は別の話です。売主が調査を希望する場合は、担当者に別の探し方や、調査を依頼する際の確認事項を尋ねます。利用できる事業者や日程は個別に確認してください。
私は「紹介しない理由は何ですか」と質問してから、「調査を考えるなら、どんな選択肢がありますか」と続けるよう案内します。二つを分けると、不動産会社側の紹介の話と、売主側が調査を検討する話が混ざりません。
逆に、あっせんが「有」であっても、紹介だけで費用や作業範囲まで明らかになるわけではありません。誰が契約相手となるか、費用はいくらか、報告はいつ届くかを確認してから判断します。紹介を受けたことと、調査を依頼することの間には一段階あります。
売却の仲介をどの形で依頼するかは、専任媒介と一般媒介の違いでも整理しています。媒介契約の種類を選ぶ話と、建物の調査を依頼する話を同じ決定として扱わないでください。
建物状況調査で分かることには限界がある
建物状況調査には、調査の対象や方法による限界があります。国土交通省が説明する標準約款の改正では、調査は瑕疵の有無を判定するものではないと明記されました。見えた状態を整理することと、建物に問題がないと保証することは異なります。
瑕疵は、契約の内容に照らして問題となり得る不具合などを考えるときの専門用語です。売主にとっては、調査報告書に何が載り、何が調査の対象外なのかを確かめることが先です。法律上の責任や契約条件は、個別の書面を基に専門家へ確認してください。
例えば、目視できる範囲の報告と、壁の内部まで全て確かめた結果は同じではありません。調査を頼む前に、立入りできる場所、調べられない場所、報告書の内容を質問します。具体的な調査方法や対象範囲は、調査者の説明と契約内容を確認してください。
意外に感じるかもしれませんが、調査を受けたという事実だけでは、どの部分をどこまで見たのか分かりません。私は、報告書の表紙だけではなく、調査範囲と確認できなかった項目も家族で読むよう案内します。
建物の状況を調べる基本は、空き家の建物状況調査も参考にしてください。調査と保険の関係は、空き家売却と保険で別に整理しています。調査を受ければ保険に必ず入れる、という扱いはしません。
費用と日程は、紹介される前に質問する
調査を検討するときは、紹介の有無だけでなく、費用、作業範囲、立会い、報告書が届く時期を確かめます。料金や実施までの日数は物件と依頼先で異なるため、この記事では一律の金額を置きません。見積りの対象を確認してください。
| 確認すること | 質問の例 |
|---|---|
| 契約相手 | 調査は誰に直接依頼しますか |
| 費用 | 料金に出張や報告書の作成は含まれますか |
| 範囲 | 見られない場所は報告書にどう記載しますか |
| 日程 | 立会いと報告書の受領はいつになりますか |
| 利用方法 | 報告書を買主へ見せる際に何を確認しますか |
私は、調査費用を払えば、その分だけ必ず高く売れるとは案内しません。逆に、調査費用がかかるから無駄だとも決めません。売主が知りたいこと、売出しまでに使える期間、依頼する作業の範囲を並べ、家計に照らして比べます。
査定額を検討する際は、査定額と売出価格の違いも確認してください。調査報告書があるかどうかだけで、買い手や成約額が決まるわけではありません。価格の前提と、調査で確認できた範囲を分けて説明してもらいます。
磐田・袋井の実家は、家族が決める順番を残す
磐田市・袋井市の実家を売るご家族には、媒介契約書を手元に置き、調査の紹介欄と理由を読むところから始めるよう勧めます。空欄や意味が分からない言葉には印を付け、担当者に説明を求めます。今日、調査するかを決める必要はありません。
これは私の考えですが、遠方に住む家族が実家の状態を共有する場合、写真や資料だけでは判断しづらい箇所を先に書き出すと、調査を頼む目的が明確になります。家族の誰が現地に行けるか、費用をどう分けるか、報告書を誰が読むか。売却を急がずに決めるためにも、段取りを先に置きます。
私にも迷いはあります。調査費用を抑えたい気持ちと、建物の状態を知っておきたい気持ちは、同じ家族の中に並ぶからです。そこで私は、結果の保証を求めるのではなく、調査の限界を含めて見積りと説明を受け、家族で持ち帰るよう案内します。
今日できることは、媒介契約書の「あっせん」の欄に印を付け、理由と費用の二つを書き出すことです。富士ヶ丘サービスは磐田・袋井で介護と不動産を一体で相談し、家族が困らない売却の段取りを考えます。状況整理には実家カルテも使えます。
よくある質問
あっせんが無なら建物状況調査はできませんか?
あっせんの「無」は、媒介契約書上の調査者の紹介についての記載です。調査そのものが不可能という意味ではありません。理由を担当者に確認し、調査を希望する場合の依頼先や進め方を尋ねます。調査者の対応範囲と日程は個別に確認してください。
調査者を紹介されたら、必ず依頼しますか?
調査者の紹介と調査の依頼は分けて考えます。紹介を受ける場合も、誰と契約するのか、料金、対象範囲、日程、報告書を確認した上で、ご家族が依頼を判断します。媒介契約書や調査の契約条件に不明点があれば、それぞれの担当者へ説明を求めてください。
調査を受ければ欠陥がないと保証されますか?
建物状況調査には調べる範囲や方法による限界があり、瑕疵の有無を判定するものではありません。報告書で確認した項目と、確認できなかった項目を読み分けてください。売買契約上の責任や個別の条件は、契約書を基に専門家へ確認します。
参考にした一次情報
2026年10月30日確認(2026年10月確認)。
制度や契約の条件は変更される場合があります。調査の範囲と条件は依頼先に確認してください。重要事項・税務・登記・相続の個別判断は、それぞれの専門家に確認を。
