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相続直後の実家管理|鍵・郵便・電気・水道を誰が担うか

相続した実家は、名義が変わる前から毎日ぶんの管理が発生します。鍵は誰が預かるのか、郵便受けに溜まっていく封筒は誰が開けてよいのか、電気と水道の請求はどの口座から落ちているのか。遺産分割の話し合いが終わるまで待とうとすると、その間に建物と近隣関係の側が先に傷みます。磐田市・袋井市・森町のように親族が近くに残っている地域では、たまたま実家に近い一人へ全部が寄りかかり、半年後に不満だけが残ることも起きます。このページでは、担当を決めないまま時間が過ぎた家に何が起きるかを起点に、鍵の管理者の決め方、郵便の扱い、名義を変える必要のある契約、立て替えたお金の精算ルールまでを、決められる順に並べます。目的は、誰か一人の善意に頼らない仕組みを、四十九日のころまでに用意しておくことです。

相続直後の実家管理|鍵・郵便・電気・水道を誰が担うかについて家族が資料を確認し、次の順番を話し合う写真風イメージ

まず結論

無人になった家は、におい、草、雨樋、屋根の順に傷みが進み、同時に口座凍結で公共料金と保険料の支払いが静かに止まります。だから最初に作るのは片付けの計画ではなく、鍵・郵便・契約・費用の四つに担当と記録を与える枠です。鍵は扉ごとに本数と保管者を書き出し、錠前の交換は全員へ伝えてから。役割は現地・支払い・記録の三つに分け、少なくとも支払いと記録は別の人にします。郵便は広告も含めて捨てず、差出人の一覧を育てます。電気・水道・保険・税の窓口には早めに連絡し、当面の支払い役を先に決めます。立替は一件目から台帳へ書き、事前に相談する金額の線を家族で共有しておきます。

相続直後の実家管理|鍵・郵便・電気・水道を誰が担うかで期限を示すピクトグラム
期限相続直後の実家管理で最初に見る「期限」
相続直後の実家管理|鍵・郵便・電気・水道を誰が担うかで相続人を示すピクトグラム
相続人関係者を推測で確定しない
相続直後の実家管理|鍵・郵便・電気・水道を誰が担うかで名義を示すピクトグラム
名義土地建物の登記名義を確認
相続直後の実家管理|鍵・郵便・電気・水道を誰が担うかで資料一覧を示すピクトグラム
資料一覧通知書・遺言・請求書を分けて保管

担当を決めないまま過ぎた三か月に、実家の側で起きること

相続の手続きが止まっている間も、家は日数の分だけ進みます。この章では、放置の初期から半年までに何がどの順番で起きるかを先に見て、どこで手を打てば費用が小さく済むかを判断できるようにします。

相続の手続きは紙の上で進みますが、家は紙の都合に合わせて待ってくれません。遺産分割協議がまとまるまで半年かかったとしても、その半年ぶんの湿気と草と郵便物は確実に積もります。厄介なのは、傷みの初期がほとんど目に見えないことです。三か月ぶりに訪ねて「思ったより荒れていない」と感じても、床下や屋根裏では別の速度で進んでいます。危機感をあおるためではなく、順番を知っておくと、限られた回数の巡回でどこを見ればよいかが決まります。

最初に変わるのは、においと空気です。人が使わなくなった排水口では封水が蒸発し、下水のにおいが室内へ上がってきます。トイレ、洗面台、風呂場、台所、洗濯機の排水口、屋外の掃除口まで数えると、一軒で七か所前後になる家が多いはずです。同時に郵便受けが埋まり始めます。二週間分の広告と請求書で投函口が塞がると、外から見て無人だと分かる状態になります。空気が動かない家では、押し入れと北側の部屋から先にかび臭が出ます。ここまでは、窓を開けて水を流せば戻せる段階です。

一か月を過ぎると、外側が動き出します。遠州の夏は雨と日差しが交互に来るので、庭は数週間で膝の高さまで伸びます。伸びた草は蚊と蛇のすみかになり、隣家の駐車場へ種が飛びます。近所からの最初の一報は、たいてい草か、道路へ張り出した枝のことです。この連絡が誰に来るのかを決めていないと、たまたま近くに住む親族の携帯へ直接かかり、その人が自腹で草刈りを頼み、誰にも言わないまま負担だけが増えていきます。近隣との関係は、建物より先に傷みます。

三か月を越えると、戻すのに費用がかかる領域に入ります。雨樋に落ち葉と土が溜まって溢れ、外壁の同じ場所へ水が当たり続けます。台風で軒天や波板がめくれても、誰も見ていなければそのままです。畳と押し入れの湿気は木部へ移り、白蟻の被害が始まる条件がそろいます。屋根と外壁の不具合は、室内に染みが出たときには下地まで進んでいることが多く、その時点で見積もりの桁が変わります。月に一度の巡回と写真があれば、少なくとも「いつからか」が分かるので、保険の相談も修理の判断も早くなります。

防犯の面でも、時間が経つほど目を引きます。郵便受けが溢れ、夜も明かりが点かず、庭が荒れている家は、外から見て無人だと分かります。敷地の隅へ家庭ごみや家電が置かれる、いわゆる不法投棄は、いったん一つ置かれると増える傾向があります。玄関先のセンサーライトを一つ足す、雨戸を全部閉め切らずに一部屋だけ生活感を残す、郵便受けの表札の扱いを決めるといった小さな手当てで、外からの印象は変わります。何か置かれていたら、片づける前に日付の分かる写真を撮ってください。

同じ時期に、お金の側でも静かな事故が起きます。公共料金や保険料が故人の口座から引き落とされていた場合、金融機関が死亡を把握した時点で口座が凍結され、引落しは不能になります。最初の一、二回は督促のはがきが実家へ届くだけなので、郵便を回収していない家では気づきません。電気やガスが止まると、給湯器の凍結防止や防犯灯まで一緒に止まります。火災保険も、保険料の払込みが途切れれば効力に影響します。止めたつもりのないものが止まっている状態は、放置の中でいちばん見つけにくい損です。

行政の側からの接触もあり得ます。空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、市町は管理が不十分な空き家について助言や指導を行う仕組みを持っています。状態によっては、住宅用地に対する固定資産税の課税上の特例の取扱いが変わる場合があるとされています。ただし、どの段階でどう扱われるかは家ごとに違い、判断するのは市町です。記事や近所の話で決めつけず、心配なら磐田市や袋井市の空き家を扱う窓口へ、住所と現況を伝えて確認してください。連絡した日付と回答の範囲を控えておけば、家族への説明にも使えます。

そして、最も後戻りしにくいのが家族の側の傷みです。近い人が郵便を取り、草を刈り、業者へ電話をかけ、それを当たり前として誰も記録しない。半年後に遺産分割の話になったとき、その人は「自分だけが背負った」と感じ、遠方の相続人は「勝手に進められた」と感じます。どちらも当人にとっては事実で、どちらも防げます。必要なのは公平な献身ではなく、誰が何をいつしたかが後から見える形です。

以上を踏まえると、相続直後に最初に作るべきものは、片付けの計画ではありません。鍵の在りか、郵便の集め方、契約の名義と支払方法、費用の出どころ。この四つに担当と記録の枠を与えることです。四十九日のころには家族が顔を合わせる機会があるので、その日までに枠だけ用意しておくと、以後の連絡が驚くほど軽くなります。次の章から、鍵、郵便、契約、費用の順に組み立てていきます。

  • 最後に人が泊まった日を書き出し、そこから何か月経ったかを数える
  • 近所からの連絡が誰の携帯にかかっているかを確かめる
  • 引落しに使われている口座と、その凍結の有無を確認する
  • 前回いつ現地を見たか、写真が残っているかを家族で共有する

図1無人の実家で、傷みが進む順番

無人の実家で、傷みが進む順番手を入れなかった場合に起きることを、時間の順に並べたものです。前半は窓を開けて水を流せば戻せますが、三か月を越えたあたりから見積もりの桁が変わります。巡回の回数を決めるときは、この順番のどこで止めたいかで考えます。数日封水が抜け、においが上がる排水口の水が蒸発し、下水のにおいが室内へ回る。郵便受けが埋まり始め、外から無人だと分かる状態になる。2週押し入れと北側からかび臭空気が動かない部屋の湿気が抜けず、布団や衣類のにおいが移る。窓を開けて風を通せばまだ戻せる。1か月草と枝が敷地の外へ出る夏場は数週間で膝の高さになる。隣家や道路への張り出しが、近所からの最初の連絡につながる。3か月雨樋が溢れ、同じ場所に水が当たる落ち葉と土が詰まり、外壁の一点へ水が集中する。台風でめくれた軒天や波板も、見る人がいなければそのまま残る。半年室内に染みが出るころには下地まで進む湿気が木部へ移り、白蟻の条件がそろう。屋根と外壁は、気づいた時点で修理の規模が一段上がっていることが多い。並行口座凍結で支払いが静かに止まる公共料金と保険料の引落しが不能になり、督促は実家の郵便受けへ届く。郵便を回収していないと気づけない。この順番を止めるのに必要なのは大がかりな工事ではなく、月に一度の巡回と、その記録を家族が見られる場所に置くこと。
手を入れなかった場合に起きることを、時間の順に並べたものです。前半は窓を開けて水を流せば戻せますが、三か月を越えたあたりから見積もりの桁が変わります。巡回の回数を決めるときは、この順番のどこで止めたいかで考えます。

鍵を数え、現地に行く人・払う人・記録する人を分ける

鍵の本数を数えることは、防犯の作業であると同時に、誰が家に入れるのかを家族へ開示する作業です。管理者は「実家に近い人」で自動的に決めず、現地・支払い・記録の三つに割り当てます。

鍵は、手元にある分だけを数えても意味がありません。入院や施設入居を経ている家では、鍵が驚くほど分散しています。病院や施設に預けたまま返却されていない分、付き添っていた親族が持っている分、訪問介護やデイサービスの事業所へ渡した分、隣家や自治会の役員に預けた分、庭の物置や植木鉢の下に置いてある分。玄関の主錠と副錠で別々の鍵になっている家、勝手口と物置と門扉が別系統の家もあります。まずは扉ごとに欄を作り、本数と現在の保管者を書き出してください。

返ってきた鍵には、誰からいつ返ったのかを付箋で書いて袋にまとめ、袋の中身を並べて一枚撮っておきます。写真があると、後日「あと一本どこかにあるはずだ」という話になったときに、記憶ではなく記録で確かめられます。合鍵を新たに作ったときも同じで、作った日、本数、渡した相手を同じ欄へ足します。管理を続けるほど鍵は増えるので、増えた分の記録がないと本数の把握はすぐ崩れます。

錠前を替えたくなる場面は必ず来ます。誰が持っているか分からない鍵が数本ある状態は、防犯上たしかに落ち着きません。ただ、名義変更前の建物は相続人全員に関わる財産で、一人の判断で他の相続人が入れない状態を作ると、後の話し合いで必ず蒸し返されます。替えるなら、理由と時期を先に全員へ伝え、新しい鍵を誰が何本持つかを同時に決めます。合意を待てない事情があるなら、シリンダーの交換ではなく、既存の鍵をそのまま使える形で補助錠を足す方法もあります。

現地へ行く人が複数いるなら、暗証番号式のキーボックスを門扉や勝手口の目立たない位置に付ける方法があります。鍵の受け渡しのために誰かの家へ寄る手間が消え、急な立ち会いにも対応できます。ただし番号を知っている人が管理者と同じ意味になるので、誰に教えたかを記録し、業者の作業が終わったら番号を変えます。番号を家族の連絡アプリへそのまま書き込むと、後で退会した人の端末にも残る点は気に留めておいてください。

管理者を決めるとき、実家に近い人へ全部を寄せるのが最も壊れやすい形です。現地へ行く役、費用を立て替えて支払う役、記録をまとめて全員へ共有する役の三つに分けると、負担が散り、確認も二重になります。記録役は遠方でもでき、支払い役は当面の資金を出せる人が向きます。三人そろわないなら二役の兼務でも構いませんが、少なくとも支払いと記録は別の人にしておくと、後の精算で説明が楽になります。

巡回の頻度は、月に一度を基準にして季節で足し引きします。五月から九月は草が伸びるので、草の状態だけを見る回を挟みます。台風や大雨の前後は、飛ぶものの片付けと通過後の雨漏り確認で二回分になります。冬は空っ風で北側の配管が冷えるため、給湯器まわりと屋外の露出配管を見ます。年末年始と盆は業者が動きにくいので、その前に一度見ておくと、何かあったときの選択肢が残ります。行った日は、短くても記録に残してください。

一回の巡回でやることは、順番を決めておくと二十分から三十分で終わります。郵便受けを空にする、玄関から各部屋を回って窓を開ける、排水口へ水を流す、天井と壁の染みを見る、分電盤とメーターを見る、屋外を一周して飛ぶものを片付ける、最後に外観を数枚撮る。この順番を紙に書いて玄関の内側へ貼っておけば、代わりに行く人が出ても同じ品質になります。気づいたことは、その場で写真を撮る方がメモより確実です。

巡回そのものを外へ出す選択も、早い段階で検討してよい話です。草刈りは造園業者やシルバー人材センターへ、建物の見回りは空き家の管理を請け負う事業者へ、という分け方があります。費用は敷地の面積、年間の回数、刈った草の処分を含むかどうかで大きく変わるので、同じ条件を書いた紙を用意して二、三社から見積もりを取ると比べられます。家族の誰かが無理を続けるより、外注費を全員で分けた方が結果的に穏やかに収まる場面もあります。見積もりを取ること自体は、依頼を決めたことにはなりません。

  • 扉ごとに鍵の本数と保管者を書き出し、預けたままの分を回収する
  • 返却された鍵と作った合鍵を一つの袋にまとめ、中身を撮影する
  • 錠前の交換は理由と時期を全員へ伝えてから行う
  • 現地・支払い・記録の担当を決め、支払いと記録は別の人にする
  • 巡回の手順を紙に書き、玄関の内側に貼っておく
管理を三つの役に分け、それぞれ先に決めておくこと
役割主にやること向いている人先に決めること
現地担当月一回の巡回、郵便の回収、業者の立ち会い車で一時間以内に住む人巡回の頻度と、行けない月の代わりの人
支払担当公共料金と保険料の立替、業者への支払い当面の資金を出せる人事前に相談する金額の線引き
記録担当台帳と写真の保管、家族への共有遠方でもよい、事務が苦にならない人共有する場所と、更新する間隔
窓口担当近隣・自治会・市町からの連絡を受ける日中に電話へ出られる人連絡先をどこまで開示するか

郵便物は「集める・転送する・止める」を分けて考える

郵便受けは、その家の資産と負債がいちばん早く見える場所です。転送だけで解決しようとせず、集める、扱いを確認する、止める、の三つに分けて手当てします。

通帳を探すより先に、届いている封筒の差出人を並べた方が、どの金融機関と取引があり、どの保険に入り、どこから請求が来ているのかが見えます。だから、相続直後の郵便物は広告も含めて捨てないでください。捨ててよいかどうかを判断できるのは、全体の一覧ができた後です。回収のたびに封筒を月ごとの箱へ入れ、差出人と届いた月を一覧に足していきます。作業としては地味ですが、財産調査の中でいちばん費用がかからない部分です。

一覧は、差出人を種類で分けると使いやすくなります。金融機関、生命保険と損害保険、クレジットカードと信販、市町や県や税務署、電気・ガス・水道、通信と放送、新聞と定期購読、病院と介護事業所、年金や共済、農協、そして個人からの手紙。この分類のどれかが一通も来ていないとき、それは「契約がない」ではなく「まだ見つかっていない」と読むのが安全です。年に一度しか届かない通知もあるので、一覧は数か月かけて育てるものと考えてください。

行政や年金からの通知は、期限が付いているものが混ざるので別の束に分けます。介護保険や後期高齢者医療の資格に関する書類、年金の届出に関する通知、市町からの税の通知、健康診断や予防接種の案内。亡くなった後も、手続きが済むまでは届き続けます。返送すればよいものと、届出が必要なものが混在するため、封筒の表に届いた日を書き、市町の窓口へ相談する分をひとまとめにしておくと、一度の来庁でまとめて片づけられます。分からないものは自己判断で捨てないでください。

よく相談されるのが「郵便を自分の家へ転送できないか」です。郵便局の転居届による転送は、その人が住所を移したことを前提とした仕組みで、亡くなった方あての郵便物をそのまま転送する用途とは性質が違います。相続人だからといって、故人名義で転居届を出す運用を自分の判断で行うのは避けてください。実家あての郵便をどう扱えるかは事情によって案内が変わるため、相続人であることが分かる資料を持って、郵便局の窓口で取扱いを確認するのが確実です。

窓口の回答が出るまでの間も、郵便は届き続けます。現実的なのは、巡回のたびに回収する方法です。遠方で月一回が限界なら、郵便受けを容量の大きいものに替える、投函口の内側に受け皿や袋を付ける、雨が吹き込む向きなら位置を変えるといった手当てで、床に落ちて濡れる分を減らせます。近隣に頼れる方がいる場合でも、他人あての郵便を預かってもらう形になるので、頼み方と保管の負担は無理のない範囲にとどめ、お礼の伝え方も先に決めておきます。

開封の扱いは、家族の中で先に決めておくと揉めません。相続人の一人が開けたこと自体より、開けた後に他の相続人が中身を見られない状態が続くことの方が問題になります。開けた郵便は、金額と期限が分かる面を撮って共有し、原本は封筒ごと保管します。督促や期限のあるものは、その日のうちに全員へ知らせます。中身が個人的な手紙だった場合は、写真は撮らず、差出人と届いた日だけを一覧へ残す扱いにしておくと、後で気まずくなりません。

止める作業は、一覧ができてから始めます。新聞、牛乳や食品の定期便、通販のカタログ、健康食品の定期購入、有料放送、携帯電話やインターネットの回線。契約先の電話番号は、届いた請求書か会員証に載っています。連絡するときは、契約者が亡くなったこと、契約者名と住所、お客様番号、電話をしている人の立場を先に伝えると、その後の案内が早くなります。解約に必要な書類、精算金や解約金の有無は、その電話で聞いて記録に残しておきます。

郵便受けに入らないものにも注意が必要です。書留、簡易書留、本人限定受取、宅配便で届く保険証券や税の通知は、不在が続けば差出人へ返っていきます。返送された通知が届かないまま期限を過ぎると、督促や延滞の扱いになることがあります。不在票が入っていたら、差出人名を控えたうえで、受け取れる人がいるかを家族で確認します。受け取りに書類が要る場合は、窓口で必要なものを聞いてから動く方が、二度手間になりません。

郵便から後になって見つかるものは、思っているより多いです。名前を聞いたことのない金融機関からの残高のお知らせ、共済の割戻金、証券会社の取引報告書、貸金庫の年間手数料、他人の借入の保証人になっていることを示す通知、農地の賃借料の入金案内、使っていない定額サービスの請求。どれも、その一通がなければ気づけません。半年分の郵便を捨てずに残しておくことは、それ自体が相続財産の調査だと考えてください。

  • 広告も含めて捨てず、月ごとの箱に入れて差出人の一覧を作る
  • 故人名義で転居届を出さず、郵便局の窓口で取扱いを確認する
  • 開けた郵便は金額と期限が見える面を撮って全員へ共有する
  • 不在票と返送された通知がないかを毎回の巡回で確かめる
  • 止める契約は、請求書に載っている電話番号から一件ずつ連絡する

図2実家に届く郵便物をめぐる、四つの立場

実家に届く郵便物をめぐる、四つの立場郵便物は「誰のものか」と「誰が拾えるか」がずれます。中心にあるのは相続人全員に関わる情報で、現地の担当者は代わりに拾う役、郵便局は取扱いを判断する側です。この違いを踏まえると、転送で全部を片づけようとする発想から離れられます。実家に届き続ける郵便物資産と負債の索引であり、期限のある通知も混ざる契約先・金融機関・市町住所が変わったことを知らない。宛先が生きている限り、請求も督促も同じ場所へ届き続ける。相続人全員中身は分割の対象や負債の手掛かりになる。一人が開けた後、全員が見られる状態にしておく。郵便局の窓口転送や受け取りの可否は事情によって案内が変わる。相続人と分かる資料を持って確認する。現地の管理担当巡回のたびに回収し、記録役へ渡す。拾う権限と、中身を判断する権限は別だと考える。差し出す関わる取扱いを決める代わりに拾う近隣の方に預かってもらう場合も、あくまで一時的に受け取る役。保管や仕分けまで頼まない。
郵便物は「誰のものか」と「誰が拾えるか」がずれます。中心にあるのは相続人全員に関わる情報で、現地の担当者は代わりに拾う役、郵便局は取扱いを判断する側です。この違いを踏まえると、転送で全部を片づけようとする発想から離れられます。

名義と支払方法を変える契約を、一覧にして順番を付ける

契約は、契約者が亡くなっても自動では消えません。登記の話とは別に、電気・水道・保険・税の窓口へ早めに連絡し、まず「当面の支払い役」を決めます。

相続で名義を考えるとき、まず登記が思い浮かびます。ただ、実際に毎月の暮らしを動かしているのは、電気、ガス、水道、通信、保険といった契約の方です。放っておくと、支払いが止まって供給が切れるか、逆に使っていない契約の基本料金だけが出ていく状態になります。相続登記の期限とは別枠で、契約の棚卸しは早い時期に一度やっておく価値があります。通帳の記帳と郵便の一覧を並べれば、その家にどれだけの契約がぶら下がっているかは半日で見えてきます。

最初に手を付けるのは、名義よりも支払方法です。公共料金の多くは故人の口座からの引落しか、クレジットカード払いになっています。金融機関が死亡を把握すると口座は凍結され、引落しはその時点で止まります。カードも同様に使えなくなります。名義変更の書類がそろうまでには時間がかかるので、当面はどの相続人の口座やカードへ付け替えるかを先に決め、各社へ連絡します。この役を決めておかないと、督促だけが実家へ届き続けることになります。

電気とガスは、供給している会社へ電話します。都市ガスとプロパンでは連絡先が違い、プロパンは供給している販売店が窓口です。水道は市町の上下水道の窓口で、使用者の変更と下水道使用料の扱いを一緒に確認します。ここで迷いやすいのが、止めるか残すかです。巡回で通水し、掃除や封水の補充に使うなら水道は残します。電気も、給湯器の凍結防止、換気、防犯灯、警備機器が動いている家では残す判断になります。使わない設備の個別回路だけを落とす方法もあります。

止め方には、解約と休止という別の扱いがあることも覚えておくと役に立ちます。水道は、しばらく使わない期間の休止を受け付けている市町があり、再開のときの手続きや費用も含めて窓口で聞けます。ガスは閉栓と開栓のたびに立ち会いが要る場合があります。解体や売却を視野に入れているなら、止める順番も変わります。解体の前には電気とガスの引込みを外す作業が必要になるので、工事の予定が立ってから止める方が、二度手間や余分な費用を避けられます。

火災保険と地震保険は、早めに連絡した方がよい契約です。契約者が亡くなった場合の承継の手続きがあり、あわせて、人が住まなくなったことを伝える必要があります。建物の使われ方が住宅から空き家の扱いに変わると、引受けの条件や保険料、対象となる事故の範囲が変わる場合があります。黙っていて後から支払いの場面で問題になるより、先に伝えて条件を確かめる方が安全です。証券番号、満期日、代理店の連絡先を控え、家財の保険が別契約になっていないかも見ておきます。

固定資産税は、その年の一月一日時点の所有者に課税される仕組みです。名義人が亡くなった後は、納税通知書の送付先を決めるために、相続人の代表者を届け出る書類を市町へ提出する取扱いがあります。書類の名称や様式は市町で異なるので、課税している市町の資産税の窓口で確認してください。これは誰が最終的に負担するかを決めるものではなく、通知の宛先を定めるための手続きです。届出をしないままだと、通知が届かず納期限を過ぎてしまうことがあります。

見落としやすい契約もまとめて洗い出します。放送の受信契約、固定電話、インターネット回線とプロバイダ、ケーブルテレビ、警備会社の機器、浄化槽の保守点検と清掃、造園業者との年間契約、貸金庫、新聞、農業関係の組合費。浄化槽のある家では、使っていなくても法定の検査や保守の扱いを確認する必要があります。どれも請求書か引落し履歴から見つかるので、通帳と郵便の一覧を突き合わせるのが早道です。連絡した先と日付は、その都度記録へ残します。

  • 引落しに使われている口座とカードを洗い出し、当面の支払い役を決める
  • 電気と水道は「残す理由があるか」で判断し、一律に止めない
  • 保険会社へ、契約者の死亡と無人になったことの両方を伝える
  • 納税通知の宛先について、市町の窓口で届出の要否を確認する
相続直後に扱いを決める契約と、連絡する先の目安
契約連絡する先当面の扱いの目安一緒に確認すること
電気契約している電力会社原則として残す名義と支払方法、使用量の急な増減
都市ガス・プロパンガス会社または供給する販売店使わないなら閉栓を検討閉栓と再開の費用、器具の引き取り
水道・下水道市町の上下水道の窓口巡回で使うなら残す使用者の変更、休止できるかどうか
火災・地震保険保険会社または代理店できるだけ早く連絡承継の手続きと、無人になったことの届出
固定資産税課税している市町の資産税の窓口代表者の届出を出す通知の送付先、次の納期
固定電話・回線通信事業者使わないなら解約解約金の有無、撤去工事が要るか
警備・浄化槽の保守契約している事業者無人になったことを伝える無人時の対応範囲、検査と清掃の扱い
新聞・定期購読販売店または発行元止める前払い分の精算と、最終の配達日

立て替えたお金は、その日のうちに台帳へ書く

立替は小さな金額から始まり、半年で誰にも言えない額になります。争う準備ではなく、後から誰でも検証できる形を作るために、一件目から記録します。

立て替えは、たいてい小さな金額から始まります。巡回のガソリン代、書類を送る郵送代、合鍵の作製、電球、草刈りの燃料。一件ずつは数百円から数千円なので、その場では記録しません。ところが半年もすると、そこに草刈りの外注費、修繕の手配、保険料、公共料金、税の納付が積み上がり、合計は気軽に口に出せない額になります。後から思い出して請求しようとしても、根拠のない請求は通りません。最初の一件目から書く、が唯一うまくいく方法です。

遺産分割が終わる前に、相続人の一人が家の維持のために支出した費用は、原則として相続財産に関する費用として扱う考え方があります。ただし、どこまでが必要な費用で、どこからが個人の判断かは事案によって分かれ、最終的な整理は話し合いか、まとまらなければ家庭裁判所の手続きへ委ねられます。記事や家族の常識で決めず、金額が大きくなりそうなら早い段階で弁護士へ相談してください。この章で作るのは結論ではなく、どちらへ転んでも説明できる材料です。

台帳は、表計算でも手書きのノートでも構いません。必要な欄は、日付、支払った人、費目、金額、支払先、目的、領収書の有無、家族へ共有した日の八つです。効くのは目的の欄です。「草刈り」ではなく「隣地へ越境した草の刈り取り、自治会の役員からの連絡による」と書いてあれば、後から必要性を説明する手間が消えます。領収書は撮って共有し、原本は一つの封筒へまとめます。宛名は迷ったら支払った人の氏名で構いませんが、途中で変えず統一しておく方が読みやすくなります。

揉める原因は金額の大小ではなく、聞いていたかどうかです。そこで、事前に相談する金額の線を家族で一本引いておきます。ある額を超える支出は事前に連絡して返信を待つ、それ未満は事後の報告でよい、という形です。線をいくらにするかは家族の事情で決めてよく、大切なのは全員が同じ数字を知っていることです。水が噴き出している、屋根が飛んでいるといった場面は例外として、先に止めて後で報告すると決めておけば、緊急時に判断で迷いません。

費用は四つに分けると精算の話が進みます。家の価値を守るための費用、期限のある公租公課や保険料、売却や賃貸に向けた準備の費用、そして個人の好みや都合による費用です。前の二つは説明しやすく、三つ目は方針が決まっていれば合意しやすく、四つ目は原則として出した人の負担と考えた方が後腐れがありません。家財の処分費は判断が分かれるところで、相続放棄を検討している人がいるなら、支出そのものを保留した方がよい場合があります。

支出だけでなく、入ってくるお金も同じ台帳へ書きます。農地や駐車場の賃料、屋根に載せた太陽光の売電、電柱の敷地使用料、自動販売機の設置料。金額は小さくても、誰の口座へ入っているのかがはっきりしないと、後で立替分との相殺が難しくなります。故人の口座が凍結されて入金が止まっている場合もあるので、出ていくお金と入ってくるお金を一枚の表に並べておくと、遺産分割の話し合いに入ったときにそのまま資料として使えます。

精算のやり方は、大きく三つです。都度、相続人同士で分けて払う。いったん一人が立て替え、遺産分割のときにまとめて清算する。売却する方針なら、売却代金から精算する。都度払いは公平ですが、少額の送金が続いて全員が疲れます。まとめて清算する方法が現実的で、そのぶん台帳の精度が要ります。売却代金からの精算は、売れる時期が読めないと立替えた人の負担が長引きます。どの方法でも、税務上の取扱いに影響し得る部分は税理士へ確認してください。

お金にならない負担も、書いておく価値があります。往復の時間、有給を使った日、立ち会いのために予定を空けた回数。これを金額に換算するかどうかは家族次第で、無理に数字にしなくても構いません。ただ、記録に残っているだけで受け取られ方が変わります。何も残っていないと、遠方の相続人にとってその半年は存在しなかったことになります。現地の担当者にとっても、抱えている量を見せられる方が、交代や外注を頼みやすくなります。

実際に困った形をいくつか挙げます。現金で払って領収書をもらわず、金額だけ覚えている。自分の生活費の口座から払い続け、どれが実家の分か切り分けられない。良かれと思って外壁の塗装まで手配し、後から「そこまでは頼んでいない」と言われる。故人の口座から引き出して支払い、財産の処分と受け取られ得る行動になる。どれも、事前の一報と一行の記録があれば避けられたものです。台帳は家族を疑う道具ではなく、善意を守る道具だと考えてください。

  • 日付・支払者・費目・金額・支払先・目的・領収書・共有日の八欄で台帳を作る
  • 事前に相談する金額の線を決め、全員が同じ数字を知っている状態にする
  • 領収書は撮って共有し、原本は一つの封筒にまとめる
  • 故人の口座からの引き出しで支払わない
  • 精算の方法と時期を、立替が増える前に決めておく

図3立て替えた費用が、後で通るか揉めるか

立て替えた費用が、後で通るか揉めるか同じ支出でも、事前に共有してあるかどうかで受け取られ方が変わります。左上に入る支出だけを増やすのが目標で、右下は原則として出した人の負担と考えた方が家族関係を保てます。線引きの数字は、家族で先に決めておきます。横軸=家族へ事前に共有してあるか / 縦軸=家や期限を守るための支出か、個人の判断による支出か事前に共有してある一人の判断で出した家を保つ・期限を守るための支通りやすい立替公共料金、保険料、税の納付、越境した草の刈り取り。目的と連絡の記録があれば、精算の場で説明が短く済む。説明の手間が残る必要性は認められやすいが、金額の妥当性を問われる。見積もりを取った経緯と、緊急だった理由を書き足しておく。見栄えや個人の都合による支出方針が決まっていれば進む売却や賃貸に向けた片付け、簡単な補修。出口の方針が家族で共有されている範囲にとどめる。揉めやすい外壁の塗装、庭木の入れ替え、家財の一括処分。原則として出した人の負担になりやすく、放棄の検討中はとくに避ける。どのマスでも、故人の口座から引き出して支払うことは別問題。相続放棄の検討中は特に慎重に。
同じ支出でも、事前に共有してあるかどうかで受け取られ方が変わります。左上に入る支出だけを増やすのが目標で、右下は原則として出した人の負担と考えた方が家族関係を保てます。線引きの数字は、家族で先に決めておきます。

このページ固有の確認メモ

ここからは「相続直後の実家管理|鍵・郵便・電気・水道を誰が担うか」で特に確認したい内容を、事実、避けたい判断、手元資料に分けて示します。すべてを一度に終える必要はありません。確認できた項目には日付と根拠を添え、分からない項目には担当者と再確認日を付けてください。家族が別々の時間に作業しても、同じ一覧へ戻れる状態を目指します。

確認しておく事実

この欄は、方針を決める前に共有したい事実です。家族の記憶だけで確定せず、通知書、契約書、公式ページ、撮影日が分かる写真など、確認に使った根拠を隣へ書きます。該当しない項目も削除せず「該当なし」とした理由を残すと、後から同じ調査を繰り返さずに済みます。

  • 無人の家は、におい、草、雨樋、屋根の順に進む。三か月を越えると費用の桁が変わる
  • 口座凍結による支払いの停止は、郵便を回収していないと気づけない
  • 鍵は扉ごとに本数と保管者を書き出す。錠前の交換は全員へ伝えてから
  • 役割は現地・支払い・記録に分け、支払いと記録は別の人にする
  • 郵便は広告も含めて捨てない。差出人の一覧が財産調査の入口になる
  • 故人名義で転居届を出さず、郵便局の窓口で取扱いを確認する
  • 電気と水道は「残す理由があるか」で判断する。一律に止めない
  • 納税通知の宛先を決める届出は、負担者を決める手続きではない
  • 立替は一件目から台帳へ。目的の欄が後の説明を短くする

避けたい判断

この欄に当てはまる可能性があるときは、契約や処分をいったん止めます。一般例を対象の家へ当てはめたのか、資料で確かめたのかを区別し、不足情報を質問へ直してください。法務、税務、測量、建物、行政など別分野の判断が必要なら、回答できる相談先へ切り分けます。

  • 実家に近い一人へ巡回も支払いも記録も寄せ、半年後に不満だけが残る
  • 防犯のつもりで錠前を替え、他の相続人が入れない状態を一人で作る
  • 郵便の広告を捨ててしまい、少額の請求や共済の通知を見落とす
  • 無人になったことを保険会社へ伝えないまま放置する
  • 電気を一律に止め、給湯器の凍結防止や防犯灯まで一緒に止める
  • 現金払いで領収書をもらわず、金額の記憶だけで精算しようとする
  • 良かれと思って塗装や庭木まで手配し、後から負担を断られる
  • 故人の口座から引き出して管理費を払い、財産の処分と受け取られ得る行動をする

手元で探すもの

見つけた資料には名称、発行年、原本の保管者を記します。古い資料も経緯を知る手掛かりになるため、最新版と違うだけで捨てないでください。見つからない場合は空欄にせず、再取得できるか、誰に所在を尋ねるか、いつ再確認するかを決めると次の相談準備になります。

  • 最後に人が泊まった日と、直近に現地を見た日
  • 扉ごとの鍵の本数と、現在の保管者
  • 預けたままの合鍵と、返却された日
  • 現地・支払い・記録・窓口の担当者
  • 巡回の頻度と、行けない月の代わりの人
  • 郵便の回収頻度と、差出人の一覧
  • 不在票と返送された通知の有無
  • 引落しに使われている口座とカード、凍結の有無
  • 電気・ガス・水道の契約者と、止める残すの判断
  • 火災保険の証券番号、満期日、無人化の連絡状況
  • 納税通知の送付先と、市町への届出状況
  • 放送・通信・警備・浄化槽など、その他の契約
  • 立替の台帳と領収書の保管場所
  • 事前に相談する金額の線と、精算の方法
  • 近隣・自治会への連絡と、連絡先の共有範囲

よくある質問

相続人の一人が、実家あての郵便を自分の家へ転送してもらえますか

郵便局の転居届による転送は、その人が住所を移したことを前提とした仕組みで、亡くなった方あての郵便をそのまま転送する用途とは性質が異なります。故人名義で転居届を出す運用を自分の判断で行うのは避けてください。相続人であることが分かる資料を持って、郵便局の窓口で取扱いを確認するのが確実です。それまでは巡回のたびに回収します。

誰が持っているか分からない鍵があります。錠前を替えてもよいですか

名義変更前の建物は相続人全員に関わる財産なので、一人の判断で他の相続人が入れない状態を作ると、後の話し合いで問題になりやすくなります。替えるなら理由と時期を先に全員へ伝え、新しい鍵を誰が何本持つかも同時に決めてください。急ぐ事情があるときは、既存の鍵を残したまま補助錠を足す方法もあります。

無人の実家でも、電気と水道は残した方がよいですか

巡回で通水し、掃除や封水の補充に使うなら水道は残す判断が現実的です。電気も、給湯器の凍結防止、換気、防犯灯、警備機器が動いている家では残します。一律に止めると別の不具合を招くことがあるため、使わない設備の個別回路だけを落とす方法も検討してください。契約の扱いは各事業者の窓口で確認できます。

公共料金の引落しが止まっていました。どう立て直しますか

口座凍結で引落しが不能になっている可能性があります。まず未払いがどの契約でいつから発生しているかを請求書と督促で確かめ、当面どの相続人の口座やカードへ付け替えるかを決めて各社へ連絡します。名義変更の書類は後から整えられますが、支払いが止まったままだと供給や保険の効力に影響します。

立て替えた管理費用は、後から返してもらえますか

遺産分割前に家の維持のために支出した費用は、原則として相続財産に関する費用として扱う考え方がありますが、必要な費用かどうかの線引きは事案によって分かれます。最終的な整理は話し合い、まとまらなければ家庭裁判所の手続きになります。金額が大きくなりそうなら弁護士へ、税務上の取扱いは税理士へ確認してください。

遠方に住んでいて月一回も行けません。何を優先しますか

郵便の回収と通水の二つを優先し、それ以外は割り切って外注や近隣への依頼を検討します。郵便は期限のある通知と負債の手掛かりが混ざるため、放置の影響が最も大きい項目です。行ける回を増やせないなら、キーボックスを付けて業者や親族が入れる形にし、行った人が写真と記録を共有する仕組みを先に作ります。

公式出典・確認先

制度や受付条件は変わることがあります。最終判断の前に、リンク先の最新情報と担当窓口を確認してください。

  1. ふじがおか実家カルテ|住所で分かること(fudosan.atawi.link)カルテで整理する範囲と、現地・専門家確認が必要な範囲を確認確認日:2026-08-27
  2. 法務省|相続登記の申請義務化について(www.moj.go.jp)相続登記の基本的義務、遺産分割成立後の追加的義務、経過措置を確認確認日:2026-08-27
  3. 法務省|相続人申告登記について(www.moj.go.jp)遺産分割がまとまらない場合の申告登記と必要書類を確認確認日:2026-08-27
  4. 国税庁|被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(www.nta.go.jp)適用期間、対象家屋、相続人数による控除限度額等を確認確認日:2026-08-27
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大石 浩之

富士ヶ丘サービス株式会社 代表取締役・宅地建物取引士(静岡県知事 第027186号)。静岡県磐田市見付を拠点に、磐田市・袋井市・森町・掛川市・菊川市・御前崎市・湖西市・浜松市で、相続不動産・空き家・実家じまいの相談に対応。家族が次に確認する事項を、判断を急がず、地域の実務と公的情報を分けながら整理しています。