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不動産売却の違約金|2つの契約から譲渡費用を確かめる

2026年11月4日|不動産実務

不動産売却の違約金|2つの契約から譲渡費用を確かめるの表紙。二つの契約と支払いを並べる。

この記事の要点

Q. 高く買う人に土地を売り直しました。先の買主に払った違約金はどう扱いますか?

A. 国税庁は、既に売買契約を結んだ土地などを他により高く売るため、先の契約の解除に伴い支払った違約金を譲渡費用の例に挙げています。先の契約額、解除の理由と支払額、次の売価を時系列に並べます。個別の申告は資料を持って税理士に確認を。

違約金を払った理由を、二つの売価の間に置く

不動産の違約金を譲渡費用に入れられるかを考えるとき、通帳の振込額だけでは分からないことがあります。「何のために契約を解いたのか」です。2026年11月4日に確認した国税庁のタックスアンサーNo.3255は、2026年4月1日現在の法令等に基づく案内です。土地や建物を売るために直接かかった費用を譲渡費用と説明しています。

同ページの例には、先に結んだ売買契約を解き、より高い価額で他に売るため、既契約者に支出した違約金があります。読む順番は、先の契約、高い価額で売るという目的、解除に伴う支払いです。解除があった年と新たに買主が見つかった年をカレンダーで隣り合わせにしても、目的までは見えてきません。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。私は、税理士に見せる最初の一枚には「払ったもの」だけでなく「最初に約束したもの」を書くのがよいと考えます。買主も金額も違う契約書が二つあれば、なぜ二つあるのかを説明できて初めて、申告の相談が始まります。

最初の契約書で、売った土地と総額をそろえる

先の売買契約書で見ておきたいのは、契約日、当事者、対象となる土地・建物、売買代金、受け取った手付金です。土地の面積が同じに見えても、一方は建物付きでもう一方は更地渡し、ということがあります。契約の総額だけを二列に並べても、その差がすべて同じ条件の土地の値上がりかは分かりません。

私なら契約書の物件目録に付箋を貼り、二つの契約で地番と枝番、対象の建物、共有持分が一致しているかを見ます。敷地を一部追加した、引渡し条件を変えた、解体費用を売主の負担にしたといった違いは、金額欄に押し込まず余白に書きます。違いを隠さない方が、専門家が判断を返しやすくなります。

先の契約書を失くし、仲介会社から受け取った精算書だけが残っている場合は、書類名と作成日をそのまま伝えます。精算予定表に印刷された金額と、実際に決済した金額は違うことがあります。「この日にこの額で売る予定だった」という資料を「売った記録」と呼ばないことが出発点です。

先の売買契約、売価と契約日、当初の条件を記す。解除と支払い、理由と金額、返した手付を分ける。次の売買契約、売価と契約日、同じ土地か照合する。
二つの契約と支払いを並べる。先の売買契約、売価と契約日、当初の条件を記す。解除と支払い、理由と金額、返した手付を分ける。次の売買契約、売価と契約日、同じ土地か照合する。

解除の合意書と振込記録を別の列にする

解除の書面は、元の契約をいつ、どういう経緯で終え、誰に何を支払う約束をしたかを読み取る資料です。通帳や利用明細は、実際にいつお金が出たかを確かめる資料です。同じ日付でなくても、そのまま二つとも残します。何の記録があるかと、その支払いが税務上どう扱われるかは別々に確かめます。

仮に振込総額が200万円で、その内訳が先に受け取った100万円の返還と、解除に伴って追加で支払った100万円だったとします。売主の口座から出た額は200万円です。しかし、最初の100万円には先に入金された記録があります。200万円全体を一つの「違約金」欄に入れると、最初に預かった金銭の動きが消えます。この数字は説明用の例です。

私なら、支払先ごとに「返した金額」「追加で支払った金額」「書類で内訳を確認できない額」と分けます。相手方に出したお金と仲介会社に出したお金も別の行です。不動産売却の譲渡費用、修繕費との違いでは修繕費など費用の目的を扱っています。手付解除の仲介手数料|磐田の売主の負担はは仲介会社への手数料を確認するための記事です。支払先を取り違えず、該当する部分だけ参照できます。

高い売価と売主が受け取れる額は一致しない

二度目の売買代金が当初より上がっても、口座に残る差額は支払いで変わります。数字を置いた仮の比較です。先の売価を2,000万円、次の売価を2,120万円とすると、売価の差は120万円です。解除に伴う追加の支出を80万円と仮定すれば、この二項目に限った差は40万円です。税額や他の費用を計算した数字ではありません。

同じ例で、二度目の買主から土地の一部の整備も頼まれたとします。代金が上がる一方で、誰がいつ整備費用を持つかは別の合意になります。家計の見込み表には将来払う可能性のある額として残せます。確定していない見積額を、すでに支出した解除の違約金と同じ欄には入れません。

申告でも、「80万円が費用に当たる」と「納める税金が80万円減る」は違います。国税庁が示す譲渡所得の計算は、売った金額から取得費と譲渡費用を差し引くものです。費用はその計算に入れる項目の一つ。手取りの比較表に税金の減額まで先回りして書くと、ご家族に渡す説明の数字が大きく見えてしまいます。

次の買主が現れた時期を、記録の言葉で示す

次の買主からの申込日、次の価格の提示日、先の買主と解除について合意した日、次の契約を結んだ日。これらを別々に書くと、売り直しを決めた時点で何が分かっていたかをたどれます。後日たまたま高い金額で売れた場合と、高く売るために契約を解除した場合を、結果の売価だけでひとくくりにはできません。

国税庁の説明の良いところは、違約金という費目の名前だけでなく、解除から再売却へ至る理由を具体的に挙げていることです。私が手元の資料に加えたいのは「いつ、どの資料で確認したか」の欄です。過去の口頭のやり取りを断定調に直すより、メールのある日と記憶だけの日を分ける方が誠実です。

私が迷うのは、家族の記憶では話がつながっていても、日付を特定できる記録が途中だけ欠けているときです。都合のよい順に並べ替えたメモを新しく作っても、当時の資料にはなりません。空欄には「日付未確認」と書き、どの仲介会社や相手方に控えの有無を聞けるかを書き添えます。

家族に渡す手取り表では、未決済の行を残す

手取りの説明には日付が要ります。二度目の契約書に2,120万円と書いてあっても、契約日に全額が口座へ入ったとは限りません。先に違約金を払い、残代金を受けるのが翌月なら、差引きでプラスでも支払日には現金を用意する必要があります。見込みの差額と、その日に実際に使える残高を別々の行にします。

例えば家族に見せる表を「契約上の約束」「入出金済み」「これから入出金」の三列にします。入金予定は売買契約書、出金済みは金融機関の明細という具合に、横に根拠の書類名を置きます。家族が知りたいのは引越しや別の住まいにいくら使えるかです。収支が合うことだけで、税の扱いまで決まったとは説明しません。

数字を見比べて差が出るときは、振込手数料を相手に支払った金額に足していないか、手付の返還を二重に記入していないかを調べます。不一致が解消しなければ、合計を合わせるための架空の費目は作らず、差額と確認先を記録します。

税理士には封筒を三つに分けて渡す

最初の封筒は元の売買契約書と代金受領の控え。二つ目は解除の通知や合意書、支払ったお金の内訳と金融機関の明細。三つ目は次の買付けの資料、売買契約書と決済の控えです。電子書類なら三つのフォルダーに分け、日付、相手方、書類の名前の順にファイル名を付けても構いません。

解除自体がまだ決まっていない売主は手付解除はいつまで?磐田の売主が読む期限条項で手付解除に関する契約上の期限を先に整理できます。高い申込みが届いたことと、元の契約を一方的に解けることは同じではありません。税の資料は解除できる根拠にはなりません。契約中なら条件と相手方との合意について、先に仲介担当者や弁護士に確認します。

今日するなら、二つの契約書から対象物件と代金を書き写し、その間に一行、実際に解除を決めた理由を書いてみてください。説明しきれない部分に印を付ければ、それが次の相談内容です。私はこの状態で税理士へ渡すよう案内します。申告年や金額を含め、個別の税務判断は専門家に確認を。

よくある質問

解除に違約金と書いてあれば譲渡費用ですか?

書面の名称だけで判断はできません。国税庁が例示するのは、既契約の資産をさらに高く他に売るため、その解除に伴って支払った違約金です。何を売るための支払いだったかを説明できるよう、先の契約書と次の契約書、解除合意書、支払いを示す明細をそろえて税理士に確認します。

振込明細が一枚で、手付金の返還も含んでいます。どう整理しますか?

明細の金額はそのまま残し、別紙に返還分と追加支出分を分けます。最初に手付金を受け取った日と受領額が分かる資料、解除時の内訳が分かる合意書を添えます。内訳が分からない分を違約金と決めず、どこが未確認かを税理士に伝えます。

次の売価が上がれば、解除の理由は書かなくてもよいですか?

高く売れたという結果だけでは、先の契約を解いた理由は読み取れません。次の買付けの提示日と提示条件、解除合意の日を確認します。口頭でしか残っていない箇所は記憶に基づく旨を明記し、日付入りの資料と区別して相談できます。

著者・大石浩之、磐田市の不動産業・宅地建物取引士の顔写真。

執筆:大石浩之(宅地建物取引士・代表取締役)

富士ヶ丘サービス株式会社。磐田・袋井で介護と不動産を一体で相談し、家族が困らない段取りを考えます。

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参考にした公式情報

2026年11月4日確認。

本記事は一般的な情報と筆者の意見です。制度・数値・運用は変わる場合があります。重要事項、契約、税務・登記・相続の個別判断は、担当窓口と各分野の専門家に確認を。